あなたには眠れない夜ってありませんか?
心配事が気になったり、嬉しいことがあって興奮したり、腹が立つことを思い出してムカムカしてしまったり・・・
感情の動物とも言える私たち人間は、感情を持つがゆえストレスを溜め込み、そのストレスにより正常な自律神経のリズムを崩し、十分な眠りを妨げてしまうことがあります。そうなると、どんどん疲労が蓄積し、昼間に眠気を催したり、だるさや不快感など、心とカラダにさまざまな影響を及ぼしてしまいます。
ライフスタイルが大きく変化した現代、不眠を感じている人は年々増加し、一説によると日本人成人の3人に1人は何らかの不眠の症状を感じていると言います。眠りたいのに眠れない。そんな辛い時、何か解決の手立てはないものでしょうか?
・・・はい。あります。
私の知ってる「あの方法」。
あの方法なら、あるいはあなたの不眠を解決するお役に立てるかもしれません。
私自身はわりと普段からしっかりと熟睡できるほうなのですが、出張などでいつもと枕が変わった時、緊張して眠れなくなるということがたまにあるのです。ところがそんな時、「あの方法」を試してみれば、たちまちのうちに効果が現れ、いつのまにかぐっすりと寝入り、気がついたら朝だったということがほぼ100%。少なくとも私にはよく効きます。
さて、その優れたあの方法とは?
一言で不眠といっても、大きく分けると次にあげる4つのタイプがあります。これらは単独の状態を感じるか、あるいは複数の状態が当てはまるという方もいるかもしれません。あなたはどれか当てはまるものがありますか?
①寝つけないタイプ
ベッドに入ってもなかなか眠れず寝付くまでに1時間以上かかってしまう。ストレスや不安などで交感神経が異常緊張し起こるタイプです。
②途中で目が覚めるタイプ
一度眠ってしまっても途中で何度も目が覚めたり、その後、なかなか寝つけないタイプ。日本人の多くがこのタイプに属し、特に中年以降に多くなります。
③朝早く目が覚めるタイプ
朝、予定していた起床時間よりもはるかに早く目が冷めてしまい。その後、眠れなくなってしまうタイプで、主に高齢者に多く見られます。
④熟睡できないタイプ
十分眠ったにも関わらず、寝た気がしないとか、疲労が取れない、熟眠感が得られないタイプでどの年齢層にも見られます。
このうちのどれかが当てはまるようであるならば、あなたにも過度のストレスや自律神経のアンバランスが影響しているのかもしれません。良い食事、良い運動と並んで、「質の良い睡眠」は、健康生活には絶対に欠かすことのできないものです。
不眠の原因はさまざまにあり、その決定的な原因というのは未だにつかめてはいません。しかし、その一つではないかと考えられているのが、「睡眠」と「覚醒」のバランスの乱れ。
また、時に疾患や薬物が影響して不眠の症状が起こることもあります。さらにはその不眠症によって新たな健康障害をつくり出してしまうこともあるのです。例えば、十分な睡眠が取れない状態が長く続くことにより、うつ病になるリスクが増すことも報告されています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも不眠は深く関係しています。
不眠の解消法については本ブログで「簡単に眠れる方法」というタイトルの記事で以前にも触れ、睡眠を誘う食べ物と匂い、そしてイメージトレーニング法をご紹介しました。ところがイメージトレーニングが苦手でなかなかできない人もいらっしゃるということを後に知りました。
そこで、今回はイメージを用いずに感覚器を使った具体的方法をお伝えしましょう。それは具体的ではありますが同時に、巧妙に催眠へと誘う方法でもあるのです。
私の尊敬する人物に、「20世紀アメリカ最大の催眠療法家」と呼ばれた、ミルトン・エリクソン(故人)がいます。生前、彼の奥様が考案された自己催眠法に次のようなものがあります。
寝床につきながら、視覚と聴覚と触覚で感じられるものを順番に一つ一つあげて確認していくことで変性意識の状態に入り、催眠誘導していくという方法です。
<自己催眠法>
①目に見えるものを3つ確認する。
②耳に聞こえるものを3つ確認する。
③カラダが触れているものを3つ確認する。
④目に見えるものを2つ確認する。
⑤耳に聞こえるものを2つ確認する。
⑥カラダが触れているものを2つ確認する。
⑦目に見えるものを1つ確認する。
⑧耳に聞こえるものを1つ確認する。
⑨カラダが触れているものを1つ確認する。
例えて言えば、①ならば、天井の照明が見える。壁にかけられた絵が見える。掛け布団の縁が見える。②ならば、暖房器具の運転している音が聞こえる。窓の外で鳥が鳴く声が聞こえる。車のクラクションの音が聞こえる。③ならば、枕の生地の肌触りを感じる。足に触れている湯たんぽの暖かさを感じる。お尻に触れている敷布団の生地の凹凸を感じる。
・・・という風にして一つ一つ数えながら確認していくのです。
もしも途中で目を閉じたくなったら、閉じてしまっても構いません。その時はまぶたの裏の色や模様を確認するのでも良いです。私の場合は、そうこうしているうちに自然と眠ってしまいます。
これからの季節は夜が長くなります。どうも寝つきが悪いという夜にこんな簡単な方法で眠りにつくことができれば、嬉しいですよね。一度この方法に成功すると、自分の中に催眠の回路ができあがり、次から行っても簡単に睡眠へと導入できるようになります。
エリクソン夫妻ありがとう。この極東に暮らす一治療家である私が、あなたたちの発明に助けられています。
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