食の革命①神話を紐解く

マクロビオティック

今、人類は時代の大転換期を迎えています。環境破壊、戦争と核の脅威、混乱する経済、そして人心の荒廃…。それはそれはもう、問題が山積みです。それらの問題の原因が何か?と考えた時、すべては私たち人類が創り出した「文明」に起因します。そして文明とは、人類が思考し活動してきたことの集積にほかなりません。では、私たちの日々繰り返されるその思考と活動はどこからやって来るのか?あなたは考えてみたことはありますか?

実は、その答えこそ「食べ物」なのです。私たちが日々食事を通じてからだに取り込まれる「食べ物」は消化・吸収というプロセスを経て、私たちの血になり、肉になり、からだそのものを造る材料になるのはもとより、思想や感性、価値観や考え方を決定する材料にもなるのです。

であるならば、この世界を変えたいと望むなら、まずは自分が日々食べている食べ物を見直し、自分自身の意思で「選択」していく必要があるのはいうまでもありません。それは食卓における小さな革命となって、家庭を変え、社会を変え、やがては大きく世界を変えていく力となるのではないか?

その選択の鍵が、実は半世紀以上も昔、日本で提唱された「マクロビオティック」の中にあります。マクロビオティックを掘り下げていくと、この混迷の時代を生き抜き、輝ける文明を構築するためのヒントが山ほどあるのです。

そんなコンセプトで、「食の革命」と題して集中的に記事を執筆してみたいと思い立ちました。お付き合いいただけると嬉しいです。

『易』は宇宙をどう捉えたか?

人間の文明は神話から始まります。この世界はいったい誰によってどのようにして創られたのでしょう?

きっと、古代の人々も空を流れる雲や瞬く星を眺めながら、そうした疑問をもっていたに違いありません。東洋では、今の中国にあたる地域でおよそ5千年前に伏羲(ふぎ)という伝説上の帝王が、自然の中にある山川草木の姿から時の流れや移り変わりを感じ取り、天体を観測しながら宇宙に存在するルールのようなものを発見し、『易(えき)』として後世に伝えました。

易ははじめ、占いの方法として用いられました。国の大事な運命を決める時に亀の甲羅を焼いてできるひび割れの形によってその吉凶を決定したのです。その後、亀の甲羅の代わりに筮竹(ぜいちく)と呼ばれる竹ひごのようなものが使われるようになりました。易では 50本1組の筮竹で占いをします。 これらを一定の方向に両手でさばき、片手に掴み取った本数で運命を占うのです。

易ではまず、最初に一つの「太極」というものがあったと考えます。それが性質の異なる「陰」「陽」の二極に分かれ、その二極が次に4つに分かれ、さらにそれが8つに分かれて八卦となり、その八卦が二乗されて64に分かれて世界ができたとされるのです。それゆえ世の中はすべてこの64パターンの卦によって構成されており、それを合わせたり離したりしてできた組み合わせによって成り立っていると考えるのです。

『古事記』のおおらかな宇宙観

それでは、日本はどのように自然や世の中の展開を考えたのでしょう?

それは『古事記』によって語り伝えらています。『古事記』は日本神話を含む現存する最古の歴史書です。712年に太安万侶(おののやすまろ)が編纂し、元明天皇に献上された書とされています。『古事記』では、昔、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)がいて、この神から高皇産霊(たかみむすび)、神産霊(かみむすび)という、目に見えないところの結びを担当する神が産まれ、続いて目に見える世界の結びを担当する、いざなぎ、いざなみの二神が産まれて国生みをしたとされます。

ここで面白いのは、国生みを試みた際、 いざなぎ、 いざなみの二神が、 最初あるがままの位置で交わった時には、国を生むことはできなかったため、 左右に位置を変えて交わってみたところ、いざなみの女性器から淡路島が生まれたと記述されているのです。このように男女の営み(=セックス)について大らかに記述されているのは『古事記』の大変特異な点といえます。

『聖書』の天地創造は振動から始まる

 一方、西洋社会の規範となっているものに『聖書』がありますが、「創世記」 の冒頭部分には「はじめに言葉ありき」と書かれています。言葉というのは、いってみれば「振動」のことです。 この世界の一番最初には振動(=バイブレーション)があったというのです。それがやがて変化して大地が誕生し、その大地に草が生え、そしてそれを食べる動物が生まれてこの世はできた、と書かれているのです。これもなかなか興味深い表現です。

しかし、肉食中心の食文化が長かった西洋社会の説明の仕方は、菜食中心の食文化が長かった東洋社会に比べ、少々単純で大雑把なようにも思われます。そのあたりは、やはり中国の『易』の表現のほうがより哲学的で深みがあるように感じられるのです。易は、無限の世界からまず陰陽が生まれ、その陰陽が結びあって展開し、やがてすべてのものを創造した、とあるのですから。

桜沢如一先生が提唱した「無双原理・易」

けれども、それ以上に面白いのが長く米を主食としてきた日本人のものの考え方です。いざなぎ、いざなみの二神が最初に交わった時には赤ちゃんが産まれなかったにも関わらず、体位を変えてみたら今度はちゃんと赤ちゃんが産まれた、というふうに、そこには陰陽におけるエネルギー変化のプロセスや回転の性質についても伝えているのです。

そもそも易が何かといえば。それは大自然のルールであり、ルールによって創造された宇宙の仕組みそのものです。自然がどういう仕組みによって造られているか、 このルールを総称して、日本のマクロビオティックの提唱者・桜沢如一先生は「無双原理・易」と呼びました。「無双」とは「2つとない」「唯一」のという意味を持ちます。

自然のルールとは「そこに整然とした秩序がある」ということであり、その秩序とは「一定のルールに基づいている」ということですが、 この自然のルールについて考える前に、まずは私たちが暮らすこの地球をも含めた大自然がどのようにして発展・展開してきたかを次のブログで考えてみたいと思います。

 

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