宇宙の温度
この太陽を中心にした私たちの「太陽系」において、暑い・寒いの基準となるその熱源はもちろん「太陽」であります。
宇宙で最も低い温度は「絶対零度」と呼ばれるもので、摂氏でいうとマイナス273度Cくらいになります。どんなに冷えきったって、それ以下になることはありません。
逆に、その絶対零度からどれだけ温度が上がるかは、その物体がどれだけ太陽から熱を受けたかによります。物体が太陽から熱を受ければ、温度は上がるし、受けなければ温度は下がるというわけです。
ところが、この太陽からさほど遠く離れていないこの地球が、寒い地域でマイナス数十度C、暑い地域でも40度くらいにしかならないのには理由があります。
それは、この星の周囲をほど良い大気が存在し、循環してくれているおかげなのであります。
月には大気がないため、昼の間は太陽の熱を受け、地表は100度C以上になってしまいますし、逆に夜は冷えてマイナス150度C以下になってしまいます。これでは、私たちが住めませんよね。
地球よりも太陽に近いお隣の金星がどうかというと、二酸化酸素の厚い大気に覆われている(地球の気圧の90倍)ことが温室効果をもたらし、表面温度はなんと470度Cにもなってしまいます。やはり、私たちは金星にも住めません。
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ロケットや国際宇宙ステーション、船外活動をする宇宙飛行士さんたちも、大気圏外の真空の状態で太陽の光を浴びるため、日が当たっている部分は高温となり、日陰の部分は低温となってしまいます。その差は、日が当たれば100度C以上、日が当たらなければマイナス100度C以下。200度近くも開きがあるのです。
そのため、宇宙飛行士さんたちが着ている宇宙服は、特別な繊維でできており、13層の異なる層からできています。また、宇宙服の下着には、スパゲティのようなチューブがはりめぐらされていて、背中にある生命維持装置とつながり、このチューブに「水」を流して、カラダの体温を一定に保つ仕組みになっています。
かように、私たちが、この地上で「暑い」「寒い」言いながらも快適に暮らしてゆけるのは、太陽さん、そして、大気や大気の存在と、それらの循環のおかげさまなのです。
宇宙のことを知って、それらをつきつめてゆくと、森羅万象のすべてに感謝せずにはいられなくなります。
宇宙についてのことは、この国では、学校教育において理科の時間に、ほんの少し触れる程度ですが、もっともっと時間をさいて、その有りさまを学ぶことができるようにすべき、と思います。そうすれば、知らず知らず周囲のモノゴトに感謝できる感性が日本人の心の中に自然と育まれると思うのです。
「宇宙の時間」、できるといいなぁ。
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