世の中には、とんでもなく良い働きをするにもかかわらず、世間様には迷惑がられる気の毒な植物というものが少なからず存在します。
・・・その筆頭がスギナ。
スギナはツクシの親で、古い文献にも肝臓病や糖尿病などに特効があるとされる植物です。にもかかわらず雑草扱いされ、庭に生えているのを見つけられては容赦なく引き抜かれ、踏みつけにされてしまいます。
ラベンダーを見て「わあ、きれい！」とか言って、ガソリンを燃やして遠く富良野までドライブに出かけ、ラベンダーの香油なんか買って大事そうに嗅いだりしちゃう人間が、スギナに対してはなぜこうも冷淡になれるのか。
神様はラベンダーにもスギナにも同じ量の愛を注いで創りたもうたはずなのに、私たち人間は自分に都合の良いレッテル貼って植物を選り好みしてしまうどうしようもない動物です。ホモサピエンスって「知恵のある人」という意味なのに、全くもって知恵がない。
スギナにそんな扱いをしてしまうのは、きっとスギナの素晴らしい薬効について私たちが知らないからに他なりません。さあ、これからみんなでスギナへの理解を深め、本当の知恵のある人間になろうではありませんか。
スギナがミネラルの王様であることを知る人はそう多くありません。
植物を選り好みしている私たち人間は、「ミネラルが豊富」と聞けば、すぐにほうれんそうをイメージし、スーパーで農薬まみれのそれを手にしてはお金を払ってありがたがる始末。
実は、ほうれんそうよりももっと優れたミネラルの隠れ王様がタダで手に入るにもかかわらず、です。
スギナは、ほうれんそうと比較するとリン、カリウムでは5倍、マグネシウムは3倍、カルシウムではなんと100倍~150倍!というミネラル豊富な植物なんです。私にはまるでカルシウムがスギナの姿を借りて地面に茂っているようにさえ思います。
そんなカルシウム含有量のやたらと多いスギナですが、カリウムの含有量も多い植物ゆえ、カリウムを制限する必要のある方は控えたほうが良いと思います。しかし、上手に用いれば、その薬効たるや目をみはるものがあるのも事実です。
スギナの効用をあげてみれば、ざっと次の通り。
●解熱
●利尿作用及び排毒作用
●咳を鎮める
●じん臓病・肝臓病・糖尿病予防
●潰瘍の予防及び改善
●がんの予防
●ナトリウム及びカリウム不足が原因の自律神経失調症
●むくみの改善
●アトピー性皮膚炎の改善
●高血圧予防
●老化予防
●便秘の解消
・・・いかがですが？
大したものでしょう。これはちょっとした万能薬ですよ。いかに優れた薬といえどもこれほどまでに多岐にわたって効果を発揮する植物ってそうそうないと思いませんか？
・・・でもね、まだお伝えしていないスギナの薬効というのがあるのです。それが、カラダの中にできた「石」を排出してくれること！
例えば、あなたの周りで胆石や腎臓結石で苦しんでいる人を見かけたことはありませんか？
私たちのカラダは食べ物から丈夫な骨を作って、健康を支えてもくれますが、逆に不必要な石をこさえて耐え難い痛みをもたらすこともあるのです。
カラダの一部に石がたまるのは血液の機能が正常でないことを示しています。血液が酸毒化すると本来不必要な老廃物を体外に運び去ることができなくなり、細胞の収縮が緩慢になって、排出すべき石灰石や蓚酸などのカスを体内に溜めてしまうのです。
これらが胆石や腎臓結石などと呼ばれるもとになります。ではなぜこうした要らない石が作られ、溜まっていくのかといえば、白砂糖食品や食品添加物入りの加工食品、動物性たんぱく食品の過食が原因となります。
胆石は小さいものだと砂つぶみたいに何千個もでき、大きいものだとうずらの卵大のものまであります。
胆石の自覚症状としては右肋骨下の強烈な痛みが特徴で、右肩や右背中に響く痛みとともに黄色い水を吐いたり、寒気を感じた後に発熱と黄ダン症状が出たりします。
特別生命にかかわるというわけではありませんが、その痛みたるや大変なもの。痛みが全身に及んだり、肝炎になったり、発作が頻繁に起こるようなら外科手術ということになります。しかし手術も一時的な対処法であって、根本から治すにはそうした石を作るような食事を改め、食物を正しく切り替えて血液の機能を正常にすることが大切です。
では、スギナがそうした石を排出するのに効果があるとして、どのように用いれば良いのでしょう？
それはお茶にして煎じて飲むことです。次にお茶の作り方と飲み方についてご説明します。
方法はいたって簡単！外へ出てスギナを摘んで持って帰ります。でも、ワンちゃんの散歩コースに生えているスギナや化学工場周辺の土壌が汚染された地域に生えているものは論外です。本当に清潔なものを求めるなら、人里離れた山の中に自生しているものが望ましいのは言うまでもありません。
で、摘んで帰ったなら以下のプロセスでスギナ茶の出来上がり。
①スギナを摘んで天日に干して乾燥させる。
②乾燥したスギナをハサミで細かくカットする。
③フライパンでスギナを軽く煎る。
④やかん（土瓶だとなお良い）に250ccの水を入れる。
⑤煎ったスギナを3つまみほど入れて煮立てる。
⑥1分ほどそのまま煮立て、火を止めたら2分ほど蒸らす。
⑦できるだけ温かいうちに飲み干す。
＊朝食の30分〜１時間前に飲むこと。
食事中や食後に飲んでしまうと、スギナのタンニンが化学反応を起こして、 鉄を排出しやすくなります。また、ビタミン・ミネラルの吸収効率は朝が良いとされます。なので食前に飲むこと。
＊スギナ茶単独で飲むこと。
スギナ茶以外の食品と一緒に摂ってしまうと、食品中の添加物とカルシウムなどのミネラル類が化学反応を起こして不溶物をつくりスギナ茶の効果が半減します。
＊3か月間は毎日飲むこと。
徐々に代謝が良くなっていくのをカラダで感じられるはずです。まずは毎日休まず続けてみることです。
＊排毒症状に驚かないこと。
スギナ茶を飲み進めると稀に湿疹が出る場合があります。しかし、これはカラダの中の老廃物や不要物を排出するための好転反応であることが少なくありません。よほどのことがない限りは焦らず飲み続けてみましょう。
＊一日１回で十分。飲みすぎないこと。
いくら栄養満点でカラダに良いスギナといっても摂り過ぎはよくありません。適正な量というのがあります。それが朝1回のスギナ茶。
＊妊婦さんや子供は飲まないこと。
健康な人が飲むのは心配いりませんが、スギナにはチアミナーゼが含まれます。長期にわたって大量に摂取するとチアミン（ビタミンB1）欠乏症になる恐れがあります。ビタミンB1は、糖代謝に欠かせないビタミンゆえ欠乏するとエネルギーが上手く使えずに疲労感やイライラがでやすくなります。
また、微量ながらニコチンも含まれています。なので、妊婦さんや子供は飲まない方が良いでしょう。天然の植物由来は安全という思い込みがありますが、特徴を知った上で取り入れて行くことが大切です。
いかがでしたか？
スギナ、なかなかあなどれない薬草でしょう。中国ではすでに4000年以上前から薬草として用いられたり、ヨーロッパの自然医学でもガンの患者さんに多用されています。
お茶を作るまでが面倒という人は、乾燥させたものをすりつぶし、粉末にして自然塩を混ぜ、ふりかけにしてご飯にかけるという手もあります。また、スギナ100gを一晩水につけてそれを沸騰させたものを風呂に注いで半身浴する薬湯としての用い方もあります。
あなたも何か新しいスギナの利用法を見つけたら私にご一報ください。一緒にホモサピエンスの進化を加速しましょう！
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