共感脳〜知り合いの赤ちゃんから学んだこと

心と体

 

最近、知り合いの夫婦のところに赤ちゃんが生まれましてね。

お祝い持ってお家に行った時に、ふと気がついたことがありました。今回、それについて書いてみたいと思います。

あなたは、私たち人間とほかの動物たちを分けている要素って何があると思いますか?

たぶん、「言葉」というものを発明してコミュニュケーションツールとして使っている点であるとか、「火や道具」を使いこなしている点であるとか、「スポーツしたり、芸術したりして、それらに感動できる」点であるとか、色々思いつくわけですが、可愛い赤ちゃんを観察してみて感じたことは、「人間て、共感できる生き物なんだ」ってことでした。




■人間が育つしくみの根本には「共感」がある■

生まれたての赤ちゃんというのは、目も額も、一本一本の指も、小さな口も、おまけにあごだって、その子の母親のみならず、周囲の大人を惹きつけてやまない誠に可愛らしい特徴を持っています。

そして、誰かに教わったわけでもないのに、私たちを見つめる魅力的な瞳やキュートなしぐさをすでに身につけているのです。その中でも特に注目すべきは、できるだけ母親に触ってもらいたいという欲求です。

赤ん坊にとって、カラダとカラダのふれあいは、栄養を摂るのと同じくらい生存にとって欠かせないもので、それは特に脳の成長にとても大きな影響を与えるということを知識としては知っていましたが、母と子のスキンシップを改めてまじかに眺めてみると人間が育っていくしくみって本当によくできているものだと感心しました。

実は、そこにあるものこそが「共感」の感覚なのです。

 

■オキシトシンが母子のきずなを強くする■

お母さんが赤ちゃんを抱っこしておっぱいをあげると、お母さんの脳内にはオキシトシンというホルモンが分泌されます。このオキシトシンは、最初、お母さんの授乳を促進する物質として発見されたのですが、実はこの時、同時に赤ちゃんの脳内にもオキシトシンが分泌されていたことが明らかにされました。

最近、このオキシトシンは私たち人間が幸福感を感じる時にも分泌されていることがわかり、別名「幸せホルモン」とも呼ばれるようになりました。母と子の間でこのホルモンが分泌されている時、母子のきずなは強まり、信頼が増すこともわかっています。いわば、私たち人間の「共感性」というものは、自分が赤ちゃんの時の母親とのふれあいによってその基礎が育まれるわけなのです。

さらにオキシトシンは、男性、女性に関わらず、利他的な行動をとった時にも分泌されて人間相互の信頼や相手を思う感覚を育む働きがあるとも考えられています。これを「共感脳」と言います。

そして、子どもの脳は成長するにしたがって、仲間や社会、組織や地域といった環境への適応をはかるように経験や学習を通じて共感脳を発達させていくのです。

 

■共感脳は人と人をつなぐきずな■

「共感脳」は相手の存在や能力を認め、相手の価値を考えられること、しかも、それが自分にとっても価値のあることだと認める脳の働きです。一般的に、人間はこうした共感脳とは別に「目的脳」という部分も持ち合わせています。で、男性と女性ではこの共感脳と目的脳のバランスも異なります。

例えば、男性は論理性を中心とした目的脳に重点をおき、女性は感情を中心とした共感脳に重点をおく場合が多いです。会話の中から問題点を見つけ出したり、モノゴトを批判して新たな発見をしようとする男性。一方、会話の中で感情移入をして、共に分かち合いたい女性。これらは日常生活の中でもずいぶんと思い当たるところがありますよね。

そもそもこの男女の違いは人類が狩猟で生活をしていた時代からの影響と言われています。効率よく獲物を捕らえるために男性は目的脳が発達し、女性は獲物から襲われるかもしれない状況の中で、周りと常にコミュニケーションを取り、存在確認をし合う過程で共感脳が発達したとされています。

共感を得たい女性の心理を時として私たち男性は理解できないこともあります。しかし、だからといって否定するのではなく、相手への愛情と思いやりをしっかりと持って歩み寄ることが大切です。共感脳は人と人とをつなぐきずなです。

 

■男性脳化している女性たち■

近年の女性の社会進出にともない、女性でありながら男性なみに働くことを求められる女性というのも少なくありません。それにより、男性がより重点をおくとされる目的脳が活発になっているのでは?と思われるような女性も増えてきたように感じます。

議論好きだったり、批判的だったり、攻撃的だったり・・・

何も女性だから常に女性らしくあれとは思いませんが、もしも、女性が男性と全く同じ性質だとしたら、私たち男性ははたして女性に魅力を感じることができるでしょうか?そして、この世に恋愛という現象は起こりえるでしょうか?

多くの男性は、女性の中の素直さや、優しさ、柔らかさ、可愛らしさという性質に惹かれてこそ、女性を守りたい、愛したいと感じるのではないでしょうか?

今回、私が赤ちゃんを見ていて気がついたことというのは、そういった人間が本来持っている男性性、女性性といった性質を赤ちゃんは自然と引き出してくれる存在であるということです。

 

■共感性が喜びや信頼感を高める■

もしも、近くに赤ちゃんがいて観察する機会があったなら、今一度よく赤ちゃんを見てみてください。そして、周囲の人たちの様子を見てみてください。赤ちゃんが笑うとその笑いが弾けて周囲の人々みんなに喜びと幸せを与えます。女性はより優しそうに、男性はより寛容に、自然と本来持っている性質が強められるように感じます。

赤ちゃんを中心として、何か和らいだ暖かな空気が空間を満たしいくのです。まさにそこにあるのは共感の感覚であり、共感脳が発動しているのを感じます。共感脳は女性だけの特権というわけではなく、もちろん私たち男性も有しています。そして、人間同士のきずなを高め、人間相互の喜びや信頼感を得るために必要な能力を育んでくれるのです。

共感性の高い人たちは、「この人とはうまくいかない」とか、「この人はダメだ、あの人はダメだ」なんていうネガティブで批判的な態度をとりません。同じ人間としての共通点を見出し、できるだけ相手を理解しようと努めます。

 

■人間の成熟は共感性の高まりの中にある■

人間が成熟していくということは、この共感性をどれだけ自分自身の中で高めていけるかにあると思います。共感性のある人は、大きな視点でモノゴトを眺めたり、相手の気持ちを理解しようと努め、ストレスを感じにくくなります。結果、嫌いな人が減り、好きな人ばかりになります。

赤ちゃんを眺めている時、人は自然とそんな共感脳を発動しているに違いない。最近、何に対しても否定的で包容力に欠けてしまっていると感じられる方は、ぜひとも身近にいる赤ちゃんに触れてみてください。すべてを優しく包み込んでしまうような心の柔軟性を取り戻すことができると思います。

考えてみれば、人類は一人の例外もなく生まれた時はみな赤ちゃんでした。赤ちゃんから人間について学べることはまだまだたくさんありそうです。しばらくの間、私は知り合いのところに通って、赤ちゃんを先生にしてよく観察してみたいと思っています(笑)。

 

 

 

男女の脳と心の働きについて身近な事例と学術的研究から解き明かしていきます。そこでわかることは、男と女は生物学的に違い、肉体だけでなく脳や心の働きも違うということ。男はシステム化したがり、女は共感したがる。この違いを理解してこそ、人類の進化の可能性は開かれる!この手の本としてはわかりやすく、自閉症が男性脳の極端に強まった結果であるとの説は非常に面白いです!

共感する女脳、システム化する男脳

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