あるヨギの教え①
私がまだ20代の頃、ある日、インドのとある町で、一人のヨガの行者からこういう話を聞きました。
石ころから、微生物、昆虫、魚、植物、動物、私たち人間にいたるまで、この世に存在する全てのもは毎日、少しずつ進化に向かって成長しているのだ、と。
けれど、人間だけはその進化を早めたいがために、滝に打たれたり、苦行をしたりして、この大切な肉体をいじめ抜き、中には命を落としたり、かえって自我を強める本末転倒な輩さえいる。
しかし、古来より、もっと簡単で効果が絶大、しかも誰もが行える秘密の修行法がある。この方法によって、霊的進化は飛躍的に加速し、その魂は輪廻を超え、一なる神との合一に達することができるのだと・・・
「これをカルマ・ヨガという!!!」
「へぇぇ・・カルマ・ヨガ?」
「そう、カルマ・ヨガ」
「教えてほしいか?」
「教えてほしい」
「じゃあ、カレーおごって」
そんなこんなで、私は一皿のほうれん草カレーを彼にご馳走するはめになり、かわりに霊的進化を加速する秘密の方法を教えてもらうことにしました。
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そして、彼がカレーを食べ終わったところを見計らって、私は尋ねました。
「で、カルマ・ヨガとはどうやればよいのですか?」
「聞きたいか?」
「聞きたいです」(じらすなぁ、この人ったら・・・)
「それは・・・」
「それは???」
「毎日を丁寧に暮らすこと」
「・・・はぁあ?」
天地万物全てのものは、神の本質である愛と調和をこの世に現すために存在する。そうであるならば、私たち人間、一人一人が現在おかれている環境、職業、人間関係、日常生活全ての中に愛を表現するチャンスがあるということである。
手紙を書く、話をする、料理をつくる、体を洗う、服をたたむ、掃除をする、動植物の世話をする、などなど。
こうしたあたりまえの行為一つ一つを意識的に心を込めて、丁寧にきちんとこなしていくこと。それによって、その行為は愛の表現となる。
例えば、愛ある料理は病める人を元気にし、愛をもってケアすれば、どんなものでも長持ちするようになる。こうして積み重ねた愛ある行為は自分自身の霊的進化を早め、それと関わる他者をも進化させるしくみになっている。
このように、神により設定された有難いしくみがあるにも関わらず、自分に与えられたチャンスをいやいやながら行う、或いは心を込めずに不満をもって行う愚か者がこの世にはなんと多いことか。こういう行為は自分自身の霊的ボディーに傷をつけ、汚すことになる。
魂の修行といっても、何も霊場や聖地に行くことなどない。修行の場は私たちの今いる日常に、何気ない行為の中にこそあるのだ。
これをすなわち、「カルマ・ヨガ」という。
「どうだ!わかったか!?」
「は、は、はいぃぃ・・・」(汗)
私はなんとなく納得した気になって、お店の人にカレーの代金5ルピーを、さっそく、心を込めて渡しました。
この話、その2につづく・・・・
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