え！意外？股関節は目とつながっている

自分でできる調整法

2019.01.152017.09.26

私たちのカラダは、全てのパーツが何らかの相関関係を持ちながらつながっています。

少なくとも「整体的観点」からはそう見ます。

しかも、そんな相関関係の中には、意外なつながり方をしているものが少なくない！

例えば、「股関節と目がつながっている」と言ったら、あなたは信じられますか？

■目のしなやかさとは、「水分」と「血液」の循環の良さである■

股関節って、目なんです！

股関節には大腿骨がはまっています。この凹んだところがツルツルしていないと、目もまた悪くなってしまうんです。歩いたり、走ったり、山に登ったりして足をよく使っている人がいるけれど、そういう人は股関節の凹んだところがツルツルして、非常に滑りがよろしい。ゆえに股関節の動きの良い人は、目も良い人が多い。

目の神経というのは、実は眉の上から足先までつながっています。股関節は位置的にちょうどその真ん中くらいにあるのです。だから、整体においては目の治療をする時には、股関節を調整し、骨折などのトラブルの時には目を調整したりすることがあるのです。

視力というのは、目そのものの持つしなやかさで決まります。目のしなやかさは、「水分」と「血液」とが滞りなく流れ、スムーズに循環できる状態によって支えられています。股関節をよく動かすと、この水分と血液双方の循環が良くなるのです。

■アフリカやモンゴルの人はなぜ目が良いの？■

例えば、長い時間机に向かって勉強したり、事務仕事をしたりしていると目が悪くなってしまうのは、もちろん目を酷使していることもありますが、座りっぱなしで股関節を全く使わないからという理由もあります。

結局、この日本で今これほどまでに目が悪い人が増えたのは、何もかもが便利になってライフスタイルが変わり、交通機関や自動車が発達して足を使わなくなったからに違いない、私はそう思うのです。

アフリカの草原や、モンゴルの平原で暮らす人々は総じて足や股関節を良く使います。ゆえにメガネをかけている人も少ない。しかも、動体視力だってばつぐんに良い。

エッ！？「モンゴルの人々は自動車はないけれど、馬に乗っているではないかって？」。考えてみてください。馬に乗る時っていうのは、股関節や足の力を使って強く跨りますよね。あれはまさに股関節を強くし、動きを良くするエクササイズとなり得るのです。

■現代生活が目と股関節をますます悪くする■

現代人は多くのハイテク機器に囲まれて生活しています。パソコンやスマホの画面をジーっと見ている時、カラダの筋肉は縮んだ状態になっています。座りっぱなしの状態が長く続くと股関節の内側が硬くなってしまいます。

まとめると、「足を使って歩かない生活」も「目を酷使する生活」も、どちらも股関節の柔軟性が失われ、関節周りの筋肉や靭帯が硬くなってしまうということです。これら両方の生活を送っている人ならば、その影響はさらに大きくなります。

これを改善しようと思うなら、まずはウォーキングやジョギングをして股関節を動かしたり、ストレッチで硬くなった股関節に柔軟性を回復させることが急務です。そうして、全身の血流やリンパの流れが良くなれば、足先から眉へとつながっている目の神経もスムーズに作動し、目の疲れや眼精疲労の悩みだって解決してくれるというわけなのです。

■カラダの答えは遠いところにあったりします！■

以前、膝の痛みで来院された高齢の女性のクライアントさんに足首と股関節周りの動きを良くする調整を試みてみたところ、その直後から「目がとても良く見える」と言って不思議そうな顔をされていました。

「私たちのカラダは、全てのパーツが一つのムダもなく、何らかの関係を持ちながらつながっているんですよ」と説明させていただいたところ、納得してくださいました。

そのクライアントさんは、少し食いしん坊で、ご自分でも「食欲が異常に湧いて仕方がない」とおっしゃる。食欲は東洋医学で言う「胃経」とも関係が深いもの。そして、その胃経も目から股関節、足先を通ります。

そこで次の体操をお伝えして毎日していただいているのですが、つい先日も来院された時にお訊きしてみたところ、目も膝も、そして股関節も足首もすこぶる調子がよろしいとのこと。

何も難しいことはありません。もしも、あなたが目の疲れがあって、股関節や膝、足首の調子が悪ければ繰り返し試してみてください。きっと良い手応えを感じられるはずですから。

■目と股関節を一度に良くする正座からの調整法■

①正座の状態から仰向けに寝て、リラックス。

②そのまま太ももの前側を気持ち良く伸ばす。

③さらには両手を上げてそのままの姿勢で万歳をする。

④少々痛いかもしれませんが、しばらく落ち着くまではこのままで。3~5分ほど緊張が緩んでゆくのを感じます。

このポーズが胃の疲れを和らげ、同時に目の疲労も取ってくれます。カラダの前側が緩むことで、そこに属する膝も楽になります。太ももは顔の頰から眉にかけてのアイベルト（目の神経の通り道）につながっています。それゆえ、太ももを緩めることで目の緊張だって緩んでゆくのです。