「導引」とは何か?それは、生命の秘密を知ることです。

健康法

 

導引とは、もともと古代中国で生まれたものですが、今では洋の東西を問わず世界中で実践する人が増えつつあります。

私が初めて導引に出会ったのは、意外にもアメリカでした。今から30年近く前、故・久司道夫先生のご自宅に居候をしながらマクロビオティックを学んでいた時に、導引を勉強しているという地元のアメリカ人からしばらく教えてもらったことがあったのです。

当時、久司先生はマクロビオティックの食事法のみならず、東洋医学や様々な文化も合わせてアメリカの人々に紹介されていました。70~80年代のアメリカといえば、ヒッピーブームをきっかけにそうした東洋的なものに関心を持つ若者が非常に増えていった時代です。

その頃、久司先生と数名の弟子たちによって導引についての様々な試みが行われ、その成果として基本的な演習法と生活の中で効果的に活用していくための方法が新しく生まれ、体系づけられていったのです。




■導引の背後には「陰陽」の物語がある

私がアメリカで体験したそれは、単なる身体的な体操法というよりは、心理的、精神的なものをも多分に含んだものでした。また、ヨガやチャンティング、武道や心身鍛錬法、瞑想や気功法などのエッセンスも感じられ、大変バラエティーに富んだ総合的な養生法として構成されており、私は大いに驚きました。

それはきっと、体系づけられた久司先生ご自身が導引を単なる東洋体育として見ていただけではなく、その起源を、この変化し続ける宇宙の中で、肉体のみならず、自分自身の霊性を進化向上させるための方法として捉えられていたからだと思います。

言うなれば、そこには生命観、宇宙観といった大きなコンセプトがあるのです。そこで柱となるのは「陰陽論」です。それは次のような物語を持つものです。

最初、この宇宙は、始まりも終わりもないただ一つの「無限」でした。無限であるため、現象らしい現象は何一つ現れてはいませんでした。そこには時間も空間もなく、光も闇も存在せず、形も大きさもありませんでした。

このただ一つのものから、無限の速度を持つ果てしのない「動き」が生じ、やがて四方八方へと広がり出しました。そして、この無限の動きが交差するところには必ず「渦巻き状の動き」が発生し、これによって区別化のプロセスがもたらされました。

 

■全ては渦巻き状の動きから始まった

渦巻き状の動きと、区別化のプロセス、それは陰陽の始まりです。

端っこから中心に向かって巻いていく力と、中心から端っこに向かって渦を破壊していく力がこの時、誕生しました。この二つの異なる力が、渦巻きの世界、つまりは全ての相対的な現象の世界を形作る「陰」と「陽」となったのです。

 

●黒い石と白い石によって表現される陰陽二つの力と渦巻き

 

銀河を形作る星雲の動きから、原子や素粒子の動きに至る物質の世界、そして、私たち人間の目に見えない精神の動きから目に見えるカラダの構成に至るまで、この世における現象の全ては渦巻き=スパイラルによって形成されると導引では考えます。(このブログにおける導引とは久司道夫先生が体系づけられた導引を意味します)

渦巻=スパイラルは、陰という力(遠心性・外に広がる性質)と、陽という力(求心性・中心に向かう性質)、二つの対立的かつ相補的な力によって統制されています。

この無限宇宙の海に現れる全ての現象は、これら二つの力によって統制され、方向づけられ決定されています。この世における変化や動きというものは、例外なく、遠心性の陰の力が勝っているか、求心性の陽の力が勝っているかのどちらかになるのです。あらゆる現象は互いに異なって見えたとしても、それはその現象の内と外で働くこの二つの力の度合いにより生み出されるものなのです。

 

■導引によって気づかされたこと

言葉で説明してしまうといささか難しいものになってしまいますが、こうした宇宙観を土台にして、呼吸や動き、また外部からの刺激を通じて私たち自身の心とカラダを調和させる方法が導引なのです。

一見難しそうに感じられるかもしれませんが、それは決して限られた人にしか行えないものではなく、誰もが日常生活の中で気軽に活用できるシンプルさも持ち合わせています。

前回のブログに書きました私の今年の夢は、この導引の考え方や方法論をよりわかりやすくまとめて世に出すことです。それは具体的には電子書籍というカタチで誰もが触れられるものとして発表したいと思っています。

実は、電子書籍の出版については数年前からプランはあり、現在もいくつかのテーマを並行して書いているのですが、なかなかまとまらず放置しているものもあります。それを今年はしっかりと作品として世に出したいと思っているのです。その中にこの「導引」も含まれます。

マクロビオティックといえば、「食事法」というイメージを持っている方が多いと思いますが、本来は広い意味での「生活法」を指します。そして、その中心をなすのが陰陽論であり、導引なのです。

導引を理解すると、私たちの普段の何気ない食事が、呼吸が、運動が、会話が、人や書物との出会いが、全て大切な私たちの明日への扉の鍵であることが感じられるようになってきます。私たちは一日一日を意識的、無意識的に選びとって生きているのです。

 

■この星に生きる幸せとは?

この地球という星に、人間として生まれたことの幸せは、そうした変化を自分自身の自由意志で選び取ることができるということです。これ以上の幸せが一体この宇宙にあるでしょうか?

そのことが、人間が万物の霊長と言われる所以でもあり、証でもあるのです。

古い時代から、多くの先人たちが関わり考案してきた導引。今は亡き久司道夫先生が生前お弟子さんたちと共に取り組まれ、さらに素晴らしいカタチに発展させて手渡してくださいました。私は久司先生のご恩を思い、これを人類の宝物だと思っています。そして、もっともっと多くの方に知っていただきたいのです。

私たちがどこからやって来て、何のために生き、やがてどこへ行くのか?

その答えを、私は導引の中に見つけました。もしも、「導引とは何か?」と問われたら、「それは生命の秘密を知ること」と私は答えたいと思います。

多くの方がこの導引に触れ、自分自身の生命の真実を知り、この地球上においてご自身の夢を実現されますようにお祈りいたします。

 

 

⭐️ 絶版につきamazonで高値がついてしまったものの、その内容は未だに色褪せません。特にその根底にある陰陽論を軸とした生命観は21世紀のワールドスタンダードにもなり得るものです。内容をよく理解して活用できれば価格以上の価値がある素晴らしい本です!

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