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フード・レボリューション①〜今、地球がおかしい

フード・レボリューション①〜今、地球がおかしい

多発する不気味な気象災害

「何かがおかしい…」

もうすでに多くの人が気がつきはじめている。私たちの住んでいるこの地球に今、何かが起きようとしている。近年、世界中で頻発している異常気象は、世界気象機関(WMO)の調べによると、暴風雨や洪水、干ばつといった気象災害の発生件数が1970年から2019年の50年間で実に5倍近く増加している。

2022年に地球上で起きた異常気象の中から話題になったことをいくつか拾い出してみると、地域に関係なく大きな被害をもたらしていたことが伺える。

日本では2月に各地で記録的大雪が発生し、岐阜県関ケ原町の積雪は観測史上1位となった上、除雪作業中の死亡事故なども相次いだ。また6月には東京で9日連続で35度を超える猛暑日を記録し、これも観測史上最長となった。

世界各地で塗り替えられる記録

南アフリカでは4月に南東部で60年ぶりとなる豪雨が発生し、洪水や土砂崩れにより広範囲にわたって街が破壊され540人以上が死亡したと伝えられた。フィリピンでは4月と10月の台風被害により合計で440人以上が死亡。中部のマクタン島では4月の月降水量が368ミリメートルとなり、平年比651%を記録した。

ブラジルでは北東部から南東部にかけて大雨により各地で洪水や地滑りなどが発生し、合計で430人以上が死亡したと伝えられた。

南アジア及びその周辺では、5月から9月の大雨により合計で4510人以上が亡くなり、特にパキスタンでは、大雨により食料や医療品不足なども続き、1730人以上が死亡したと伝えられている。これらの異常気象は多くの場合、気候変動によって起こるといわれている。

地震被害の拡大

さらに地震の被害も深刻で、2023年2月にトルコ南部のシリア国境近くで起きた地震では、死者数が1万5000人以上という大きなものとなり、シリアとトルコにまたがるおよそ1350万人が暮らす地域が被災した。最近では日本列島各地でも頻繁に地震が発生し、沖縄では海中でリンが燃え始めるという珍しい現象が報告されている。

リンというのは、通常40℃以上の熱でしか燃えないが、それが海中で発火するということは、それだけマグマの活動が活発化して、海底の地熱が上昇していることを物語っている。地震学者は東京周辺でも関東大震災並みの地震がいつ発生してもおかしくないと警告を促す。

オゾン層に開いた穴とウィルスの逆襲

過去には、南極のオゾン層に開いた穴の大きさが観測史上最大になったことが報告され、科学者たちは、オゾンホールから紫外線が入り込み、そのために人々のからだが癌に冒され助からなくなると警告し、人々に恐怖感を与えている。そして、最近では新型コロナウイルスによるパンデミックで各国政府によって国民にロックダウンや行動制限が課されることとなった。

ウイルスや病原菌については、最近いかなる抗生物質でも殺菌することができない菌が発生していることが認められている。少し前に話題になった病原菌に「MRSA」があるが、これは「メチシリン耐性ブドウ球菌」の英語名の頭文字をとってつけられた名前であり、名前そのものが「メチシリンという抗生物質が効かない」という意味をもっている。

実際に現在使用されている抗生剤もごく一部を除いて効果がない。それでこの病原菌が感染症を起こすと治療に大変苦労するわけだ。しかし、もともと黄色ブドウ球菌という菌は以前から人間とともに存在してきた菌で、例えば普通の健康な人の20%はこれが鼻の中にいる。通常は何ら悪さをすることはなく、ケガをした時に傷口が膿んだりした際に見つかる菌なのだ。このブドウ球菌の中でも抗生剤に抵抗力をもったものがMRSAと呼ばれるようになる。そのため健康な人には問題ないが、弱った人にこの菌が感染し、肺炎などの病気を起こすと治療が難しく問題となってしまう。

そうした菌に加え、近年、水道水の中にいくら塩素殺菌しても死なない菌が数多く生き残っているのが発見され、水道局もついにそれを認め始めた。さらに煮沸しても死なないバクテリアが存在することも、やっと最近、学者が認めるようになってきた。そのほかにも、エイズやエボラウイルス、狂牛病や穀物に発生する黴の病気や害虫の被害など、ウイルスや微生物が関係する被害が今、世界的規模で増えつつある。

原因を辿ると浮かび上がる「食」

これらの現象はいったいどうして発生するのか?

現代科学は、この答えを明らかにしてはいない。なぜなら、その原因がわかっていないからだ。これらの天変地異や微生物による被害は、自然に発生したのだろうか?

いや、そうではない。それらの被害ををもたらした「原因」というものが必ずあるはずだ。そして、その原因というのも単なる自然現象ではなく、これまで私たち人類が物質文明を発展させてきたプロセスにおいて、地球の自然環境を破壊し、自然の生態系のリズムを狂わせたことにも原因があると私は見ている。

すべてはつながっている

一般的には、地震とか火山活動、洪水や竜巻などの天変地異は自然に発生する現象であり、防ぐことは不可能だと思われているが、決してそうではない。どんなものでも「原因」があるからこそ「結果」が起こるのだ。そしてこの世界の背後にはある種の法則、ルールが存在する。そのルールに基づいて、私たちの暮らすこの地球をはじめとする天体は規則正しく運行し、季節は巡ってくる。そして、そうした天体の存在と私たちの存在は実はつながっている。

つまり私たちの思いや感情、ふるまいといったものがこの宇宙のありようにも大きく影響しているのだ。さらに、私たちの心やからだが何からつくられるのか?と考えた時、まず頭に浮かぶのは、そう、「食べ物」にほかならない。

現在、地球が不調和な状態にあるということは、私たち自身の心身が不調和な状態にあるからであり、その不調和の原因は、私たちが日頃口にしている食べ物や食べ方に問題があるからではないか?そう思ったのがこのテーマを執筆するきっかけとなった。

これから「食べ物」を通じて、地球の危機、その原因と結果を究明してみたいと思う。その原因が理解できれば、その対策を立てることだってできるし、天変地異も被害をより小さなものにすることができるに違いない。

 

⭐️ この危機の時代を回避する問題解決の鍵を私はマクロビオティックに求める。そは人間の存在と宇宙、そして双方をつなぐ「食」についての哲学であり、術である。おすすめしたい著者は多数いらっしゃるが、その理論をわかりやすく説明されているのが柿本先生の書かれた本書である。何より文章が美しくこちらの感性にすーっと入ってくる。

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感想(3件)

 

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