東京・性愛・ボディワーク、そして安藤忠雄の頭大仏。

マクロビオティック

 

先日行われた東京クシ・マクロビオティックスクール主催のボディワーク講座。二泊三日の短い滞在ながら私にとっては大変に内容の濃い東京滞在でありました。

北の果て北海道から度々仕事で上京する私は、毎回この大都市東京から多くの「喜び」「気づき」をもらいます。

喜び、それは受講生の皆さんに会えること。

ボディワーク講師をさせていただくようになってから今まで本当に多くの方々にお会いしました。新しく講座に参加してくださる方はもちろんのこと、過去に参加してくださった方が再び会場に足を運んでくださるのは本当に嬉しいことです。

講師にとって、受講生というのは兄弟姉妹のようであり、わが子のような存在であります。遠く離れて暮らしていても、ふと思い出しては、あの人は元気でいるだろうか?あの人は幸せに暮らしているだろうか?などと気になるものです。

そして生徒さんが、以前お会いした時以上に元気で素敵になられていると、こちらまで嬉しくなります。今回もたくさんの懐かしいお顔を拝見できて本当に嬉しかった。

また、思いがけず大きな気づきもいただきました。そのことについて少し書いてみたいと思います。




■私たち一人ひとりの意識が性愛の価値を決めている。

この頃ずっと気になっているテーマがあります。

それは「男と女の織りなす性愛」について、もう一つは「人間の意識」について。これらの謎が解け、理解が深まれば、現在この世の中に山積している問題は全て解決へと向かう、そんな気さえしています。

講座でも、そうした男女の発生の仕組みと役割について、その序章とも言える部分を少しお話させていただきました。そして、自身の「男らしさ」「女らしさ」を決定づけるものは何か?それは「意識」であるという話もいたしました。

例えば、ここに一枚の布があったとして、その布に価値や役割を与えるものは一体何でしょう?

それも「意識」です。

一枚の布が使い手によって一枚の「フェイス・タオル」であると意識されれば、それは顔を拭くためのタオルとして機能します。それで足を拭く人はありますまい。また、一枚の「テーブル・クロス」として意識されれば、その布の上には美しく器に盛られた料理がのせられることでしょう。それをマントにして羽織る人はいますまい。また、それが「雑巾」として意識されれば、布は床を拭くのに使われます。

このように、私たちの目には見えぬ「意識」が目に見えるものに価値を与え、役割を与えているのです。では、男とはどんな役割を持つ性なのか?女とはどんな役割を持つ性なのか?そこを突き詰めて考える学問というのは今までなかったように思います。私はこの部分を探求したいのです。

男女の交わりはその相互理解を促す鍵となるもの。しかし、今の世の中で性愛の本当の価値は正しく伝わっていないように感じます。時の為政者によって意図的に変えられたり、既成の宗教によって真の意味を大きく捻じ曲げられたり。さらには商業主義が加わって本来の意味から大きく遠ざかったものとなっています。

私はこの状況に講話と導引を用いて波紋を投げかけたい、そう思うのであります。「意識」というものをもっと意識的に活用することで、人はなりたい自分になれ、また自らイメージする人生を創造することができるようになります。この根幹をなすのが男とは何か?女とは何か?そして性愛とは何かというテーマなのです。

 

■安藤忠雄展と頭大仏

意識といえば、東京で私はある美術館に立ち寄りました。それは、国立新美術館。

ちょうど美術館開館10周年を記念して『安藤忠雄展〜挑戦』が開催されていたのです。安藤忠雄さんは私の大好きな建築家の一人。彼が今までに生み出してきた建築物の制作の秘密が知れるとあって、なんとか時間をつくって美術館に向かいました。

 

●建築家・安藤忠雄  *画像はウィキペディアより〜

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E8%97%A4%E5%BF%A0%E9%9B%84

 

実は、私の暮らす札幌にも安藤さんの関わった建築物やプロジェクトがあります。札幌出身の作家・渡辺淳一さんの文学館や菓子メーカー北菓楼の札幌本館が有名ですが、そこに昨年新たに加わったのが真駒内滝野霊園にある「頭大仏」です。

中心部から少し離れたところにあるこの霊園は、札幌ドーム32個分の敷地面積を誇る広大な霊園。資産家であるオーナーの趣味で敷地内には大型のモアイ像やストーンヘンジ、観音菩薩像などに紛れて一体の巨大な大仏像がもともと設置されていたのですが、開園30周年を記念して、オーナーが安藤さんに直々に「この大仏が郷土の誇りと感じられるようなものにしていただきたい」とアレンジを依頼したのです。

大仏像の大きさは13.5m、1500トン。これは鎌倉にある大仏様とほぼ同じ大きさ。現地に何度も足を運んだ安藤さんが描いたイメージは、この巨大な大仏像を丘を造って埋めてしまい、その地下に礼拝堂を造ること。しかも丘には穴を開けて大仏の頭だけを露出し、さらには周囲にラベンダーを植えて、開花の時期には大仏の頭を埋め尽くすようにして美しいラベンダーの花が咲くこと。

その様は、まるで極楽浄土に飛来してきた UFOです。

 

●安藤忠雄作・ラベンダーの丘と頭大仏

*写真は真駒内滝野霊園のホームページから http://takinoreien.com/?page_id=28

 

 

 

●安藤忠雄作・頭大仏と礼拝堂の内部

*写真は真駒内滝野霊園のホームページから http://takinoreien.com/?page_id=28

 

 

個人的にこの頭大仏設置のニュースは飛び上がるほど嬉しかったです。なぜなら、私の家からこの霊園は車で5分ほどの近所。まるで私の庭みたいなもの。以前からよく散歩しに訪れていた場所なのです。まさかこんな近くで憧れの安藤さんの作品に触れられるとは夢にも思いませんでした。

完成してすぐに見物に行きましたが、思った以上の素晴らしい空間とスケールの大きさにやられました。今でも休日の朝になると、時々早起きして頭大仏を訪れては、その前で座禅を組んで瞑想したり、導引をしたりして過ごします。

その度、頭大仏を通じて自分があの巨匠の思想とつながっているように感じ、パワフルでエネルギッシュな気力がふつふつとカラダの奥から湧いてくるのです。

もしもあなたがこの霊園を訪れて、頭大仏の仏前で至福の表情を浮かべながら座禅を組んでいる髭を生やした中年男性を見かけたなら、それはきっと私です。その時は、声をかけずにそっと合掌して通りすぎてください(笑)。

 

■安藤建築を影で支えるもの〜「挑戦」する意識

さて、そんな安藤建築フリークの私ですから、国立新美術館での展示には心震えました。

会場ではその膨大な作品数と卓越したアイデアに圧倒されました。ご存知の方も多いでしょうが、安藤さんは元ボクサーで建築に関するアカデミックな教育を受けてはいません。しかし、青年時代に世界旅行をして海外の建築物に興味を持ち、帰国してから独学で建築を学んだ建築界の異端児なのです。

それゆえ従来の建築の常識を覆すようなアイデアを次々に考案しては、世界中の様々なコンペを勝ち抜いてアイデアが採用され、今や「世界の安藤」と呼ばれるほどの日本を代表する建築家となりました。

元ボクサーだけあって、彼の創造行為は絶え間ない「挑戦」がテーマです。作品はコンクリートを用いたものがほとんどですが、その理由も「挑戦」にあります。

①現場での一発勝負しか許されない品質管理の難しいコンクリートという素材への挑戦。

②無機質が特徴のコンクリートを使って多様な形と質感を表現するという表現への挑戦

 

安藤さんが挑戦をテーマに掲げ、大阪に建築事務所を構えたのは1969年、28歳の時。当時、しばらくは全く仕事がない状態。それでも彼は夢を失いません。日々、書物や美術書に親み、頭に浮かんだイメージをメモに書き留めてはいつか世に出るための準備をします。

そして、1976年にコンクリート打ち放しと幾何学的なフォルムで有名な「住吉の長屋」で日本建築学会賞を受賞し、世界的な評価を得ます。その後の目覚ましい活躍と成功は彼の芸術的才能によるものだと多くの人は思うでしょう。

しかし、決してそれだけではないことが館内の展示パネルからわかりました。成功の秘密はもっと精神的なものの中にあったのです。

 

安藤さん曰く、「独学で建築家になったという私の経歴を聞いて、華やかなサクセスストーリーを期待する人がいますが、それは全くの誤解です。閉鎖的、保守的な日本の社会の中で、何の後ろ盾もなく、ひとり建築家を目指したのだから、順風満帆に事が運ぶわけはありません。

とにかく、最初から思うようにいかないことばかりで何か仕掛けても大抵は失敗に終わりました。それでも残りわずかな可能性にかけて、ひたすら影の中を歩き、一つ掴まえたら、またその次を目指して歩き出し、そうやって小さな希望の光をつないで、今まで必死に生きてきました。

いつも逆境の中にいて、それをいかに乗り越えていくかというところに活路を見出してきました。仮に私のキャリアの中に何かを見つけるとしても、それは優れた芸術的資質といったものではありません。もしあるとすれば、それは厳しい現実に直面しても、決してあきらめずに強く生き抜こうとする、生来のしぶとさなのです」

 

■成功者・3つの資質と強い意識の力

人間はともすれば、成功している人を見て「きっと運が良いから成功したんだ」と思いがちです。しかし、本当の成功者というのは、良い運を自分に引き寄せる精神の強さを持っています。私が思う成功者に必要な3つの資質というのがあるのですが、それは次の通り。

①集中力

②イメージ力

③行動力

 

安藤さんがこれら3つをお持ちであることは明らかですが、さらにそれらを支える精神の強さを持っている人物であることが、展示を通して痛いほど伝わってきました。

優れた建築物を生み出したいという意識。そして、絶えず常識を疑い、新しいことに挑戦して行こうとする意識。こうした目には見えない「強い意識」に支えられて、見る者の心に強いインパクトを与える安藤建築ができあがっているのだな、と私は深く感動しました。

東京の講座でもお話したことなのですが、私たちの意識はまるで「魔法の杖」のようなものであります。その一振りが世界に作用するのです。あなたなら、その杖をどう使いますか?

「こうしたい」とか「こうありたい」という思い(意識)が時を経て現実を創り出していきます。ならば、その意識を何に集中して、どうイメージして、どんな行動を起こすかがとても重要であることはおわかりいただけると思います。

巨匠・安藤忠雄が世界中に建設したものすごい数の作品群を確認し、改めてそのことに気がつきました。

 

■残された人生、魔法の杖を振り続けたい!

もうすぐ私がこの世に生まれて半世紀になります。この頃、ようやく人が生きることの意味や人生のありようが見えてきました。そして、これから自分がなすべきこともクリアになってきました。

現在、不安渦巻く世相の中で、悲しみや痛みを抱えて毎日を生きていらっしゃる方も多くいることと思います。しかし、私たち人間は本来、この宇宙から祝福を受けた存在なのです。長年、心とカラダの関係をテーマにして学び、仕事をしてきた自分は、今少しの疑いもなくそう感じることができます。

生命の意味を理解し、意識の力を用いて夢を叶え、自分らしく、健やかで朗らかな生き方を選ぶ人がこの世にもっと増えてほしい、心からそう願っています。これからの自分自身の活動は、話すことを通じて、書くことを通じて、カラダを動かすことを通じて、そうした思いを持つ人を世に増やし、応援させていただくことであると強く自覚しました。

精神的にも肉体的にも自立した人が増え、そうした男女が互いに愛を育み合い、結び合うことにより、世の中に平和はもたらされ、この世界は喜びと幸せに溢れたものとなります。

多くの困難を乗り越え、失敗にもめげずに、自分を信じて成功を掴みとった安藤さんをお手本に、私もこの地上世界に健康と幸せの国を建設したいと思います。キーワードは「意識の力」。残された人生、この世を離れるその日まで、わたしゃ魔法の杖を思いっきり振り続けますぞ。

 

 

⭐️ 実はまだ店頭に並んでない本書ですが、かなり内容は期待できそう。安藤さんに関する本は建築をテーマにした本でありながら、いつだって読む者の生き方を変える強いインパクトを持っています。それはきっと、彼が毎日を強く意識して生きているからに違いありません!

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