前回、梅醤番茶と梅醤葛についてお伝えしましたが、今日、ある女性のクライアントさんから「梅」に関する嬉しいご報告をいただいたので、皆さんにもお伝えしたいと思います。
そのクライアントさんは、札幌出身で関東圏に暮らす新米ママさん。今年出産して初めての育児を経験したのだけれど、ずっと赤ちゃんを抱っこしていて、突然、腰が痛くなりカラダを少しも前に倒せなくなって、急遽、赤ちゃんを連れて実家に里帰り。1ヶ月間いろいろなところで治療を受けるもさっぱり改善しないとのことで、お友達の紹介でうちの治療院へ。
骨盤上部の筋肉の緊張が顕著で、それを丁寧に緩めた結果、数回の治療でかなり前屈ができるようになりました。そんな彼女がある時こう言いました。
「この頃、うちの子、ずっと下痢が続いていてオムツかぶれがひどいんです。それで、1日何回も抱っこしてお風呂場でお尻を洗っているうちに、せっかく良くなってきた腰にまた負担がかかるんです。何か良い方法ありませんか?」
「そもそも、それは子供さんの下痢を治さなきゃいけないね」
私はそう言って、「あるもの」をクライアントさんにすすめたのですが、さて、その「あるもの」とは一体何でしょう?
・・・そう。それが「梅」なのです。
赤ちゃんが下痢をするのは、お腹が冷えているか、カラダが陰性に傾いて緩んでいるはずだから、陽性に向けて締めてやれば良くなるはずです。そこでクライアントさんには「梅肉エキスか梅干しを少量お子さんに与えてみると良いですよ」とアドバイスしました。
そして、今日、治療にみえられたクライアントさんが興奮気味に報告してくれました。
「先生、梅干しってすごいですね!!息子の下痢が今まで毎日1日7回とかあったのが、梅干しを離乳食に混ぜて食べさせたら、いきなり1回に減っちゃったんです!食べ物ってこんなにすごいんですね!私、魔法かと思っちゃった!」
いえ、いえ。魔法なんかじゃありません。
人間のカラダというものは、バランスさえ整えれば、ちゃんと健やかに働けるようにつくられているのです。不調というのは、私たちに何かしらのアンバランスを知らせるサインなのです。
梅の効用については前回お伝えしたので繰り返しませんが、クライアントさんには甘みの入っていない昔ながらの伝統的な製法の梅干しを与えるようにと伝えました。それで彼女は、ちゃんと自然食品店で手に入れた梅と塩とシソだけで作られた梅干しをおかゆに混ぜて赤ちゃんに与えられたそうです。
すると、赤ちゃんの下痢が激減し、ウンチが正常になって、抱えてお尻を洗うこともなくなり、腰も楽だとのこと。でも、その変化があまりに劇的だったので、嬉しくてしょうがないといった様子です。私は喜ぶ彼女にこう言いました。
「キッチンは医局です。家族の食事を司る女性は、名医にも殺人鬼にもなれますよ。良い食べ物を提供すれば、家族はいつも健康で子育てだって楽ちんです。逆に良くない食べ物を選んで毎日与え続ければ、家族をじわじわと病気にすることだってできます。ご主人に高い保険金をかけてあの世に送り込むことだってできるのです。でも、遺体から毒薬が検出されるわけではないので完全犯罪だって可能です」
ちょっとブラックなたとえですが、半分は真実です。女性には「家族の食事を司る自分は家庭のお医者さん」という自覚を持っていただきたいと思います。食べ物一つで家族はずいぶんと元気に暮らせますし、ご自身の健康だってちゃんとコントロールできるのです。
もちろん、力の及ばぬ時はお医者さんや病院のお世話になるべきですが、日々の食事や暮らし方で大きな病気になるのを防いだり、不調を改善させていくのは難しいことではありません。
その後、新米ママさんには、夏バテを防ぐための梅醤番茶と梅肉エキスの作り方を教えてあげました。
ところで、梅肉エキスってご存知ですか?
これは梅の果汁をじっくり煮詰めて作るもので青梅1kgから、約20gしか出来ません。 梅の有効成分やミネラル分が濃縮されていて、同量の梅干しに比べると30倍以上の有効成分が含まれています。昔から日本では、各家庭でお母さんが作っては家族の健康のために活用してきた伝統的な家庭薬です。
梅肉エキスは非常に殺菌力が強いので清潔に使えば、何年経っても腐らずに食べられます。わが家も妻が手作りしていて3年前に作ったものを大事に今でも使っています。3人の子供たちもこれで育ててきました。
血流改善効果が高い上、疲労回復効果・食中毒予防・胃がん予防・抗酸化作用・インフルエンザ感染予防・カルシウム吸収促進効果・肥満抑制効果など数かぎりない効能があります。細菌性の夏の腹痛なら、これさえあればピタリと治ります。
市販品もありますが、時間があったら手作りされると良いです。青梅を使うのでもう時期的には遅いですが、作り方をお教えしますので、来年はぜひご自分で作ってみてください。
①青梅を洗い、水気をふき取る。
②竹串でヘタを取りのぞく。
③青梅をおろし器ですりおろす。*金属製でなく陶器製が良いです。
④もめん袋を重ねて、すりおろした青梅を入れ、汁をしっかりしぼり出す。
⑤しぼった果汁を鍋に入れて火にかけ、煮立ったら弱火にし、かき混ぜながら煮詰める。
⑥アクが鍋の内側についたら、しゃもじですくい取る。
*アクを取ることで苦味や渋味がなくなり、澄んだ黒色の梅肉エキスができます。
⑦さらにかき混ぜながら煮詰め、泡だらけになったら火を止め、あら熱を取る。
⑧糸を引く位の固さになったら、容器に移し自然に冷まして出来上がり。
赤ちゃんの下痢が改善されたのをきっかけに、食べ物の効能に目覚めたクライアントさん。赤ちゃんのために購入した昔ながらの甘くない梅干しも「しみじみ美味しく感じた」と言います。ここ数年、梅干しなんて忘れていて口にしたことがなかったそうです。
「梅って本当にすごいですね!梅醤番茶も梅肉エキスも作ってみます!」
目をキラキラさせて、家庭のお医者さんに目覚めた様子が見て取れました。腰もずいぶん良くなって、前にかがんでも手が床にぴったり着くようになりました。お盆頃までに腰が治ったらご主人の待つご自宅に帰りたいと言っていましたが、どうやらそれも叶いそうです。
戦後、この国は急速に欧米化してしまったけれど、日本には先人たちが暮らしの中から生み出した知恵がいっぱいあるのです。私たちが子供の頃、世のすべてのお母さんは、愛するわが子をおんぶひもで背中におぶって日常の家事労働をこなしていました。私もかすかに記憶があります。母の背にゆられているあの安心感と気持ち良さ。
しかし、最近のお母さんたちは、スリングやベビーラップで前抱きしている人がほとんどで、おんぶしている人は見かけません。たぶん、おんぶだと所帯染みて見えるとかファッション的な理由でそうするのでしょうが、治療家の私からすると、前抱きはおすすめできません。
前向き抱っこをすると重心が前方に移動するので、使用者は腰を反るような姿勢を続けがち。これは確実に腰痛の原因になります。今回のクライアントさんもこのケースで、最近、こうした若いお母さんの腰痛が増えています。
時代は変わっていきますが、必ずしもすべてにおいて新しいものが良いわけではありません。伝統的なものは、理由があって長く伝えられてきたのです。食べ物しかり、暮らし方もしかり。
そんな先人が大切にしてきた伝統をこれから次の時代の人たちに伝え、手渡してゆくのが自分たちの役割なのだな、クライアントさんとのやり取りからそう自覚したひと時でした。
これをお読みの新米ママさんのあなた!
ぜひ、「梅肉エキス」も「おんぶひも」も、今一度見直してみてくださいね。それらは、この国のご先祖様たちが私たちに伝えてくれた大いなる宝物なのですから。
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