昔からある言葉に「太る体質」「やせる体質」というのがあります。
「私は水を飲んでも太るのよ」とか、「いくら食べても太れない」とか、こうしたセリフをあなたも今までどこかで一度は耳にしたことがあるでしょう。あるいはあなた自身が発したことがあるかもしれません。
でも、「太る体質」というものは、本当に存在するのでしょうか?
残念ながら、それはまだ医学的には解明されてないようです。一般に、太る人は多く食べる習慣があるとか、カラダをあまり動かさないとか言います。確かにそういう人もいるにはいるでしょう。しかし、本来、運動によるエネルギー消費量なんていうものは想像以上に少ないのです。
では、何の差がこうした人間の、太る、やせるを分けているのでしょう?
・・・思うに、それは「ストレスに対する反応の差」なのではないでしょうか?
実際、太っている人には朗らかな印象の人が多く、小さなことで悩んだりしません。そして、社交的で人間関係も良い人が多いように思います。そんな性格のため、ストレスがたまりずらく、脳のエネルギー消費が人よりも少ないのではないでしょうか?
反対にやせている人には神経質な人が多く、クヨクヨ悩んだりして脳のエネルギー消費も多く、社交が苦手でストレスをまともに受ける傾向があるようです。もちろん全員が全員ではありませんが。
よく「やせの大食い」と言いますが、これは脳内でのエネルギー消費が人より大きいために、不足してしまった分を余計に食べる必要があって食べているとも考えられるのです。
この場合、何が脳内のエネルギー消費量を多くしていると思われますか?
・・・それは「ストレス」です。
一般にやせている人は感受性が鋭く、まともにストレスを受けるために想像をはるかに超えるエネルギーを脳内で消費していると考えられます。そのため、食べても食べても消費されてしまうため、その分を補おうとしてまた食べるというわけなのです。
では、多くの女性が中年以降、太ってしまうのはなぜでしょう?
中年になったからといって急に食欲が増したという話はあまり聞きません。むしろ、肥満を気にしてダイエットしたり、食べるのを控えたりする人の方が多いのではないでしょうか。
動かなくなるからだという人はいますが、多少それはあるとしても、先に述べたようにやはり運動によるエネルギー消費量というものは意外に少ないのです。だから一番の理由ではありません。
ではなぜ中年以降太るのかといえば、それはやはり「ストレスが少なくなる」からだと考えます。
子供が大きくなって手がかからなくなり、将来がそろそろ見えてきて、イライラしたってしょうがないことを悟り、でんと構えることができるようになるのが中年以降です。もうこうなると怖いものなし。脳内のエネルギー消費も無駄に使われることはありません。なのに食べる量が変わらなければ体重は増えていくばかりです。
昔から、お坊さんが山寺で修行に入ると、一日におかゆを茶碗1、2杯、それにみそ汁と漬物などの菜が少量だけの食事しか摂りません。これをカロリー計算すると、多めに見たとしてもせいぜい300~400カロリーにしかなりません。
しかし、お坊さんは座禅を組むだけでなく、寺や庭を掃除したり山中を駆け回ったりしてカラダを動かします。しかし、だからといってお坊さんはガリガリにやせることもなく、顔はつやつやして輝いています。
一般的には、人は寝たままの状態でも一日に1,300~1,500キロカロリーのエネルギーが必要とされています。これを基礎代謝量といいますが、これは心臓や肺を動かすエネルギー、および体温を維持するなど生きるための最低限のエネルギーということで、お坊さんのようにそれ以上の動きを求められる場合、カロリー計算が合わないことになります。
たしかに、運動に要するエネルギーは想像以上に少ないもので、例えば、ジョギングで4㎞走ったとしても、わずか200キロカロリーしか消費しません。これはビールを1本も飲めば約200キロカロリーですぐに元を取ってしまいます。運動してもやせない理由がまさにここにあるわけです。
お坊さんが山を駆け巡ったとしても、おそらく100~200キロカロリーもあれば十分かもしれません。しかし、残りのわずか200キロカロリーでやせもせずどうやって生きているのでしょう?
推測できることは、肺や心臓、体温維持などに必要な一日のエネルギーは、よほど過酷な状況下にない限り、せいぜい200~300キロカロリーくらいなもので、基礎代謝量といわれるエネルギーの大半は脳で消費されるものに違いありません。
お坊さんというのは、特に修行中は雑念を持ってはいけないとされます。それゆえ、雑念がほぼゼロに近く、脳での余計なエネルギー消費がないのではないかと思うのです。現に座禅中の脳波などは極端に静かで振幅が少ないことが医学的にも明らかにされています。
もしも、太る原因が、少ないストレスによるものだとすれば、そのような人はやせるためには極端に食べ物を減らす努力が必要となります。しかし、そこが大変なところで、食欲という魔物が邪魔をするのです。しかも、その食欲は、太りだすとますます強くなる傾向があるのです。脳の中の食欲中枢がそのような仕組みになっているからです。
よって、肥満の治療もこの食欲という魔物をいかにして退治できるかにかかっています。腹八分目さえなかなか通用しないのがこの暴走する食欲なのだから。
・・・しかし、改善点が全くないわけではありません。それは、できるだけゆっくり噛んで食べること。
食欲は退治することはできなくても、コントロールすることは可能です。それには、満腹中枢を刺激するまで、ゆっくり食べることが一番安全で、かつ確実なのです。ゆっくりと噛んで食べることにより、消化改善や歯やアゴの強化、食物の味を味わえるなどのプラスも見込めます。
そしてこれらのことは、そっくりそのままストレスの解消にもつながります。好きな食べ物を目の前にしても泰然自若として、ゆっくりと噛んで食べることのできるあなたは、まるで修行中の高僧のようではないですか。そうなれば、しめたもの。肥満とは無縁のスリムで精神性の高いあなたの出来上がりとなります。
この頃、体重計に乗るのが怖いというあなたは、ぜひゆっくり噛んで食べることをお試しください。
⭐️ 数々の失敗ダイエットを繰り返してきた作者。彼女が研究の果てに行き着いたのが「美人になったつもり」で生活をすることで自然とやせて行く方法。毎日の行動を「美人ならどうするか」に置き換えて実行することでやせるという魔法のようなダイエット。感動的なラストにあなたも涙を抑えきれないはず!
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