お母さん、初めて母乳をあげる時にはカニババに気をつけて!

育児

わが子は三人いますが、二人の息子は立派に成人し、一番下の娘は今、高校生です。上の子は助産院で、下の子二人は自宅出産で生まれました。医師、産院の協力がない分、自宅出産では出産に関する情報を自分たちで調べ、様々な自然療法を取り入れて実際に活用しました。

その中で大いに参考になったのが、今は亡き整体の巨人・野口晴哉先生のご著書です。中でも『育児の本』が、内容豊富で面白く、先生独自の人間観察の視点になるほど!と唸る箇所がいくつもありました。その本は好き過ぎて、子ども達が大きくなった今でも時々手にとっては読み込んでしまうほどです。

書中に出てくる言葉に「カニババ」があります。きっと、そんな言葉初めて聞いいた、なんて方もおありでしょう。カニババ、…それは生まれて間もない赤ちゃんのお腹から出てくる真っ黒い○○○のことを指します。

実は、そのカニババをどう処理するか?そして、どのタイミングで初乳を与えるかが、その後の赤ちゃんの健康にとってスゴく大事なんです!あなたはご存知でしたか?




 

 

■カニババを十分出しきってから初乳を与える

カニババ、聞き慣れない言葉ですよね。食べ物なのか?とも思うし、カニに似たお婆さんのことなのかな?とも思う。けれど、どちらも大間違い。

カニババとは、生まれてすぐの赤ちゃんのお腹から出てくる真っ黒いウンチのことを指します。赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時に吸収した老廃物や不要物がカニババとなって体内に蓄積されているのです。

野口整体においては、出産を終えたお母さんが初めて赤ちゃんに授乳する時は、このカニババが十分排泄されてから与えることがとっても大切だと考えられています。なぜなら、母乳の「初乳」には残っているものを全部出してしまう働きがあって、それから普通の乳になるからです。

なので、初乳を与える前に赤ちゃんの便を出しきってから初乳を与えることで、さらにお腹の中をきれいにして、そこに栄養としての母乳を送りこむことが赤ちゃんの生育にとって良いということなのです。

■カニババと初乳の関係

野口先生は生前、こんな実験をしました。カニババがしっかり出きってから初乳を飲ませた子どものグループと、カニババが十分出きらないうちに初乳を飲ませた子どものグループとでは、その後の発育における健康の度合いがかなり違ってくるのです。

カニババが出きらないうちに初乳を与えた子どものグループは、アトピーなど皮膚病が発症するケースがとても多いのです。また呼吸器の弱い子や、麻疹をはじめ、色々な子どもの伝染病の症状が重いケースも目立ちました。

そこで野口先生が、整体の生徒でもあったお母さん達に、「授乳は赤ちゃんのカニババの掃除が全部済むまで待ってから初乳を与えるように」と指導したところ、子どもの小さい頃にかかる病気というのは殆どなくなってしまったと言います。

 

■子どもを丈夫に育てるために

カニババを十分出しきって、お腹の中をきれいにしてから初乳を与えた子どもというのは、歴然とその違いがわかると言います。親だけでなく、他人がひと目見ただけでも、その子だけが違うということがすぐわかるとのことです。

例えば、食欲が違う。モノゴトに集中する集中力が違う。顔色が良いのはもちろんのこと、その動作でも、感じ方でも、健康になった場合でも、病気になった場合でも、その回復力が断然違うと言うのです。

それは兎にも角にも、丈夫な子どもでありますし、情緒的にも安定している子どもと言えます。親にとってはとても育てやすい。しかし、こんなにシンプルで、それでいて大切なことを誰も教えてはくれませんでした。

■古くて新しい日本の整体の知恵

わが家は、妻にも理解してもらって、下の二人の子どもたちは、このカニババの排泄後に初乳を与えるようにしてもらいました。一番上の子については、私にその頃まだ知識がなかったのと、助産院での出産で自由がきかなかったこともあってカニババ排泄は徹底できませんでした。

カニババ排泄が効いているのかどうかは分かりませんが、その後、子ども達は皆、丈夫に育ってくれました。親の目から見て大変ユニークな人間だと感じてもいます。

なお、野口先生は、初乳前に赤ちゃんに水を飲ませることは良いとおっしゃっています。その時に、コップ一杯の水に牛乳かレモンを一滴か二滴垂らすと良いとも。

そうすることによって、赤ちゃんは新生児メレナにかかりにくくなります。これは新生児の消化管から出血が起こり、血が止まらなくなる病気です。多くはビタミンKの不足による凝固因子の欠乏によって起こると考えられています。では、なぜその欠乏が起こるのか?

野口先生は、この原因を細菌不足とおっしゃっています。細菌がないために起こるので、なんでも良いから細菌さえあれば、そうならないのだと。開封した牛乳やレモン汁には必ず細菌が存在します。細菌というのはビタミンKを造ってくれる大切な生き物なのです。新生児の大腸にはまだ十分な細菌がいないためにビタミンKができない、それゆえ出血も止まらないというわけです。

当時、実際に先生の指導でずいぶん多くの赤ちゃんが新生児メレナから救われたようです。こうした古くて新しい日本の整体の知恵を、令和時代のお母さん達にも知ってもらいたいです。

⭐️ 本書は「母乳で育てたい」という多くの母親の希望に応え、時に悩みに応えるために、母乳育児を適切にサポートできる支援者のために2007年に刊行された「よくわかる母乳育児」の改訂版。日本の古き良き母乳育児の伝統を再び現代に復活させたいと強く願います!

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