キウイ その知られざる効能
ヒットソングと中原めいこ
夏になると思い出すヒットソングがあります。中原めいこの歌う「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね」。この曲がヒットした昭和の時代、トロピカルフルーツは、まだ珍しい食べ物でした。私がキウイを知ったのもこの曲を聴いたから。
当時、国内の化粧品メーカー各社が競い合い、毎年夏になると新製品のキャンペーンをテレビCMで大々的に宣伝するのが通例で、それには必ずタイアップ曲がセットになっていました。この曲もカネボウのキャンペーンソングとして一世を風靡したのです。
シンガーソングライター中原めいこには、デビュー時、所属レコード会社の期待から「第2のユーミン」というキャッチフレーズがつけられました。本人はこれをたいそう嫌がっていたとか。
これわかります。「第2の」なんて言われたって、なんだかばったもんみたいで嬉しいわけがない。「第2の宇多田ヒカル」といわれた倉木麻衣や、「第3のカリフラワー」といわれたロマネスコの気持ちなんか、きっとレコード会社の社員の皆さん、わかってないんだと思います。
このコミックソングみたいな曲名も広告代理店が要望したらしいですが、中原はこれを「日差しを浴びて色とりどりに輝く女性をイメージしたもの」と捉え、得意のラテン・テイストなポップソングに仕上げたのです。耳に残るメロディとユニークな言葉を紡ぎ出すセンス。中原めいこという人には大いに才能を感じたものです。しかし、大ヒットをきっかけに世に知られることとなった中原は、あまりの多忙さゆえ心身をすり減らし、活動は徐々に減少。その後は目立った活動もなく、やがて表舞台から姿を消してしまいました。
市民権を得たキウイ
そんな彼女とは対照的に、現在キウイは市民権を得て、スーパーではあって当たり前の常備フルーツとなりました。私もこのキウイが大好きでスーパーで見かけると思わず買い物カゴに入れてしまいます。なんといってもあのデザインが良い。半分に切ると真ん中に黒ごまみたいなツブツブが点在しているのがキッチュで可愛らしい。
しかしこのフルーツ、決してあなどれません!見かけ以上に凄い効能を沢山もってるんです。