多くの女性は更年期をとても心配しています。
これは更年期が女性としての「老いの始まりと美貌の終わり」を意味するものとして捉えられているからに違いありません。しかし、私はこの考え方には少し懐疑的であります。
多くのメディアやコマーシャリズムによって、「美しさ」というものは、きれいなカラダのラインと若くてピチピチした肌にしかないという考え方が植えつけられ、人々の更年期に対する恐怖心を煽った結果、多くの女性が意図的にステレオタイプな美の基準と年を重ねることへの嫌悪感を心の中につくり出されているにすぎない、そう感じるからです。
本来、人の魅力や美の感じ方というのは、一様なものなどありえませんし、意識の用い方ひとつで、誰もがその年代に応じた自分なりの魅力や美を醸すことができると私自身は思っています。
個人的な例になってしまいますが、私は20代の頃、70代の女性に恋をしたことがあります。それはしっかりとその方を女性として意識した恋でした。ここでその詳細を明かすことはしませんが、今でも私はもうすでに他界されたその方のことを思うと、ある種の切なさと懐かしさの入り混じったセンチメンタルな感情が湧き起こり、微かな胸の痛みを覚えます。
そんな自分ですから、女性の「更年期」とは、思春期がその始まりを画するのと同じように、単なる月経周期の終わりを意味するものにすぎない、そう感じています。ましてや、更年期の訪れが女性の魅力や美に脅威をもたらすとは到底思えないのが本音です。
けれども、確かに更年期を迎えて体調不良を訴えられる女性が多くいるのも事実です。
少しずつ卵巣機能が衰えはじめ、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し始める40代半ばから50代にかけて。エストロゲンの分泌量が減ると、脳は盛んに卵胞刺激ホルモン(ゴナドロピン・ホルモン)を分泌して卵巣からエストロゲンを分泌するように催促します。
しかし、更年期を迎えた卵巣は必要な量のエストロゲンを分泌することができずに、エストロゲンの減少と卵胞刺激ホルモンの増加という板挟みの状態におかれ、ここでホルモンバランスの乱れが生じるのです。それにより、ホットフラッシュと呼ばれるカラダのほてりや、多汗、めまいなどの症状、性欲減退などが起こります。
また、ホルモンバランスの乱れのみならず、この年代に特有の環境的な変化も影響します。更年期の時期というのは、子供の独立や夫の定年、さらに親の介護など急激に生活のリズムが変わる時期でもあり、生活リズムの変化による精神的ストレスや家庭や職場でのストレスなども加わって、さらに強く更年期障害が現れる場合はあるのです。
こうした不快な症状は、基本的にカラダが変化に適応し始める時にだけ起こるもので、のちに症状は消えて落ち着いてきます。
しかし、最近は生活習慣や食生活の変化もあってか、長く更年期症状が続いたり、まだ30代であるのに更年期が始まってしまうという方も少なくありません。さらに蓄積した疲労やストレスがこうした症状を強めてしまうことがあるのです。
そうした場合には、まず心をリラックスさせることが大切であり、食生活を見直し、アロマオイルなどを用いて気分を穏やかに保つことが改善の第一歩となる場合が多いのです。そうした若年性の更年期障害、また現在、更年期障害で悩んでいらっしゃる方たちのために、自分でできる対処の方法をいくつかお教えしましょう。
中でも植物性のハーブやアロマオイルを用いた方法は副作用がなく、心や感情にも作用させることができるためおすすめです。
私が更年期障害で悩まれている女性にまずおすすめしたいハーブの一番はセージ。
●セージの葉
セージは女性ホルモンに近い成分を含んでいる上、強い抗菌・抗ウイルス作用を持つハーブです。その優れた抗菌作用から、セージティーでうがいをすると風邪や感染症の予防になり、歯肉炎や口内炎などの症状を和らげることもできます。のどの痛みや腫れがあるときにも効果的で、抗菌力を活かして水虫などのケアにも利用できます。
さらに、セージには五感を活性化させる効能があり、セージのハーブティーを飲むと血液循環が促され、強壮効果があるともいわれています。中でも女性にとって良い理由は次の効用が含まれるからです。
●肌を引き締める収れん作用や発汗を抑える作用があります。美容の観点からも優れているわけです。
●生理不順を改善し、更年期の諸症状を緩和します。
●腹痛やお腹が張っているときや胃が荒れているときなど、セージティーを飲むと症状が和らぎます。
●中医学では神経系の強壮薬として、神経系の沈静、興奮どちらにも有効とされています。
●抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。
まさにこれらの効用は「女性のためのハーブ」と言っても良いほど。アロマや料理に使うなど様々な使用法はありますが、一番のおすすめは乾燥したものをハーブティーとして召し上がる方法です。
*ただし、使用上の注意として、妊娠中の人や高血圧の方、てんかんのある方や発熱時の子供さんには使用を避けましょう。また、長期間服用せず、休止期間をおいたり、適量での使用をおすすめします。
また、さらに補足すると、更年期症状をお持ちの女性で血行不良を起こし不眠に悩まされている方というのも意外に多いもの。そんな場合はセージと合わせてタイムを摂られることをおすすめします。
タイムは神経系に作用するハーブで、自律神経のアンバランスを調整しトラブルを解消してくれます。副作用のない刺激剤としてもコーヒーや紅茶の代わりに飲むことができます。
またそれでも眠れないという方には、パッションフルーツ・フラワーのハーブティーが良いでしょう。その独特の甘い香りがリラックスと安心感をもたらし心地良い眠りを誘ってくれます。ハーブティーとしては、まずこれらをおさえておけば良いと思います。
これらに加え、ご自宅に複数のアロマオイルをお持ちの方は、次にあげるレシピを用いてブレンドオイルを作り、お風呂に入れて入浴されるとさらに良いです。
・タイム 3滴
・ローズマリー 3滴
または、
・バジル 3滴
・サイプレス 3滴
これらの組み合わせは、フランス人アロマセラピストで30年以上の経験を持つ治療家、ダニエール・ライマン女史のレシピです。彼女はこれらハーブやアロマオイルを使って多くの更年期障害や体調不良に悩む女性たちを救ってきました。彼女の著作には優れたものが多くあります。興味のある方はこちらをどうぞ。『香りの療法アロマテラピー〜精油を使った美と若返りのひみつ』。
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⭐️ ダニエール・ライマン著/『香りの療法アロマテラピー』
今回取り上げたセージは、現在世界中で栽培されていてなんと500種以上もの品種があります。ポピュラーな花に「サルビア」がありますが、サルビアもセージも同じ「シソ科アキギリ属」で同じ仲間と言えます。
●サルビアの花
サルビアという名は、ラテン語で「治療」を意味するサルバーレ(salvare)に由来し、このハーブは古代から多く人々の治療に用いられ、長寿と結び付けられてきました。日本でもシソ科の植物には皮膚炎を抑えたり、抗酸化作用を持っていたりと人々の暮らしを健やかに保つのに役立ってきました。
セージはもともと地中海沿岸の原産で、1m近くまで生長し、葉は灰緑色または紫色で表面に起伏があり、夏になると紫色や白色の花を咲かせます。昔、まだ子供が小さい頃、家族でギリシアの島に暮らしたことがありました。民家の庭にはいたるところにセージが植えてあって、夏にはその美しい花が心和ませてくれたことを思い出します。
ヨーロッパには「長生きしたければ、5月にセージを食べなさい」という格言もあります。その花言葉は「家庭の徳」。
まさに女性はいくつになっても家族にとって「家庭の太陽」であり、私たち男性にとっては美しく咲き、心和ませてくれる「花」のような存在です。そのイメージが私の中で、かつてギリシアの島々で目にしたセージの花と重なります。
女性の皆さんには、古代から続く植物のチカラを上手に活用し、初夏に咲くセージの花のようにいつまでも魅力的で美しくあってほしい、そう願っています。
⭐️ 日本人である私たちももっとハーブやアロマを活用すべし。私たち動物の命の源を辿れば、「植物のチカラ」によって養われていることに気づきます。セージは女性だけのものにあらず、仕事にやる気の出ないお父さんだって、セージティーを一杯飲めばほら、心のそこから元気が蘇ってくるはず!
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