愛する人と脳はシンクロする

男と女

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あなたは人と話をしていて、相手と心の底から分かり合えたと感じられることってありますか?

そんな時、「心が通じ合った」とか「心が一つになった」なんていう表現をよく使いますよね。

日常的に使われるこうした言葉の中には、出会った2人の「波長が合う」経験を表現する言い回しが多くあります。でも、これは単なる言葉のアヤで、詩的な表現に過ぎないと思われる人も多いことでしょう。

科学的にものを考える人ならば、人間の脳が他人の脳と文字通り「波長を合わせる」ことなどあり得ないと考えるのが普通かもしれません。ところが実は、そう考える人もあっと驚くような研究結果があるのです。

プリンストン大学の神経科学者ウリ・ハッソン博士はある時、MRI装置を用いて、日常活動を行っている人々の脳の中を覗いてみました。映画を観るとか、過去に嬉しかったことや悲しかったことを友人と話す、など感情の変化を生じやすい活動を選んで観察してみた結果、一体何がわかったのでしょう?

 





 

■私たちの脳はまるで無線LAN■

ハッソン博士の研究では、2人の人間が深いところで心を通わせた時に起こる驚くべき現象が明らかになったのです。この研究によると、心の底から共感している人間同士では、脳の活動が文字通り、鏡で映したようにシンクロするというのです。

研究チームが、「過去に最悪だった出来事」を語る人と、その話を聞く人の脳をスキャンしたところ、2人の脳のスキャン画像は驚くほどそっくり似ていることがわかったのです。

話を語るのと聞くのは言うまでもなく全く異なる脳の機能です。さらに興味深いことに、スキャン後の面談で測定したお互いの共感度が高ければ高いほど、お互いが「通じ合う」程度も高まったのです。つまり、脳のスキャン画像がより近くなったと言うことです。

人は誰かと話をした時、「心が通じ合った」と感じる時もあれば、「言いたいことが通じない」と、もどかしく感じる時もあります。しかし、お互いを心から理解し合えた時には、時間の経過と共に脳の反応がまるで鏡に写したかのようにそっくり似てくるのです。

つまりは、私たちの脳はまるで無線LANのごとく、離れた空間にあっても互いに同じ情報や感情をやりとりし、共鳴し合えるということになります。

 

■男女の間に友情は成立するか?■

この現象が起きる仕組みや理由はまだわかってはいません。しかし、この研究結果は、人間が長年にわたり本能的に気付いていた実感を事実として裏付けるものです。これによって、誰かと「波長が合う」という感覚は実際に存在することが科学的に証明されたと言えるでしょう。

若い頃、友人とよく話したテーマに「男と女の間には友情が成立するか」というのがあります。

友人は決まって「男女の間に友情などありえない。必ず恋愛感情が入って、結果、お互いズタボロになって壊れる」と結論し、私は「男女の間にも友情はありえる。もともと人間は性差のない一つの命から別れて男と女になったもので、その原点にたちかえれば、異性であっても恋愛感情よりももっと深い友愛で共鳴し合える」と結論したものでした。

この議論の結末が、どういうものだったかは覚えていませんが、数学的に言えば、基本的に人には好みの異性と好みでない異性があるから、知り合いのすべての異性に対して恋愛感情を抱くことはないでしょう。特にものすごく好きな異性がいて、夢中になっている状況下では、他の異性のことは視野に入ってこないものです。

けれど、人間の気持ちは大きく揺れ動くものだから、失恋したあと、友人だった異性に対して恋愛感情を抱くようになることもあるでしょう。脳科学の観点からいえば、脳が思考するより先に反応することによって、感情が芽生えるということだから、何らかのきっかけで、ドキッとする瞬間が起これば、今まで気になっていなかった相手が、急に好きになっていくことだってありえます。

行動学的にいえば、もし人間の社会で友情が成立せず、恋愛感情ばかりになってしまった場合、この社会は当然のごとく一夫多妻制になってしまい、力が強くて性的欲求の強い男性ばかりが女性を多くめとることになり、婚姻関係はかなり複雑になってしまいます。けれども、そのような社会になっていないところをみれば、男女間においても、友情はかなり幅広く存在しているということにならないでしょうか。

 

■シンクロし合う脳は喜びを増幅する■

いずれにしても、男女間の友情においても、親しみを感じる相手とは波長も合って、きっと脳の活動が鏡のようにシンクロしているのは間違いありません。

けれども日頃、出会う人の中には、どんなに努力しても波長が合わない人というのはいるものです。で、波長が合わない人と一緒に無理して行動すると、どうもちぐはぐになってうまくいかない。

波長が合う人との関係を思い返してみると、案外それらの人々が自分と同じ感覚の持ち主だとは限りません。むしろ自分にない側面をたくさん持っているのに気が合って、一緒にいると妙に楽しいという感じだったりするものです。同性の場合は、そういう人に出会ったなら、それは生涯の友となるし、異性の場合は友情から愛情へと発展することだってあるでしょう。

何れにしても、波長が合う人とは、話をしていると会話がものすごく弾んで喜びが重なっていくような関係ができあがります。きっとそんな時、互いの脳はシンクロし合っているんですね。

 

■相手と脳をシンクロさせるには■

では、どうすればそんな風に他者と互いの脳をシンクロさせられるようになるのか?

それには、本質以上に自分自身をかっこよく見せようとせず、無理なミエを張らず、意地も張らず、自然体で自分を出せるような生き方をしていれば、自然と波長の合う人との出会いやシンクロは起こる。そんな気がします。

あと、出会った相手に対してどれだけ素直に心を開いて接することができるのか、それが最も大切だと思います。当然、人間同士のつき合いにおいて、相手に対する興味や深い問いかけ、豊かな視点を持っていなければ会話というのは弾まないものです。充実した会話を素直に交わすことができれば、どんな出会いだって新鮮なものへと変わります。

人の言葉というものは、そこに様々な気持ちが、複雑に重なっているものです。波長が合い、脳が互いにシンクロし合うということは、相手の言葉を深く読み込み合って、そういった人間の心の重なりや感情が重なり合い、結び合うことなのかもしれません。

 

■脳波同調と同期現象■

前述したウリ・ホッサン博士は、あの有名なトークイベント「TED」で実験についてこう語っています。

博士の実験では、被験者たちは話し手の話に集中し、全ての聞き手の反応は話し手の脳波とても似通った信号となって現れました。この現象を「脳波同調」と言います。

例えば、5つのメトロノームがあったとして、これを5つの脳だと考えて下さい。 話を始める前の聞き手と同様に、メトロノームはカチカチと振れていますがタイミングは合っていません。

次に2つの車輪を下において連動させます。すると、2つの車輪が揺れ始めます。この揺れによる振動が板全体に伝わって、やがて全てのメトロノームは同期し始め、5つがほぼ同じリズムでカチカチと音を鳴らすようになります。これが振子の「同期現象」と 呼ばれるものですが、人間の「脳波同調」も同じような結果を表すのです。

けれど博士曰く、メトロノームが同期するのは「音波」の力によるものだとして、人間が同調するのは「音」によるものではなく「伝える意味」に起因するのだとか。これは、私たち人間同士のコミュニケーション能力は、いかに共通の背景を持っているかに依存することを意味します。

 

■脳のシンクロは「対話」から始まる■

また、脳波が同調するということは、私たちが基本的な概念を理解する能力だけではなく、相手の未知なる背景をも理解しようという努力が求められるということでもあります。

「現在、この世界は、私たちが限られた数のメディアにマイクを自由に使わせ、一方的に私たちの考え方を操作しコントロールさせている」とハッソン博士は言います。これは、一部の国際金融マフィアによって私たちの社会が洗脳下にあることを示唆し、本来あるべき自然なコミュニケーションのカタチにはないということです。

本来あるべき自然なコミュニケーションが何かといえば、それは人と人とが向き合い、どちらかが一方的に話すのではなく、お互いが話し手であると同時に聞き手となり、ともに認識と新しいアイデアを共有しようと努めることです。それを「対話」と言い、実は脳のシンクロもそこから起こります。

結局、人間は他者とつながりたいという欲求を元々持っていて、そんな人間同士が自らを形成していくからです。 他の人の脳とつながりたい、同調したいという私たちの願いは、初期の人類すら持ち合わせていたとても基本的なことです。

 

■ハッソン博士のメッセージ■

ハッソン博士はTEDで、博士個人の私的な例を取り上げて、他者とつながることがいかに私たち自身を形成しているかということを説明しています。会場には博士の息子ジョナサンと奥様とのやりとりが映し出され、どんな風にして子供が母親との言葉遊びを展開していったかが示されます。

そこには他の人と呼応するという願望と単純な喜びがあるだけです。赤ちゃんは、私たち大人や、人生で出会う他の人々と連動できることで、将来の人格を形成していくのでしょう。そして、私たち自身も日常的に、人生において出会う他者との交流やつながりによって変化していくのです。

博士は最後にこう述べて締めくくりました。

「他人との連動を保ち、アイデアを広め続けて下さい。皆が連動することは、皆がバラバラでいることよりも、良い事であるからです」

 

この時、私も映像を見ながら、博士の言葉に心から深くうなずきました。

 

 

*「コミュニケーション中の脳の反応」ウリ・ハッソン博士

●TEDのサイトからハッソン博士の講義

 

 

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