セミナー終了!参加者の皆さんに大感謝!天野朋子さんも、波多野毅さんも、素晴らしかった!

マクロビオティック

 

先日、2日間にわたる健康セミナー『21世紀を生きぬく知恵の宝箱』が無事終了いたしました。ご参加くださった皆さん、誠にありがとうございました!

鎌倉「Whole foods studio」主宰の天野朋子さんと、熊本「TAO塾」主宰の波多野毅さんのお二人をお招きし、私noahnoah含め、3人の講師によるクッキングクラスあり、講座あり、トークライブありのスペシャル・イベントでした。

3人が組むのはこのイベントが初めて。しかも、それぞれの活動の場が異なるゆえ、打ち合わせに十分時間をかけることもままならず迎えた本番当日。けれども、お会いした時からお二人とは心の深〜い深〜いところで繋がっている同志的共感に満たされました。それは一体なぜなのか?今回はそんなお二人の印象について書いてみたいと思います。




■講師・天野朋子さんの印象

まずは天野朋子さん。

 

●鎌倉「Whole Foods Studio」主宰・天野朋子さん

 

天野さんには、クッキングクラス「懐かしい未来食料理教室〜北海道の食材を使って」と講座「レジリエンス 心の立ち直る力を高める〜行動、思考、感情からのアプローチ」を担当していただきました。

初日のお料理、大好評でした。私は二日目の講座を聴かせていただいたのですが、しっかりと要点が整理されていてわかりやすく実践的な内容に「さすがは天野さん!」と感心しました。

実は講座を聴かせていただくのは今回が初めてです。KIJ(マクロビオティックの学校)で同じ講師仲間ではあったものの、残念ながら今まで聴かせていただく機会が一度もなかったのです。それでも、外見から醸し出されるその知的な雰囲気から「この方はものすごく良いアンテナとセンスを持っている女性に違いない!」そう確信し、お近づきになりたいと思っておりました。

ところが彼女が住んでいるのは、この日本列島における山の手とも言える鎌倉。しかも彼女のイメージがあまりに理知的すぎる上、かなりIQが高そうで、下手に私のような列島の極北に暮らす下町的雑草魂をもつ野武士的講師が近づいても全く勝ち目はなかろう(なんの勝負なんだ?笑)、敷居が高いに違いないと半ば諦めておりました。

しかし願わくば、講座を一度でも聴かせていただきたいと思っていた矢先、「今度、北海道へ行きます。一緒にイベントしませんか?」とお声かけいただき、願いが実現したのですから、それはそれは嬉しかったです。

今回の講座では現代人が日常生活でストレスを抱え、自信を失ってしまった時、そこからどうやったら抜け出し立ち直ることができるのか?その解決方法をご自身の体験をふまえてお話していただきました。今はとっても「仕事ができる女」に見える天野さんが、昔は意外にも自分に自身がなく落ち込みやすい性格だったとのカミングアウトには驚かされました。

 

■なぜ人は自分と違う異性に惹かれるのか?

天野さんが講義の中で紹介されていたのが、黒川伊保子・著『夫婦脳』という本について。この話はなかなかに印象深かった。

人の世には男と女がいてそれがペアを作って夫婦になるわけですが、「男と女ってやっぱりなかなか難しい」と思うことはよくあります。それはお互いが全く違いすぎるから。

女性が「この人!」と思って発情する相手とは、生物学的にみると「一番正しい相手」であり、この「一番正しい相手」とは、実は「免疫抗体の型や思考・行動パターンが一番遠く離れて自分と一致しない相手」だということ。つまり、自分とは全然違う相手を好きになる、ということを意味します。

それはなぜか?生き物として思考・行動パターンが一致してしまったのでは、二人がピンチに見舞われた時、共倒れしてしまうから。例えば、原始時代、マンモスが襲って来たなんて時に、行動が同じで二人が同じ方向へ逃げてしまったのでは、二人一緒にやられてしまって人類は絶滅してしまいます。

それを考え方も行動も異なる男女が夫婦となることで、一人は山へ、一人は川へ逃げることにより選択肢を分けてリスクを分散しようとする。そんな働きがそもそも私たちの脳には備わっているというのです。そうやって人類そのものは今まで生命を繋いで来た。しかし、その働きも男女の違いも、子孫を作ってしまった後ではむしろ障害となる。違いすぎて相手と共感できず理解できなくなるのです。

けれど、「男女の脳にはそういう仕組みがある、考え方や行動パターンが違って当たり前、その違いのおかげで今の私があるのだ」と理解することができれば、「男女の違い」こそが人類にとって大いなる福音であったことに気づくというお話に私は思わず膝を打ちました。

 

■電通人〜日常に隠れた可能性を引き出し創造する名人

天野さんはもともと料理研究家になる前は、広告代理店に勤めていらしたというのは存じていたけれど、それが天下の「電通」であったことは、この度初めて知りました。

私にも何人か電通勤務の知人がいるのですが、共通するのはそれぞれが大変クリエイティブでユニークなライフスタイルを送っているということ。

有名人で言えば、私の尊敬する写真家・荒木経惟さんもそうだし、作家・伊集院静さんもそう。ちょっと変わったところで言えば、現総理大臣夫人・安倍昭恵さんなどなど・・・みんな天野さんの先輩です。

 

●写真家・荒木経惟氏

http://media.thisisgallery.com/20182215k←画像はこちらのサイトから

 

電通と言えば、日本でもっとも大きな影響力を持つ広告代理店。そこで働く人たちも、日常生活を別な視点から眺めて、そこに隠された可能性を引き出し、新しいものを創造するセンスに長けた方が多いという印象を持っていますが、天野さんもやはりそう。

彼女のレシピ本を拝見しても、例えば、1つの素材を調理する時に「Light」と「Strong」2種類のレシピを考案して紹介しているところにそれを感じます。本の中では「ひじき」を、「Light」なレシピならば「ひじきの白和え」として、「Strong」なレシピならば「ひじきレンコンのきんぴら」という風に。これはなかなか面白い発想です。

 

●天野朋子さんと中川屋善右衛門さんの共著『ニューベーシックマクロビオティック』

 

講座でも、聴き手が理解しやすいことを第一に考え、視覚的効果や用いる言葉を十分吟味してお話されているように感じました。これは「伝える」ことが目的の広告の世界で働かれていた天野さんならではのアプローチであるなぁと感心させられることしきりでした。

「知的であるがわかりやすい」「大げさではなく正確な表現を心がけている」「理想ばかりではなく暮らしに使える」。これらは私がお話を伺ってさすがと感じた天野さんの講座のポイントです。きっと、ここが多くの女性の聴き手の共感を呼ぶ理由なのでしょう。

後日、講座の感想を参加者さんから聞かせていただく機会がありましたが、「天野先生は女性ならではの実生活に根ざしたお話が多く、とっても共感できました。もっとお話を聴きたかった」という声をいただいています。

 

■講師・波多野毅さんの印象

そして波多野毅さん。

 

●熊本「TAO塾」主宰・波多野毅さん

 

波多野さんには、「原子力から原始力、医食同源から医食農同源、奪われし未来から懐かしい未来」と「自然治癒力を高める〜あなたこそあなたの主治医」の二講座を担当していただきました。

もう20年以上も前からそのお名前は存じ上げていたにも関わらず、お会いしたのは今回が初めての波多野さん。その第一印象は「人間力の大富豪」、そして「人をその気にさせるインタビューの天才」

うちのカフェに到着するなり、波多野さんとは世間話が始まりました。そして気がつけば、何気ない会話の中で私自身のヒストリーやカフェが誕生するに至った経緯を熱っぽく語っている自分がいました。それもこれも波多野さんがとても聞き上手で相手を良い気分にさせて話を引き出す名人だから。

相手に理解と共感を示し、その人の本音を引き出す彼の才能はハンパありません。話し手はいつの間にか、自分自身の思いを洗いざらい語ってしまうのです。

聞けば20代の頃からフリーライターとして活動されていた波多野さんは、自分が気になった人物には必ず取材を申し出てインタビューすることをライフワークとしてこられたとのこと。その経験でわかったことは、必ずしも世間的にみて有名だから面白く尊敬できる人とは限らないということ。

有名でも人間的に魅力のない人、無名でも人間的に魅力的な人はたくさんいる。だからこそ、目の前の人に最大の興味と好奇心と敬意を持って真剣勝負でマイクを向けて来られたという波多野さん。醸し出される豊かな人間力は、きっとそんな彼の、人と対峙する時の心構えによって支えられているのかもしれません。

 

■彼こそは、まさに人間力の大富豪

医療、農業、食、環境、幸福、愛、自由、生命、自然治癒力・・・これらの多岐にわたるテーマを行きつ戻りつしながら笑いを交え、「懐かしい未来」という共通のビジョンへと統合していく波多野さんのお話は、とても素晴らしいものでした。

講座の初日、会場に中学生の娘さんを連れて参加されたお母さんがいました。波多野さんの講座を娘さんが一緒に聴かれるということでテーマが少し難しいのではないかな?理解できるだろうか?と一瞬思いましたが、その心配は杞憂に終わりました。

波多野さんは、その娘さんにすかさず「君ならどう思う?」と問いかけたり、話に巻き込んで一緒に講座を創造していきます。時に暖かく包みこみ、時に笑わせ、時に唸らせながら、巧妙な話術と身振り手振りで参加者をあっという間に波多野ワールドへと誘います。ほら気がつけば、あなたも私も誰もが皆、彼の世界の住人(笑)。

特に、この日の波多野さんと中学生の娘さんとのやりとりはとても微笑ましく、あまりに美しい風景で、私の心に強く焼き付けられました。少女にとって、九州からやって来たこの不思議なおじさんの存在と面白くて珍妙でタメになるお話は、ある意味、彼女の人生を変えうる大事件だったのかもしれません。ちなみに娘さんは翌日も、お母さんと一緒に講座に参加してくれたのです。

 

●波多野さんの講義風景

 

波多野さんのこの、人を惹きつけ楽しく幸せな気分にしてしまう力こそは、まさに豊かな人間力のなせる技。たくさんの喜びと同じくらいの悲しみを味わい尽くした人こそが享受できる深い境地を彼もまた体験した一人に違いない、私はそう直感しました。深い悲しみを多く知る人ほど、人をより深く愛すことができる、それが私の自論です。

愛情深い人は豊かです。経済社会における資産の量が富豪の程度を決めるなら、人間社会における愛情の量は人間力の程度を決めます。その意味において、「愛深い波多野さんは人間力の大富豪である」、私はまたしてもそう直感したのです。

 

■講座「老いと性愛〜性は生きる力」

講座のラストバッターは私noahnoah。

テーマは「老いと性愛〜性は生きる力」。男女が惹かれ合う仕組みを伝説の古代文明の視点から解き明かし、一時間以内で説明し切るという無謀な試み。案の定、少々時間オーバーしてしまいました。

冒頭部は、個人的な恋バナをお話させていただいたのですが、ついここに感情が入りすぎてしまって話全体のバランスが悪かった感は否めません。けれど、私自身の人生を振り返る上でも大変貴重な機会となりました。

男女の恋愛の年齢差って一般に上限はどれくらいになるものなのでしょう?

私は過去に50歳以上も年の離れた女性に恋をしたことがあります。その人は明治生まれで、いつも着物に白足袋をお召しになっていて、生涯を通じて「女性」として人生を精一杯生きてこられた人でした。私は彼女に会うことをいつも心待ちにし、彼女からたくさんの安らぎや喜び、幸せをいただいてきました。

あるいは、彼女も私に対して同じように感じてくださっていたのかもしれません。現在の自分自身の仕事や生き方、女性観を考えた時に、あの人の存在がなくては成立しないことが随分とあるようにも感じます。そういう意味では私にとっての恩人であり、生涯忘れ得ぬ女性です。

講座の中で、彼女と関わりのある一本の映画作品『八月の鯨』についても触れました。イベントが終了した晩、ふと思い立ち、ネットで検索するとYou Tubeにアップされていることがわかり、私は30年ぶりにその作品を観ました。記憶の中にあった通り、年老いてもなお女優リリアン・ギッシュの演技は可憐で輝いていました。

 

●『八月の鯨』に出演したリリアン・ギッシュ(1987年)当時93歳

 

映画を観ながら、リリアン自身の女優としての生き様や、劇中の役柄が、私がかつて恋したあの女性と重なり、生前の様子が思い出されて、途中涙が止まらなくなりました。しかも、完全に忘れていたことですが、劇中でリリアンは若くして夫に先立たれた元看護婦という設定。実は、私が思いを寄せたあの人も、ご主人を亡くし、若い頃看護婦として戦地で活躍された過去をもっていたのです。

私たちの人生は、いつか終わりを迎えます。この肉体は衰え、愛する人との別れの時を迎えます。老いとは果たして残酷なものでしょうか?いいえ、決してそうは思いません。老いがあるからこそ若さは光を放ち、死があるからこそ生は輝きを増すのです。

人という存在は長い人生の旅の終わりが近づくと、まるで歳月に洗われるように美しく澄んでいきます。いや、正確に言えば、自分自身の「意識」しだいでそのように生き、人生を全うすることも可能なのだと思います。

生涯を通じて「女性」であることを忘れず、女性としての人生を精一杯生き抜いたあの人が、私にそれを教えてくれました。

 

■理想とすべき老い方〜伝説の詩人ナナオ・サカキの思い出

イベントの最終プログラムは、3人の講師によるトークライブ「ナチュラルエイジング〜〜食と心と私たちの健康」。講師それぞれが、健康で幸せに年齢を重ねるための秘訣を3つずつあげて、合計9つの秘訣を参加者の皆さんにお伝えするという趣向です。

一体何をお伝えしたかはここで明かすことはできませんが、トークの中で、素晴らしい老い方のお手本として伝説の詩人ナナオ・サカキが話題にのぼりました。奇しくも、波多野さんも私も生前のナナオのポエトリーリーディングに参加し、彼の肉声を聴いたことがあり、それぞれのエピソードを披露させていただきました。

 

●伝説の放浪詩人・ナナオサカキ

*画像は、ミュージシャンで写真家のグラマリさんのページからお借りしました。http://gramali.blogspot.jp/2010/02/blog-post.html

 

面白かったのは、阿蘇でのポエトリーリーディングに波多野さんが参加された際、ある参加者がナナオに「どうすれば健康で長生きできますか?」と質問した時のこと。質問者は明らかに「玄米菜食」とか「健康に良いことをする」という答えを期待して問いかけたにも関わらずナナオはこう答えたそうです。

「そんなこと、今まで一度だって考えたことはないねえ」

波多野さんはその答えに、「さすがはナナオ!」と思ったと言います。面白い。私もこれには、天真爛漫、無為自然で生きるナナオらしいエピソードだと思いました。また、波多野さんの人生にとっても、私の人生にとってもナナオの作った『これで十分』という詩が関わっていたという事実にもご縁を感じずにはいられません。

若かりし日、波多野さんは靴の中にナナオの『これで十分』の詩を書き写した紙を忍ばせてヨーロッパを旅し、私はインドで出会った一冊の小説の裏表紙に『これで十分』の写し書きを見つけて、長旅を終え日本に帰国することを決意しました。私たちの人生を奇妙にいくつもの共通するキーワードが巡り来るのです。

 

*詩人ナナオサカキについては、姉妹ブログ『宇宙の種』で記事にしています。よろしければこちらも合わせてお読みください。

http://uchunotane.com/ナナオサカキは宇宙①/

 

■私たち3人を繋ぐもの

エンディングには参加者の皆さんお一人おひとりからご感想をいただいて二日間にわたるイベントが終了しました。

打ち上げは市内のお蕎麦屋さんで。その後、講師のお二人を私お気に入りのカフェへお連れしました。天井の高い、面白い本がいっぱい置いてある閲覧自由のカフェです。お二人も本好きとあってとても喜んでくださり、遅くまで一緒に色々な話をしました。

個性も違い、住む場所も違い、年齢も違い、それぞれにユニークな経歴を持つ3人の講師。けれど、深いところで繋がっている不思議な感覚がずっとありました。それは一体なぜだろうと考えた時、思い出されるのはアメリカ・ボストン郊外にあった「いのち」の学校・Kushi Instituteのある風景です。

そこには世界中から若者達が集まり、同じ釜の飯を食べながら、東洋哲学や東洋医学、ボディワークやホリスティック医学、それに食養料理、自然農、味噌、醤油、発酵食の加工技術までを学ぶ全人的教育プログラムがありました。

時期は違えど、天野さんも、波多野さんも、そして私も、若かりし頃その校舎で、驚きと感動をもってマクロビオティックを学んだ同窓生なのでした。

今は亡き久司道夫先生のご指導のもと、人間の可能性を求めて食と身体と魂の関係性を探求する人々の熱い思いがその場所には溢れていました。そこにあったのはまさに眩いばかりの希望の光です。汲めども尽きない命の水です。真理を追求したいと願う情熱の炎です。私たちはそれらにひととき触れ、宇宙の神秘と生命の不思議に思いを駆せた仲間だったのです。

偉大なるカリスマを失った今、私たちには役割があると感じます。それは、マクロビオティックを時代に則したより良きものとして進化・発展させ、後世の人々へと伝えることです。

誕生、成長、発展、衰退、死・・・あらゆる生命はその循環の円の中で巡りきては去り、そして再び現れては巡ります。繰り返されるように見えて、描かれる円に一つとして同じものはありません。少しずつ次元は変化し、永遠に新しいものがそこから誕生してゆくのが宇宙の摂理です。

象徴はスパイラル。生命は無限の彼方から生まれ、無限の彼方へと去っていきます。全ては無限の夢。そのことを教えてくれたのは久司道夫先生。

天野さんと波多野さん、二人の同志に巡り会えて、今、改めてそのことを思い出しました。私ももうすぐ生まれて半世紀。まだまだやることがありそうです。今回の機会を与えてくださった全てのヒト、モノ、コトに感謝します。

心からありがとう!

 

 

●イベントを終えた私たち。左からnoahnoah、妻、天野さん、波多野さん。

 

 

⭐️ 今回の講座で天野さんイチオシの本『夫婦脳』。敵(?)を知るにはまず脳から?脳を理解できれば、もう腹が立たない(笑)。私も早速注文しました。あなたも一度読まれてみては?きっと家庭に平和が訪れます。

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