あなたは、毎日美味しいお茶、飲んでますか?
お茶は暮らしを豊かにする嗜好品であるのみならず、私たちの健康にプラスに働く自然からの恵みであります。本ブログでも何度かその効用についてはお伝えしてきましたが、先日開催しましたnoahnoah塾で、お茶の先生が受講生の皆さんにお点前を披露してくださる機会がありました。
そこで、「緑茶を飲むことで腸内環境が整い、免疫力が向上する」という話をさせていただいたのですが、その後、受講生のお一人からご質問のメールをいただきました。とても良い質問でしたので、今回ブログ上でご紹介し、合わせてお答えしたいと思います。
お茶を飲むことの効用と、生じる問題点、そして解決のしかたについて。少し長いですが、おつきあいくだされば嬉しいです。
講座の中でお話したのは、お茶を飲む習慣によって腸内の善玉菌が増えるという話。
緑茶を飲んで腸内の善玉菌の割合がどう変化するかを調べる実験で、お茶を飲む習慣がない人を10人ほど集めて、毎日10杯のお茶を10日間飲んでもらったところ、ある女性は初日にお通じの改善効果が見られ、またある男性は4日目から硬い便が普通のものになったのです。
で、腸内の善玉菌の割合がどう変わっていったかを比較してみたところ、緑茶の効果は歴然です。緑茶を飲み始める前は善玉菌の割合が16.6%だったものが、なんと飲み始めて10日後には26.1%に増えていたのです。
腸内の善玉菌の割合 16.6%→26.1%
この差は大きいですよね。ただ、重要なのは飲むのをやめてしまうと17.4%に低下してしまったこと。この実験結果から分かることは、緑茶は健康にいいものであることは間違いないが「飲み続けなければ効果がない」ということ。なので、お茶を飲むことが生活の一部になれば良いのだけれど、1日10杯も飲むのは苦痛という人だっているはず。そこで、少ない量でも緑茶の健康効果を引き出せる方法をお伝えしました。
あなたは、この日本でがん死亡率が最も低い地域がどこかご存知ですか?
それは、静岡県掛川市です。掛川市の皆さんが毎日飲んでいるお茶に「深蒸し茶」があります。一般的な緑茶の加工時の蒸し時間は30秒~40秒ですが、「深蒸し茶」はその倍の60秒~80秒ほど蒸します。蒸すことによって渋みが抑えられ、葉が細かくなり、抽出すると濃い緑色でまろやかなコクが出るのが特徴です。
普通、お茶に含まれる成分には、カテキン類、カフェイン、アミノ酸などのほか、ビタミン類、ミネラル、食物繊維などがあります。ところが、その栄養素の約70%は、お湯に溶けずに茶殻に残ってしまいます。
煎茶と深むし茶に含まれる栄養素の違いはほとんどありませんが、深むし茶は茶葉が細かくなるため、通常は茶葉に残ってしまう栄養成分が抽出され、それを飲むことにより余すことなくカラダに取り込むことができるのです。では、この深蒸し茶を日常、家庭でも普通に飲める方法はあるのでしょうか?それが、あるんです!
深蒸し茶を家庭で誰もが体験できる方法、その名も「すり鉢茶」。
まず用意するものは、すり鉢とすりこぎ棒。これは100円ショップなどで小さいサイズのものを求められると良いでしょう。そして、当然ながらお茶の葉。細かくして取り込むので可能であれば無農薬のものが望ましいのはいうまでもありません。
【作り方】
①すり鉢にお茶の葉2gを入れ、小さじ1杯の熱湯を注ぎます。
②これをすりこぎ棒で約1分間すります。やがて香ばしい茶の香りが立ってきます。
③ここに200mlのお湯を注ぎ待つこと1分。
④茶漉しで漉して湯飲み茶碗に注いで、すり鉢茶の出来上がり。
こうして淹れたお茶は緑の色が濃く出て、にもかかわらず苦くなく、旨味と風味がぐんと増します。この濃さの中にこそ様々な健康成分が含まれているのです。しかも、使ったお茶の葉は、このままお料理に使うこともできます。ほんの一手間かけるだけでさらに美味しく、しかも健康に良いのですから試さない手はありませんよね。
さて、そんな素晴らしいお茶ですが、全く欠点がないのかといえば、そうではありません。大きく次の2つは知っておかれると良いでしょう。
【お茶の問題点】
①利尿作用があるため、おしっこが近くなり、必要な水分が失われる
②それにより、ビタミンやミネラル、鉄分が体外に排出され、貧血を招きやすい
一般的にお茶を飲むと、トイレが近くなりますよね。これは、お茶に含まれる「カフェイン」に理由があります。カフェインには利尿作用があるんです。カフェインによって交感神経が刺激され、その影響で腎臓の血管が拡張、腎臓の血液ろ過量が増加し、膀胱に移動する尿の量が増えるんです。
これは、飲んだお茶の水分が、そのままが尿になったわけではなくて、飲んだお茶に含まれるカフェインが呼び水になって膀胱に尿の溜まりやすい状態をつくるのです。そして、血液中のカフェイン濃度が低下するまでの間、おしっこが近くなる状態は続きます。こうしてどんどん膀胱に尿が溜まり、排泄されていくことで、血液・体液の中の水分も失われ、同時に、必要なビタミンやミネラル、鉄分も体外に出ていってしまいます。
【改善策】
では、どうすれば良いかということですが、お茶を飲むなら食後すぐにではなく、最低30分から1時間はあけて飲むことと、必要な水分量を確保するため、お茶を飲む習慣のある人は普通に純水か白湯でマメに水分補給をすることです。
さて、受講生のお一人からいただいたご質問のメールですが、次のような内容でした。
「お話の中で出てきたお茶について質問があるのですが、お茶を飲むと、鉄を引っ張っていってしまい貧血を招くことがあるから、食後30分はあけましょう、ということでしたが、お茶は、すべて同じに考えて良いのでしょうか?
お茶の葉っぱは、煎り方や発酵の違いなどで、種類が違うんだったかな?と思っているのですが、葉っぱが同じなら、この鉄を引っ張っていってしまう、のは、番茶でも煎茶でも、ほうじ茶でもウーロン茶でも、緑茶も紅茶も皆同じと思って良いのでしょうか? 急ぎませんので、お時間あるときでよろしいので、教えてください。 よろしくお願いいたします」
これは大変良い質問です。当日は「呼吸」がテーマの講座だったため、私も細部にわたってお茶の説明ができませんでした。確かにお茶は、その種類によって栄養成分も性質もやや異なるのです。その違いをわかって用いるとさらに上手に活用することができますので、覚えておかれると良いでしょう。
お茶は呼び名は異なっても、全て同じツバキ科の葉が原料です。では、何が異なるのかといえば、まず、葉の加工法が異なり、それにより葉に含まれる成分が違うため、その効能やお茶の色・香り・味にも当然違いが生じます。
大きく分けて、緑茶・烏龍茶・紅茶があり、この違いは「発酵しているか、していないか」だけです。まず緑茶は、葉が発酵していないものを用い、紅茶は、葉が発酵したものを用います。烏龍茶は、緑茶と紅茶の中間くらいの半発酵なのものを用いています。
さらに今回話題に上った緑茶は、新茶・玉露・煎茶・番茶・ほうじ茶の5つに分けることができます。
①新茶 その年、一番最初に新芽を摘み取った葉を使用して淹れた緑茶のこと。
②玉露 収穫する2週間前に日光を遮って栽培されたものをいう。遮光することで、芽に含まれるアミノ酸がカテキンに変化しにくくなるため、渋みが抑えられ、旨み成分が多く含まれた緑茶となる。
③煎茶 玉露とは反対に日光を十分当て、アミノ酸をカテキンに変化させるため渋みが強くカテキンが豊富。
④番茶 その年、夏以降(9~10月頃)に収穫された茶葉で、正しくは三番茶や四番茶と呼ばれる。また、煎茶の製造工程ではじかれた規格外の葉を集めてつくられる。
⑤ほうじ茶 煎茶や番茶の茶葉を200℃程度の熱で炒ったものをいう。加熱しているため、カテキンやカフェインが少なく、渋みや苦みが抑えられている。
よく混同されがちな番茶とほうじ茶、その違いについてお伝えしたいと思います。私の暮らす北海道や東北地方はほうじ茶のことを番茶と呼んだりしますが、実は歴然とした違いがあります。
基本的にほうじ茶とは、煎茶や番茶などを強火で焙じたものをいいます。高温で焙煎するので、煎茶に比べて、アミノ酸(旨み)、カテキン(渋み)だけでなく、カフェイン(苦味)、ビタミンCも少ないお茶になります。
また、成分の違いでいえば、お茶の代表的な成分であるタンニンとカフェイン、この2つの成分の量が違います。
ほうじ茶は、番茶を200℃近い高温で炒って製造するため、その工程でタンニンとカフェインの量がグッと減るのです。お茶を飲みすぎると、鉄分が引っ張られて貧血が悪化する場合があるのですが、それは、この茶葉に含まれるタンニンが原因です。ゆえにタンニンの成分が残る煎茶、番茶、紅茶、烏龍茶は貧血の人が飲みすぎると、症状が悪くなることがあります。
しかし、ほうじ茶だけは、番茶を高温で炒って作るため、タンニンの含有量が少ないため(全くないわけではありません)貧血になりにくく、普段使いのお茶としておすすめすることができます。
なお、うちのカフェでも扱っています「三年番茶」は、名前は「番茶」ですが、これは番茶を熟成、焙煎して製造された「ほうじ茶」で、貧血の方、子どもさん、妊婦さん、お年寄りでも愛飲していただいて問題ありません。
モノゴトには全てにおいてプラス面とマイナス面の両方があります。モノを固定化して見ないで、その性質を知って上手に活用されることが大事で、お茶についてもそれはいえます。
そうして暮らしに上手に取り入れたお茶の習慣は、腸内環境を改善し、「腸」が活発に活動できることが、ひいては兄弟関係にある「肺」の活動も活発にし、呼吸が改善し、元気がみなぎり、さらに良い息ができるようになりますよ、そんな話をnoahnoah塾ではさせていただきました。
あなたの健康生活をさらにイキイキとしたものにする、そのヒントにしていただけたらと願っています。
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