悲しいかな、万物はすべからく放っておくと酸化していきます。リンゴの皮をむいた後、褐色化したその切り口を見てあなたも悲しみを感じたことがあるでしょう。桃だって変色します。プラムだって変色します。
また果実によらず、銀でできたネックレスだってスプーンだって時間が経てばみんな変色するのです。そういやぁ、私たち人間だってそう。その法則を免れることは決してできません。
これ全て酸素のなせる技。人間ならば、呼吸によって取り入れた酸素が、紫外線やストレス、過度の運動、空気の汚染、放射線、タバコ、アルコール、食品添加物などによってカラダの細胞を酸化させます。これを少しでも食い止め、遅らせる方法はないものか？はい、ないわけではありません！それは…
人間も歳をとってくれば、当然、酸化は進みます。鏡を見れば、おや、普段紫外線の当たるところにはシミはあるし、シワもある。しかし、当たらないところは案外シミもなく若々しい肌が保たれていたりもする。防ぐ手立てだって全くないわけじゃありません。
活性酸素は悪者のように思われがちですが、必ずしもそうではありません。はじめのうちは病原菌やウィルスを退治するなど良い働きもしてくれているのです。しかし、それが増えすぎると細胞を傷つけたり、カラダにとって悪い働きをするようになるのです。要はバランスということなのですね。
私たちのカラダの中には、その活性酸素を撃退し被害を最小限にしてくれるありがたい酵素があります。その名も「抗酸化酵素」。それが活性酸素の悪さを食い止めてくれているのです。
しかしながら、あまりに活性酸素の量が増えだすと、さすがの抗酸化酵素の働きも追いつかなくなります。今度は新たな兵隊が繰り出して活性酸素と戦い始めます。その兵隊とは、「抗酸化ビタミン」。カラダには二重、三重の防御の構えが用意されているのですね。誠にありがたいことです。
抗酸化ビタミンには、緑黄色野菜に含まれていることでもおなじみのβカロチンや、ビタミン C、ビタミンEなどがあります。よく加工品などでも裏のラベルを見ると酸化防止剤としてビタミンCやEを使われているのを確認できますよね。
ビタミンCならば L-アスコルビン酸という名前で表記されていることもありますが、果実加工品や漬物、惣菜、パンなどに使用されますし、ビタミンEならばトコフェロールという名で表記され、バターや油脂類全般、菓子類、油脂含有食品などにも使用されます。
水溶性ビタミンであるCは細胞膜外で働き、脂溶性ビタミンであるEは細胞膜内部で働いてくれます。なんとよくできたカラダの仕組みと栄養成分達、ほんとにほんとにありがたいことです！
なので、少しでもカラダの酸化を抑えたかったならば、こうした栄養についての知識をちょいと取り入れて、毎日の食生活を工夫してみると良いのであります。
そこでおすすめしたいのは、自分でアレンジしてこれら栄養成分をミックスしてオリジナルのドレッシングを作り、毎回の食事に少しずつ使用することです。
題して「抗酸化マリネ・ドレッシング」！
そのレシピはと言いますと、βカロチンの豊富なパセリ、しその葉、ビタミンC の豊富なレモン、ビタミンEが豊富なオリーブオイル。これらをミックスして塩、胡椒、マスタードや各種ハーブを用いて味付けし、ただドレッシングにするだけ。簡単でしょ！
これを作り置きしておいて、毎回、料理に振りかけるのです。サラダはもちろんのことお刺身に和えればカルパッチョ風に美味しくいただけます。パスタなんかにも合いますよ。
またドレッシングを使う他には、「ポリフェノール」も意識されると良いでしょう。ポリフェノールとは、野菜の色や渋み、苦味のもととなる成分でほとんどの野菜の茎や葉には含まれています。
例えば、緑茶やほうじ茶など茶葉に含まれるカテキンは血圧を下げる効果があります。玉ねぎやレタスに含まれるケルセチンは血液をサラサラにする効果があります。ブルーベリーやプルーンに含まれるアントシアニンは血行改善が期待できます。
これらの効果もカラダが酸化するのを防いでくれます。前述したカラダの酸化を進める原因をできるだけ排し、良きものを摂り込んでいつも元気な錆びないあなたでいてください。若肌維持は不可能じゃありませんから！
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