野菜だって踊り出す愛と豊穣のフードデザイナー『Vege Miyu』

私のオススメブログ

 

1980年代・・・それは、日本の多くの若者にとって豊穣と狂乱の季節でした。

音楽、文学、芸術、ファッション、グルメ・・・潤沢な経済力を背景に、それぞれの分野にスターがキラ星のごとく現れ、当時青春時代を過ごした私も、まばゆいバブルの光の渦の中で、次々に誕生しては消費されてゆくカルチャーに酔いしれながら、物質的繁栄に踊りました。

コムデギャルソンのジャケットを羽織って、村上龍の小説片手に、ユーロビートを聴きながら、バスキアの展覧会を楽しみ、シャレたカフェバーでイタ飯食べながら、週末はディスコという生活。

しかし、一夜にしてバブルが弾け、泡が飛び散っていった後、人間にとって本当に大切なものとは何かに気がつきました。

 

・・・新鮮な空気、安全で美味しい水と気の通った食べ物、そして、心から信頼しあえる家族と仲間。一体これ以上、何が必要というのでしょう。

そんな時、生き方を大きく方向づけてくれたのがマクロビオティックでした。それは同時に講師という伝える喜びも与えてくれました。先生にとって生徒はいつだって大切な存在。学びを通じて深いご縁で結ばれます。

出会った生徒さんたちの中には、印象深く忘れ難い方が少なくありません。そんな生徒さんたちのブログやサイトをご紹介する「私のオススメブログ」のコーナー。

今回ご紹介するのは、あの豊穣と狂乱のバブル時代の空気を知るこの方・・・




■外資系企業勤務の日本美人、食の大切さに目覚める

あと3年後に迫った2020年東京オリンピック。

近年、国際化や訪日外国人を従来の倍に増やす政策を受けて、日本を訪れる外国人客が急増しています。訪日客の文化的、宗教的バックグラウンドは実に多様、それは食についても言えることです。きっと多くのベジタリアンだって来日するはず。しかし・・・

「東京オリンピック開催と言ったって、フォーリン・ベジタリアンに対応できるインフラがこの日本にはちっとも整ってないじゃない!」

そこに気がつき、状況を改善すべく立ち上がった一人の勇敢な大和撫子がいます。

その人の名は、そう、千葉芽弓さん。

 

●千葉芽弓さん 画像は彼女のサイト『Vege Miyu』から

 

芽に弓と書いて「みゆみ」。小柄で端正なお顔立ちの日本美人でありながら、外資系の誰もが知るオーディオメーカーに長く勤務していた彼女は、ある時、「食の大切さ」に目覚めます。

もともとお菓子大好きで甘い物には目がなかった上、バターたっぷりの濃厚ショートブレッドが大好物だった彼女は、年中肩こりに悩まされアレルギー持ち。しかも感染症にもめっぽう弱く、歯も肌もボロボロだったと言います。

それがマクロビオティックに出会って食生活を変えてからはあらゆる不調が改善しただけでなく、人生が大きく変わり、やがて食の面白さ、奥深さを追求していくようになっていったのです。

 

■バブルの象徴ディスコ・ブーム

そんな彼女に出会ったのは、数年前、山梨県小淵沢で行われたKIJのマクロビ合宿。お話してみると、好きな音楽、ファッション、文化など、お互いに共感できる話題が多く、同年代なのだとわかりました。実際の芽弓さんはとてもお若く見えるのですけどね。

その時の芽弓さんからもどこかしらバブル時代の空気を感じた私は、初対面にも関わらず、「失礼ですが、ジュリアナ東京でお立ち台に上がって踊っていた経験がありませんか?」と訊ねてしまいました。

彼女は予想した通り「わかります?その通りです」と笑いながら答えました。

 

80年代を知らない方のために説明しますと、東京芝浦の海岸地区はバブル期にはウォーターフロントと呼ばれ、倉庫を改装して造られた有名ディスコ店がひしめき合い、一大ディスコ・ブームを演出していたのです。それに対抗してできたのがジュリアナ東京です。

「OLが上品な夜を過ごせる場所としてのディスコを創ろう」をコンセプトに開店したものの、お立ち台がメディアに大々的に取り上げられるにつれ、バブル崩壊後の熱も冷めやらぬままにボディコン・イケイケ路線の女性客が増え、お立ち台の上で扇子片手にセクシーダンスを披露するようになります。やがてその光景を目当てに男性客も増えて大混乱の様相を呈し、この国のディスコ・ムーブメントにおける一黄金時代を創りだしたのでした。

 

●往時のジュリアナ東京。お立ち台と女性たち

画像はこちらのサイトからお借りしました。https://middle-edge.jp/articles/I0002393

 

■芽弓さんの華麗なお料理の腕前

聞けば、芽弓さんもお立ち台に上がって踊りながら男性諸氏をブイブイ言わせていた時代があったようです。しかしバブル崩壊後、ふと我に帰り、人間が生きていく上で本当に必要なものとは何かを探していく過程で「食と健康なからだ」というテーマに出会います。

そして、マクロビオティックを学び、食育を学び、ヨガを学んでいかれる中で、それらを活かした活動を展開していきたいとの思いから、それまで勤めていた会社を退職され、フリーのフードデザイナーという道を選択されたのです。

現在、芽弓さんはご自身が体験された食生活の素晴らしさを伝えるため、肉、魚、乳製品、白砂糖を使わない生きたお野菜と無添加手作りのベジ料理の普及と食べ方の提案を個人や会社組織を対象に行っています。

運営されているサイトにはホームページとしての『Vege Miyu』と、ブログ『ハニマロ』の2つがあります。

実際にホームページを見ていただくとわかりますが、彼女の料理技術とアイデア、そしてセンスの良さは際立っています。ここで彼女の作られたお料理の一部を見ていただくとしましょう。

 

*ホームページ『Vege Miyu』http://vegemiyu.sunnyday.jp/index.html

 

 

●お弁当イベント(『Vege Miyu』Eventページより〜)

 

 

●夏リゾート料理パーティー(『Vege Miyu』Eventページより〜)

 

 

●野菜の気持ちプロジェクト(『Vege Miyu』Eventページより〜)

 

いかがですか?素晴らしいでしょう。

こんな素敵なお料理を作るチャーミングな女性がいたなら、男性諸氏はきっと惚れてまうやろと思います。バブル時代はお立ち台で扇子片手に男性をブイブイ言わせていた芽弓さんですが、現在は包丁片手にお料理でブイブイ言わせているわけで、どちらにしても女性としてとても魅力的な方であるのはいうまでもありません。

サイトにアップされたお料理一つ一つを拝見しながら、彼女の食材に対する深い愛を感じました。野菜や穀物に対する愛情とお料理に対する情熱が、このようにイキイキとした幸せな食卓を形作っているのだなぁとしみじみ感動したのです。

 

■お料理の中に豊穣の時代の光を見た

草月流生け花の師範でもある芽弓さんには、そこで培われた芸術センスがおありになるのはもちろんなのですが、それに加えてバブルの時代に出会われた美しいもの、豊かなもの、味わい深いものたちの体験がしっかりと記憶に刻まれ、彼女自身の感性の滋養となっているように感じました。

バブルという時代は、浮ついていたとか、贅沢すぎるとか、とかくマイナス面ばかりが強調されて語られることが多いです。しかし、すべては陰と陽。そこには闇と光とがあるのです。

地上げ、土地転がし、高騰するゴルフ会員権・・・自らの利益追求ばかりに奔走した人たちが多かったのも事実ですが、豊かな経済の力を背景に、質の良いもの、作り手の気持ちのこもったもの、人の心を豊かにするものたちも世の中には溢れていたのです。

音楽、文学、芸術、ファッション、グルメ・・・それら全ての中に「80年代の光」ともいうべき文化の豊穣が内蔵されていたように感じます。私は芽弓さんのお料理の中にも、まばゆいあの時代の光のかけらを見たのでした。

 

■東京発信のプロジェクト「Tokyo Smile Veggies」

芽弓さんとは、小淵沢でお会いして以来じっくりお話させていただく機会はなかなかありません。それでも昨年東京で開催した私の性愛講座に来てくださったり、時々SNSでやりとりさせていただくことがあります。いつも感じるのは、互いにあの時代を知る同志的共感と懐かしさです。

そんな芽弓さんが中心になって現在取り組んでいるのが、「Tokyo Smile Veggies」というベジ食普及プロジェクト。

2020年開催の東京オリンピックを視野に入れ、ベジタリアンを含めた海外からの訪問客の食の多様性に応えられるように、ベジメニューの開発とレストランでのベジ料理の普及をすすめ、それが食のスタンダードになるようにと活動しています。

日本全国のベジタリアン、マクロビアンのみなさん!芽弓さんの活動にぜひご協力・ご賛同ください!

 

*TOKYO SMILE VEGGIES  

TOKYO SMILE VEGGIES
TOKYOSMILEVEGGIES-「いいね!」4,685件·73人が話題にしています-おいしく安全なプランドベースメニューや商品を全国へ普及し、SDGsに寄与

 

さらに彼女がホームページと同時運営されているブログもかなりレベルが高いです。この頃はちょっと更新をおやすみされているようですが、ナチュラルフードに関してすごく勉強されているし、アンテナの感度が抜群にいいです。おまけに読みやすい文字数で要点がわかりやすくまとめられており、とても役に立つ記事が満載です!ぜひご覧になってみてください。

 

*芽弓さんのブログ『ハニマロ』

ハニマロ

 

■意外なつながりと作家・北山耕平さん

バブル時代の真っ最中、私が10代の頃夢中になって読んだ雑誌の一つに『POPEYE』があります。これはファッションを中心に音楽、アート、インテリアなど時代の先端をいくカルチャーやグッズを紹介する雑誌で文化のオピニオン・リーダー的存在でした。まだインターネットのなかった時代、この国の若者たちの思想やライフスタイルにかなりの影響を与えていたと思います。

長くその編集長を務められた一人に、作家の北山耕平さんがいます。

 

 

●北山耕平さん 写真は私の姉妹ブログ『宇宙の種 Seed of the Universe』から

 

北山さんは『POPEYE』の創刊に関わった後、80年代にかけて旅をし、北米大陸で過ごされました。そして、ネイティブ・アメリカンとの出会いをきっかけに、彼らの精神や神話について学ばれ、現在、日本の次の世代に伝える活動をしています。

私が20代だった頃、世界一周旅行を思い立ってアメリカへ旅立った後、ボストン在住のマクロビオティックのリーダー、故・久司道夫先生のお宅に数ヶ月間、居候をさせて頂いたことがありました。

そこで出会ったマクロビオティックの機関紙に『East West Jarnal』という小冊子がありました。

読みやすく人目を引くデザインと、興味深いトピックスが満載のその小冊子に私はなんとも言えない魅力を感じ、バックナンバーを集めてきては毎日のように読みふけったものです。

 


 

日本に帰国してからわかったことなのですが、実は久司先生のお宅には、北山さんも長く居候されていたことがあったらしく、マクロビオティックとの出会いが北山さんご自身の思想にも大きな影響を与え、なんと私が大好きだったあの機関紙『East West Jarnal』の編集の中心者としても関わっていらしたのです!

10代の頃から北山さんの編集された『POPEYE』にたくさんの刺激をいただいた私が、20代になってアメリカで出会ったマクロの機関紙『East West Jarnal』を通じて北山さんの魅力に再び感応していたというわけで、本当に人生とは面白いものです!

 

雑誌編集者として成功し、有名になった北山さんでしたが、ある時ふと「自分の仕事はこれでいいのか?」と疑問を持たれたようです。80年代、日本がどんどんバブルに向かう中で、消費文化を牽引するカタチで読者に情報を発信してきた北山さん。しかし、果たしてそれらの情報は真に人間を幸せにするものなのか?環境を豊かにするものなのか?

自問自答された北山さんは、編集者として人気絶頂のその最中、突然辞める決心をし、北米大陸へと旅に出ます。そこで出会ったのがネイティブアメリカンの思想であり、マクロビオティックだったのです。彼はそれらの中にシンプルな「人間の真に健康で幸福な生き方」を見つけられたのでした。

 

■『自然のレッスン』からわかること

私が大好きで大切にしている本の一つに『自然のレッスン』があります。もちろん著者は北山耕平さん。

この本には、食べ物や食べる行為についての深い考察と、教えが散りばめられていて、初めて読んだ私は大いに共感させて頂いたのですが、本の最後のほうに影響を受けた人物として「久司道夫」と書かれていたのを発見し、なるほどと思いました。北山さんと私は共通の師匠を持っていたわけなのです。

そこに書かれているのは、シンプルで当たり前な「人間としての生き方の心得」

物質的繁栄と文化の豊穣の時代をリードして来られた北山さんがたどり着かれた場所は・・・新鮮な空気、安全で美味しい水と気の通った食べ物、そして、心から信頼しあえる家族と仲間。それら以上に一体何を望むの? という境地でした。

それはバブル時代にボディコンスーツに身を包み、お立ち台で扇子を振っていた芽弓さんとも共通するもの。ミラーボールとスモークの織り成す煌びやかな空間の中、踊ることで心身を解放する喜びを知り、行き着いた先の「食と健康」。

さまざまな人生経験を経て「自然であること」の大切さに目覚めた彼女は、多くの悩める現代人の問題解決のため、マクロビオティックとヨガを合わせたパーソナル健康相談を通じて、東京に暮らす人たちが元気になるための「つながりの場づくり」にも尽力しています。

 

■2020年東京オリンピックを心豊かに迎えるために

「豊かさとはなんであるか?」そう問いかけられた時、私は「多様性を知ること」と答えます。

モノゴトにはすべからく「領域」があります。端から端を知ることで全体のスペースというものが把握できます。豊穣の時代を知るからこそ、上質なものとそうでないものとの違いや、過剰なものの暴力性、シンプルなものの大切さも理解することができます。決して不要なものなどありません。この世に存在する事象は全て必要があって存在しているのです。

私にそうした視点を与えてくれたのは恩師・久司道夫先生であり、マクロビオティックでした。芽弓さんもきっと同じ思いで活動されていると思います。同時代を生き、共通のテーマにたどり着かれた彼女の存在は私の中でとても大きいです。

最後に芽弓さんの印象を、恒例の私のはた迷惑な創作キャッチフレーズで表現して締めくくってみたいと思います。

芽弓さんのキャッチフレーズは、これだ!、ドンッ!!

 

「東京五輪は花盛りベジ盛り。野菜だって踊り出す、愛と豊穣のフードデザイナー Vege Miyuさん」

 

2020年、東京オリンピックに訪れた海外のお客さまたちから、「日本はすごい!こんなに素晴らしいベジ先進国だったのか。日本に食の金メダルをあげよう!」そう言ってもらえるような素敵な国にみんなでしていきましょう。

北の街より、芽弓さんのご成功を心からお祈りしています!

 

 

⭐️ この本は今でも大好きで、いつもポケットに入れて散歩に持ち歩きます。ポエムのようなシンプルな表現ながら、そのメッセージは限りなく深い。物質的繁栄と豊穣の時代をリードしてこられた北山さんが最終的にたどり着かれた場所は一体どんなところなのか?この本を読むときっとわかります。

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