雪がとけて暖かくなると、それにともなって道端で多く目にするもの、それは何もふきのとうだけではありません。
真新しいシューズに色鮮やかなウェアーまとい、軽やかにジョギングしているランナーを多く目にするのもこの季節です。
誰もが手軽に始められるマラソンは世界的に人気で、日本でも年々大会参加者が増加しています。確かに、日に焼けて走る姿はとても健康的な印象を与えますもんね。
しかし、フルマラソンを連続して走りきることには「ある種のリスク」もともないます。先日、海外の健康情報サイトをチェックしていたら、そんなマラソンのマイナス点についての興味深い記事を見つけました。
走ることはあなたのカラダを大きく変えること。マラソンのメリットは、気分を高め、がん、糖尿病、肥満のリスクを減らし、長寿率を高めることにも繋がります。
しかし、ランナーとしてフルマラソンを走りきったあなたのカラダには多大なストレスが加わり、同時に種々の障害リスクが高まるのです。具体的には一時的に免疫系が弱まり、急性腎障害を起こすケースがあります。
最近、腎臓病専門の医学誌に掲載された研究報告によれば、マラソンに参加したランナーの実に82%に急性腎障害の症状がでることがわかったのです。以前からマラソンが心臓に負担のかかるスポーツであることは指摘されていましたが、研究結果は心臓への負担だけでなく、腎臓障害を通じて他の臓器にも悪影響を及ぼす可能性があることを示しています。
*CNNのネットニュース
確かに昔からマラソンは危険な行為だったと言えなくもありません。
歴史上、世界初のマラソンランナーとして知られるギリシャの兵士ピリッピデスは、マラトンからアテネまで約40キロの道のりを走ってギリシャ軍の勝利を報告した後、倒れ込んで亡くなったのでした。現在規定されているマラソン競技の距離もここからきています。
であるならば、42.195キロを走る現代マラソンが、ランナーのカラダに悪影響を及ぼさないこともありえません。ランナーの82%が急性腎障害にかかったということは、腎臓が血液から老廃物を正常に濾過できていないことを意味します。
2015年に行われたコネチカット州のハートフォードマラソン。参加した22人の選手はイエール大学の研究のために募集されました。大会前日、研究者たちは、ランナーから尿および血液サンプルを採取し、急性腎障害を診断するために使用されるマーカーであるクレアチニンについてサンプルを取り出し、その大会前後の変化について検査しました。
「マラソンを走る肉体的なストレスによって腎臓はダメージを受ける。ある意味、入院患者が治療後や手術後に合併症を発症するのに似ている症状だ」と、研究チームのリーダー、チラグ・パリク医師は述べています。
以前から、マラソンランナーが過度な練習や競技によってさまざまな辛い症状に苦しむことは知られていました。膝の痛みやアキレス腱炎、すねの骨に痛みが出る過労性骨膜炎など・・・、そこに新たに腎障害が加えられたというわけです。
ただ、安心していただきたいのは、あくまでも腎障害が「急性」というところ。現にこの研究に参加した22人のランナーは正常な腎機能を有しており、平均12年間マラソンを行ってきた人ばかりということで、大部分のマラソン選手は長期間競技生活を送っていたとしても問題はないでしょう。もしも、マラソンが深刻な慢性腎臓傷害を引き起こしたならば、すでにこれらのランナーの腎臓機能だってほとんどダメになっているはずですから。
研究によると、腎臓の損傷はマラソン後2日ほど安静にしていれば治ります。しかし、マラソンで腎臓がどれだけの損傷を受けるか、その程度について解明するには、さらに研究の継続が必要だと研究チームは主張しています。
元マラソンランナーの増田明美さんによると、「競技者は不健康と言わざるを得ない状況」だと言います。マラソン選手の場合、1日約40kmを走りこみ、レース時にはカラダを限界まで追い込みます。筋肉や骨だけでなく、腎臓をはじめする内臓も疲弊してしまうそうです。
中でも腎臓は、老廃物を濾し取るフィルターとして体内の水分調整を行ったり、骨を強くする活性型ビタミンDの生成を行うところゆえ、もし腎臓の機能が落ちれば、走りたくでも走れないということになってしまいます。なので、マラソンを趣味とされる方は普段から腎臓を養う意識が必要となるでしょう。
では、食養生の観点から何を食べたら良いか? ということになりますと、さまざまな食品があげられますが、一品これはというもので言えば、私は「小豆」をおすすめします。
すでに前回のブログでも小豆スープをご紹介しましたが、豆には利尿作用や解毒作用があり、腎臓の働きを大いに助けますから、積極的に食べましょう。
*ただし、腎臓が大幅に弱っている場合は、豆類に多く含まれているタンパク質が負担になってしまうこともあります。もうすでに腎臓病により、腎臓の機能が大きく低下している方の場合は、タンパク質やカリウム、塩分の摂取を制限する必要がありますので、必ず医師の診断を受け、アドバイスに従ってください。
あくまでも健康な腎臓を持っている人が、腎臓の健康維持のために食べると良いのです。
日本には昔から、旧暦の1日と15日には「小豆ご飯」を食べる習慣がありました。1日は新月、15日は満月を祝って、お赤飯を炊いたものです。
月の満ち欠けを目安に月に2回あずきご飯を食べる習慣が伝統的に繰り返されてきたのにはわけがあります。小豆の赤は生命のシンボルといえるほど生命を守る成分が豊富で、小豆を食べることにより、仕事の能率を高め、疲れを残さず働けたからです。実際に、活力の元となるビタミンや亜鉛、抗酸化物質と言われるサポニンを豊富に含む小豆ご飯はまさに稲作を生業としてきた日本人の知恵といえます。
なお、いくら小豆が良いと言っても、白砂糖で甘く味付けし、ぜんざいみたいにしていただいたのでは、せっかくの小豆効果も半減してしまいます。もし小豆ご飯をたくならば、味付けも天然塩少々で十分です。
今一度そうした日本伝統の習慣を見直し、先人の知恵に学べば、腎臓も強化され、より力強く大地を踏みしめてマラソンに勤しむことができるというものです。健康不安のない軽やかな走りを、あなたもこの春、小豆ご飯とともにはじめてみませんか?
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