続・あゝ悩ましい、男と女の性のしくみ

愛とセックス

 

この世に存在するのは男と女。あなたは「男」に対して、また「女」に対してどのような印象をお持ちでしょうか?

私は、ある時から、男とは、か弱くて愚かで孤独で愛すべき生き物。女とは、強くて賢くて円満で愛すべき生き物」、そんな風に思うようになりました。

一般的に、男性は女性より腕力において勝る強い存在。それに比べ女性は非力でか弱い存在、そう感じられている方が多いと思います。でも、私は若い頃からずっと思っていたんです。「いや、違う!逆に弱いのはむしろ男性のほうではないか?世の中に存在する忌むべき性犯罪。そのほとんどが男性によって繰り返されるのも、むしろ、そんな男性自身の弱さから起こるのではないか」と。

かなり前になるのですけれど、そんな私の漠然とした問いかけに明快な答えをくれた「ある考え方」に出会いました。その考え方は私がそれまで抱えていた男女の違いに関する疑問に答えてくれただけではなく、その後の私自身の男性観、女性観を大きく補完し、性のあり方そのものについて深く考えるきっかけを与えてくれました。

これから語ろうとすることは、その考え方を私なりに解釈した上で導き出した一つの結論であり、非科学的、あるいはスピリチュアルな視点を多分に含んだものになるかもしれません。なので、そういった類の話が苦手な人はスルーしていただいて結構ですし、私自身もこの考え方を誰かに信じてもらいたいとか、他者にこう捉えなさいと強要する気はありません。

しかしながら、今からお話する「男性と女性の性の違いとしくみ」を通じて世の中を眺めてみると、この世に繰り返される多くの問題の真の原因が見えてきますし、また、解決策も自ずと見出せる気がします。

例によって、いささか長文にはなりますが(笑)、お付き合いくださると嬉しいです。




■「孤独」の反対語■

最初にあなたに質問です。「孤独」の反対を意味する言葉って何だと思いますか?

以前、シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんが、ご自身のホームページでそんな問いかけをしていたことがありました。彼女はそこで「孤独の反対は<無知>かな?」と答えていた記憶があります。

人間は、自分の頭でものを考えよう、自分を生きよう、そう思った時に深い孤独が訪れる。けれど、孤独は怖いものでも悪いものでもなく、創造の母であり、生きる歓びへと自分を押し出してくれるものなのだ、と。私は、ヒカルさんらしい答えだなぁ、と感心しました。

さて、あなたなら「孤独」の反対語、何と答えますか?考えてみてください。

 

■女性のイメージと男性のイメージ■

・・・私の答えを知りたいですか?

答えは「円満」です。

子供の頃から私は、モノやヒトのイメージをカタチで捉える習性がありました。例えば、友人をイメージするのに「山田くんは台形のイメージ」とか「佐々木さんは楕円形のイメージ」みたいな感じで。

そんなカタチのイメージで捉えた場合、私にとって女性の存在は球体や円、曲線。一方、男性の存在は円柱や弧、直線のイメージとして捉えられます。実際、図にしてみると次のようになります。

 

■一なる全体と繋がっている女性、切り取られた男性■

円満という言葉には、「調和がとれていて穏やかなこと。また、そのさま。まるく完全に満ち足りていること。すべてが備わっていること」という意味があります。

女性の持つ柔らかさやしなやかさ、優しさや丸み、生命を生む育む母性といった性質に、私はこの「円満」という言葉の持つイメージをどうしても重ねてしまうのです。女性は、生まれながらにして存在そのものが、何かこう、「一なる全体」と繋がっている生命体のように感じられて仕方がないのです。

一方、男性には力強さや硬さ、鋭角的で厳しく直線的に突き進み、生命を守りながら未来を切り開く父性の性質があり、私はそこにどうしても「孤独」という言葉を思い浮かべ男性のイメージに重ねてしまうのです。

いわば、女性は全体と繋がっている存在で、私たち男性は、その全体から一人飛び出して孤立している存在。再び図にして表すと次のようになります。

 

円という図形には直線が含まれません。さらに円周上に任意の1点を仮定すると、どこに点を打ったとしても中心点までの距離は等しくなります。数ある図形のうち、これほど調和がとれていて円満なカタチは円以外にありません。

しかし、その円周上に任意に2点AとBを選び、一部分として切り取ると、それは「弧」になります。また、円周上の2点A,Bと中心点Oを結ぶとそこに直線が誕生します。調和のとれた円の世界を弧=個に分断し、切り取ると直線が生み出されるわけです。

例えていうならば、ホールのケーキが女性で、それをカットしてできるのが男性。「孤独」は「孤が独りぼっち」と書きます。私たち男性は、そもそもがその存在において「切り取られた悲しみ」を内蔵しているのです。

 

カットされたケーキとホールのケーキ。私が「孤独」の反対語が「円満」だと主張する理由がここにあります。

 

■遺伝子学的にも女性の方が男性よりも強い理由■

私の説を観念的と感じられる方もおありかもしれません。しかし、あたかもこのことを証明するかのような事実が二つ存在するのです。一つめは、ヒトの性を決定する性染色体の組み合わせにおいてです。

ヒトの遺伝子について言えば、男性の場合はX染色体とY染色体という組み合わせ(XY染色体)からなり、女性の場合はX染色体がふたつの組み合わせ(XX染色体)からなります。そもそもX染色体というのは、大きさはYに比べて非常に大きく、遺伝子コードや体の免疫系を司る分子を含め、個体が生きていくために必要な遺伝子をほとんど含んでいます。単独でも存在できるくらい強い染色体なのです。

それに比べ、男性の性を決定するY染色体ときたら、大きさも小さい上、個体の生命活動に必須な遺伝子は全く存在しません。単独では存在できない弱い染色体なのです。ちなみに女性はこのYを持ちませんが、個体の維持には何の問題もありません。つまりは、X染色体自体が生命活動に関して非常に重要な働きをしているために、それをふたつ持ち合わせている女性は、必然的に男性よりも免疫力が強くなるというしくみなのです。

さらには、昨今の研究により、女性は男性が対処困難な細菌症や感染症、ガンなどの深刻な病に対抗するための強力な免疫力が備わっている上、もし病にかかったとしてもそれと戦い抜けるだけのバックアップシステムまで持ち合わせていることがわかったのです。

ベルギーのクロード・リベール博士は「人間の女性は他の哺乳類と同様に、男性よりも長生きで、且つ、敗血症や感染症などの病だけでなく精神的外傷にまで耐えうることができる特質を持っている。我々はこれを、X染色体による力だと考えている」と述べています。

昔から「母なる自然」と言われるように、何かを生み出す根源となる存在を、人々は「母」と呼んできました。人間だけでなく、すべての生き物は女性から生まれるのです。

また、女性は生み落とすだけでなく、出産後は、子どもを守り育てていくという使命が与えられています。それゆえ、妊娠中はもちろんのこと、子育て中においても病気にかかることを極力避けなければなりません。そのため生物学的に見ても、女性は確実に生き残らなければならないのは明らかであり、よって免疫力も強く進化したのです。

 

■原初、男性も女性だった?■

女性が一つの大きな全体であり、男性がその一部分である理由の二つめは、私たちが胎児だった頃のカラダの構造です。

ヒトの性別は受精の段階で決まっています。 途中から変わることはありません。 受精する精子の染色体がYを持っているか(男児)、Xのみであるか(女児)で決まります。

ヒトはもともと、Y染色体が存在しなければ基本的には女性になるように作られています。

大人の生殖器の形や構造は男性と女性ではかなり異なりますが、胎児期の初期には男女に差がなくともに女性型の生殖器で全く同じ構造なのです。受精の過程でY染色体が存在しなければ(女児)、そのまま外性器が発育してゆきます。

しかし、妊娠10週頃から男女の差が生じ、Y染色体を持った男児の場合は、途中から精巣が作られ、男性ホルモンが増えてきます。 そして、もとは女性の構造であったはずの外性器が男性型へと変化してゆきます。割れ目がふさがり、陰核が伸びてきて陰茎へと変化し、 陰嚢内の睾丸は胎児のお腹の中で作られ、だんだんとそれが下降してきて陰嚢内におさまるようになります。

言ってみれば、私たち男性は、もともと女性だったはずなのに、Y染色体と、それに伴う男性ホルモンの影響を受けて、途中から男にさせられてしまうのです。女性のカラダは男性にとってのかつて慣れ親しんだ故郷というわけなのです。そこに私は男性存在の悲しみと、男性が女性を求めずにはいられない根源的な理由を見つけた思いがします。

 

■ある考え方に出会って■

本来、生き物として、女性の方が男性よりも強い理由や、男性の弱さの理由を、生物学的、遺伝子学的事実の中に見つけた自分でしたが、さらにもっと納得のいく解釈を長い間求めさすらって参りました。

ところが、今から十年ほど前に出会ったある文献の中に、私は生命体としての男女の違いや役割について、非常に深く腑に落ちる考え方を見つけました。それは、先に述べた私自身の男性観と女性観(女性は全体と繋がり、男性はそこから生み出された部分的存在)とぴったりと一致するばかりでなく、私がそれまで抱えていた男女やセックスに関する疑問に明快な回答をもたらし、それまで視界にかかっていた霧が一瞬にして見事に晴れていくような感動と深い喜びを与えてくれました。

次回はいよいよ、その文献の中に書かれていた大変重要な「ある考え方」についてお話ししてみたいと思います。

 

 

 

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