若い頃から気になっていたものの一つに「タオイズム」があります。
これは、古代中国で誕生した人間の生き方について研究された一つの哲学であり、生き方です。その目的は、人間が天地自然に添った行動や心の持ち方を身につけて実践することにより、宇宙の法則と調和し、 人間本来の生き方ができるようにすることです。
その法則のことを中国語では「道」と表現し、発音が「tao」という音に近いため、その法則に沿った生き方も「タオイズム」と呼ばれるようになりました。
タオイズムでは、人間のからだを「小宇宙」と捉え、宇宙の法則に従って、天地自然に沿って生きることにより、宇宙と一体になることを目的とします。 実践を重ねることによって、野生動物と同じように自分本来の生き方ができ、 生涯元気に明るく楽しい人生を送ることができると伝えられています。
もともとタオイズムは、古代中国の賢人であった老子や荘子の考え方が基になっていて、「老荘思想」ともいわれ、 「道」の哲学を実践する人たちは「道家」とか、「タオイスト」と呼ばれています。タオイズムはやがて、人々の暮らしの中に静かに浸透し、その中から心身を調和させ健康を高めるための考え方や技術が生み出されました。これらは現代を生きる私たちにとっても実用的で活用できるものが多くあります。
「タオ」という名の道は、自然界に通じる道であり、宇宙に通じる道であり、そしてこの世界の真実へと至る道でもあります。
タオを学ぶことにより、私たちの心身は広がり、可能性は開かれ、真の霊性へと到達することができます。
私は20歳の時に出会ったベンジャミン・ホフの『タオのプーさん』という本に出会って、タオイズムを知りました。そしてその一見難解な内容の中に存在するユーモアと深遠さに惹かれ、後には何冊も類書を読み漁り、中国まで行って老子ゆかりの場所を訪ね歩き、ついには自分の長男の名前に「タオ」とつけるまでに至りました（笑）。
そんな私の大好きなタオイズムについて、ここらへんで一つ自分なりにまとめてみたいと思い、筆を取った、いや、キーボードを叩き始めたしだい。「ヒーリング・タオ」というカテゴリーで、これから「タオイズム」の思想とそのヒーリング的側面について書いてみたいと思います。
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