その痛みのストレスがうつ病を生み出す

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「痛み」というのは辛いものです。痛みを感じている本人にしか分からない苦痛がありますし、いつ治るかはっきりしないものも多く、不安は増大するばかり。私たち治療家にとっても、「痛み」は治療における最大、そして根源的な、永遠に終わりのないテーマと言っても過言ではありません。

「痛み」という言葉そのものは、主に医療の現場で扱われることが多いですが、実はその本体というのは未だに多くの謎に包まれています。

苦痛を伴う感覚の一種であるとはわかっているのですが、その本体や起こる仕組みとなると、ごく一部のことしか解明できていないのです。それは、きっと心や生命、意識の本体が医学的には十分分かっていないのに似ています。

ただ問題なのは、最近、特に増えているように感じる精神疾患、特にうつ病の発症に痛みによるストレスが多いに関与しているという事実。今回はそんなテーマでお伝えしたいと思います。




■自律神経を蝕む「痛み」■

誰にとっても、痛みは苦痛ですし、不快なものです。不快なものは全てストレスとして働きます。不快なストレスが長く続いた場合、生活そのものの質も大きく低下してしまいます。さらにその状態が続けば、今度は脳の視床下部を介して自律神経に異常が起こります。

自律神経は私たち人間にとって生命活動の要。そこがやられると、心臓や血管、消化管などに機能障害が起こってきます。また、不快な症状が続くと、大脳辺縁系という大脳にある部分を介して精神症状が生じてくるのです。さらには、脳のもっと深い部分、脳幹毛様体を介して不眠の状態が現れます。

寝付かれないゆえに、疲労はさらに溜まっていきます。そうして起こった負の連鎖がさらに生活の質を落とし、仕事の能率を悪くし、カラダに本来備わっているホメオスタシス=恒常性維持機能が失われ、心身の障害はもっと深刻なものへと移行して行くのです。

■痛みの刺激はうつ病の温床

ストレス社会と言われて久しい現代日本。この環境の中、各年代に精神疾患を抱える人が増えています。

ストレスがかかると人の体内には、自律神経の異常が起こるわけですが、これがまず自律神経の緊張をもたらします。これにより、抹消の血流が悪くなり、細胞に十分な酸素が供給されません。すると、ブドウ糖が水と炭酸ガスとに分解されずに蓄積し、ここから乳酸などの疲労物質が多く産生されるのです。

最初のうちは、それらが筋肉の張りや凝り、怠さなどをもたらしますが、長く常態化すると慢性の痛みに変わることがあるのです。痛みの刺激は不快な感情をもたらすものですが、それが続けば、大脳辺縁系から大脳全体にその刺激が伝わり、うつ病が発症してしまう場合があるのです。

■本当は怖い慢性症状

うつ病の原因には、種々のストレスありますが、中でも痛みによるストレスは、大きな原因の一つとして最近知られるようになりました。

不安やストレスで筋肉の緊張が高まり、その結果、頭痛や肩こり、腰痛などの慢性の痛みを生じ、さらに交感神経の過緊張を招きます。

カラダの痛みや、うつという精神の痛みが、大脳辺縁系で合体して脳全体へと広がり、さらなるうつ状態をもたらし、重度の不安神経症の原因にもなります。大脳辺縁系は、自律神経中枢と密接な神経の連絡路があるところなので、交感神経の異常な興奮をもたらし、交感神経の緊張状態が同時に形成されてしまうのです。心の痛みやそこから来るストレスが背景にはあるということです。

だからこそ、単なる頭痛や肩こり、慢性腰痛だからと言って放っておいてはいけなのです。

■痛みとうつ病との深い関係

アメリカのハーバード大学病院の研究によれば、慢性の痛みを持ってる人は、一定の割合で何らかのうつ症状も持っており、また、うつ症状は慢性の痛みを憎悪することがわかりました。つまりは、痛みは不快な感情状態であり、不快な感情状態が痛みをいっそう強くして、両者はいつも切り離せない関係にあると言えるわけなのです。

同じくアメリカのメイヨークリニックのデータによれば、うつ病患者の抱えている慢性の痛みには、頭痛や頸部痛、背部痛などカラダの上半身に現れるものが多いとか。やはり頭部に近いからなのでしょう。したがって、治療を施す場合にも心とカラダの両面に対して同時に行って行く必要があるでしょう。

痛みに対しての治療も、西洋医学的には、神経ブロックや局所麻酔、点滴、電気刺激による通電法などがあります。しかし、これらはどちらかと言えば、人間のカラダをモノとして捉え、モノとして対処している感は否めません。うつ病は心の問題でもあるから、もっと心に変化を起こさせるようなアプローチが必要だと考えられます。

■痛みとうつを改善する5ヶ条■

私たち治療家は、クライアントさんの存在を心身両面から捉えます。そして、経絡と呼ばれるエネルギー的回路を用いて、生命エネルギーの働きを高めるような手技や刺激を施します。そのあたりの方法論については、過去の記事でも何度か触れてきました。

ただ治療時間も限定的なものなので、クライアントさんがより長い日常生活の中でご自分で努力していただく要素というのもとても重要なのです。それと治療家の施術との双方が合わさることにより症状の改善はより期待できるものになるのです。

では、痛みを伴い心身ともに病めるクライアントさんには日常どのようなことを心がけていただきたいか、ポイントを挙げるとすれば次のようになります。

①筋肉を鍛える

筋肉の凝りや痛みの原因のうち最も多いのは、十分な血流がないために起こります。なので常時カラダを動かし血流を良くしておくのが大切です。気分的にも爽快感がもたらされますよね。

②カラダを温める

温泉や風呂に入り、血行を良くします。シャワーは冷えをもたらすのでお勧めできません。

③筋肉の緊張をほぐす

指圧やマッサージ、各種の手技療法など、また、ヨガやストレッチなど外部からの筋肉刺激によって、心身ともにリラックスがもたらされ、組織の栄養状態が良くなります。また、直接触れる刺激でなくとも、好きな人に会っておしゃべりするだけでも筋肉は柔らかに変化します。逆に嫌いな人と会うと緊張しますので要注意。

④楽しいことをする

できるだけ楽しく好きなことをすると、副交感神経が優位になり、交感神経の過度の興奮を抑え、自律神経の安定を図ることができます。

⑤睡眠を十分に取る

不眠が交感神経の緊張を引き起こし、大脳辺縁系を介してうつ病をもたらすことはすでに述べました。睡眠時間は人によって違いますが、毎日の生活リズムを正すことが睡眠に良い影響を与えます。また良い睡眠のためには、平素からアルコールやタバコなどの刺激物をできるだけ避け、室内の照明を少し暗めに設定して眠りに導入しやすい環境をつくることも大切です。

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