自分で背骨を整えるには?

背骨について

 

普段は人さまの骨盤や背骨の歪みを整えさせていただいている私ですが、治療家だからといって必ずしも自分に歪みがないわけではありません。いや、むしろ施術時に特定の動きを繰り返すことが多い為、気をつけていなければ一般の人よりも歪むことの多い日々を過ごしているともいえます。

余程歪みがひどくなって痛みや不快な症状が現れた時には、治療院のスタッフに治療をお願いすることもありますが、それとていつでも頼めるわけじゃない。なので、必然的に日頃からセルフケアを行うようにしています。

自分で自分を整える方法というわけで、そのテクニックはいくつもあるのですが、私が最近その効果を気に入って、よく行う調整法があるので今回それをお伝えしましょう。

 




 

■香川在住の治療名人・柳原能婦子先生

香川県在住の手技療術家で柳原能婦子先生という方がいらっしゃいます。この方はずっと専業主婦をしていらしたのですが、ある日突然、当時中学一年生だった娘さんの耳が聞こえなくなり、何人もの名だたる医師に診てもらっても、色々な治療法を試してみても一向に治る気配なく、「なんとしても娘の耳を治してあげたい」という一心で人体についての勉強を始め、独自の治療法を模索して治療家となった方です。その結果、ついに娘さんの耳は聞こえるようになりました。

柳原先生は娘さんの治療の為にあらゆる文献を読みあさり、人体模型を取り寄せては触り、自分の家族のカラダから骨の位置や形を手探りで調べて骨格図を作り、本に載っている図と比較して勉強しました。そして、どの骨が動く時、連動してどの骨とどの筋肉が動くかが分かるようになり、そうした骨と筋肉の動きの関連性を力学的に突きとめることに成功したのです。

その努力と探究心は治療家の鏡だと思います。 私は以前、柳原先生のご著書を入手したくてご本人とお電話でお話ししたことがあるのですが、とてもお優しくて人間味溢れる人物との印象を持ちました。ご著書の内容も素晴らしく、日々の臨床の参考にさせていただいています。

私が普段行っている歪み改善の為の自己調整法も、そんな柳原先生が考案された方法のひとつです。

 

■背骨の構造と問題点

調整法をお伝えする前に、背骨についてお話ししましょう。私たちの背骨は、頭と骨盤との間に24個の骨が連なって構成され、上から順に「頚椎(けいつい)」「胸椎(きょうつい)」「腰椎(ようつい)」と呼ばれます。骨と骨の間には、椎間板というクッションがあって、これが全体がカラダを支える柱としての役割をしています。

背骨の中には親指位の大きさのトンネルがあり、そこに神経が通って、脳からの指令を手足へと伝える大切な働きをしています。もしも、この背骨の中で神経が圧迫されると、手足のしびれや、痛み、マヒなど不快な症状が生じます。

西洋医学の場合、背骨の病気の治療は保存療法が基本です。背骨の中の神経は背骨の動きに伴って傷みやすいため、まずは動きを抑えて安静にすること。それから徐々に問題部分の周辺の筋肉に対して必要に応じたストレッチや運動療法を行います。症状が強い場合は薬が処方されることもあります。それでもなお痛みやしびれが強い場合や、マヒが酷い場合には、最終的に手術となります。

できればカラダにメスは入れたくないですよね。そんな重要な背骨だからこそ、日頃から歪みを整え、神経の通りを良くしておくことが大切なのです。

 

■調整法の手順

自己調整法に背骨の矯正はシンプルです。手順は次の通りです。

①うつ伏せに寝て、左右の手で握りこぶしを作り、上下に重ねます。その上に自分の顎を載せ、膝を曲げて足を左右に振ります。

②左右に振る動きに合わせて、顎を握りこぶしに載せたまま、倒した足の裏を見るように顔を動かします。

③時折、膝を曲げる角度を変えながら、トータル120回ほど足を左右に振り続けます。足を左右に振りにくい時には、その角度と対応する背骨の部分に問題があると考えられます。なので、その部分を重点的に行うと次第に硬さが解け振りやすくなります。

これを行うことで背骨が正常な動きを取り戻し、神経の流れも正常になります。足を振った時に膝がどんな角度でもスムーズに触れるようになったなら背骨の歪みがちゃんと矯正されている証です。120回を目安に週に数回行ってみてください。

 

■誰もが治療家になれる時代

実際に行ってみるとわかりますが、何ひとつ複雑なところがない上、誰でも簡単にできます。要領が掴めるとリズムにカラダが反応しとても気持ち良く行うことができます。にも関わらず効果は絶大。腕のある整体師が背骨矯正してくれるくらいの改善をきっとあなたも体感されることでしょう。

昔は、少数の名人が病める人を治療するのが普通でした。しかし現在、書籍はもちろんのこと、 DVD、ネットの動画などで素人でもカラダについて家で学ぶことができるようになりました。

整体の世界も、時代に応じて優れた研究者の技術が新たに加わって、どんどん安全でより効果のあるものが開発されています。将来はプロとアマチュアの垣根もなくなるのではないか。誰もが自分のカラダに関心を持って自らメンテナンスを施したり、家族や友人を治療することが当たり前の世の中になるのではないかと思います。

柳原先生が、医師が現代医学ではもう治らないと言った娘さんの難聴を自らの技で見事に完治させたように、市井の名人がこれからたくさん誕生していくことでしょう。先生は治療家となられてからも、一般の方がさらに健康になられるようにと全国を講演して廻られています。その尊い活動に深い敬意を表しつつ、ここにご紹介させていただいた次第です。

 

 

⭐️  柳原先生はご著書も出されているけれど、新品はなかなか手に入り辛い状況。けれども中古なら入手できそうです。治療家はもちろんのこと、一般の方が読まれても健康に対する心構えが変わるはず。本書では実際に使える症状別の治療法も明かしてくださっています。必読!

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