さて、前回は前屈すると痛む腰痛の調整法についてお伝えしたわけですが、今回はその反対、「後屈すると痛む腰痛の調整法」ついてお話ししたいと思います。
前回もお伝えしましたように、「腰痛」と一口に言っても、その原因や痛みが現れるパターンというのはいくつかあり、決して一様ではありません。そこをしっかり把握できていなければ改善がなかなか見込めないということは多々あります。
今回は、前屈だとなんでもないのに後ろに反らすと辛い腰痛のケース、また、前屈は楽なのに後ろには反れない、反る可動域が少ないといった状態の方にもぜひ知って頂きたい内容です。
あなたもその場で立ってみて、腰を後ろに反らしてみて下さい。痛みを感じたり、うまく反れなかったりしませんか?
そもそも、後ろに反らすと痛いのはなぜでしょう?
分析すれば、反らすと痛む状態は、お腹側の筋肉が伸びない状態、もしくは、その体勢を維持する力が弱くなっていることが原因と考えられます。
腹直筋、腹斜筋、腹横筋、腸腰筋など腰回りを支える筋肉に長く疲労が蓄積されると、腹筋群や腸腰筋が正常な状態よりも緊張が増して縮んでしまいます。それによって腰が丸まり、腰椎に上下からの圧力がかかり、次第に骨と骨の間の幅が狭くなってきます。その結果、椎間板が圧迫され、神経に刺激が加わるため、痛みを過剰に感じるようになるのです。
例えば、仕事などでデスクワークが続いたとします。一般的にデスクワークは股間節が曲がったままに固定され、さらに座り姿勢が悪ければ、猫背になります。そうすると、腹筋は縮んだまま固定してしまうのです。
前かがみの姿勢が続いた場合も同じような問題が起こります。腸腰筋という背骨を前側で支える筋肉が、作業姿勢を維持しようとするために、かなり力が入ってしまうのです。それゆえ、長時間、猫背や前かがみの状態が続けば、少しずつ筋肉は緊張して縮んだ状態が当たり前になってしまいます。
下腹部がポッコリと出ている人は、腹筋が弱って締りがない状態です。これでは内臓も下がり、当然、胃腸の調子も悪くなります。また、その反対に腹筋が張り、体温も下がってきます。
では、そんなタイプの腰痛をどうすれば改善できるのでしょう?そのためのチェック法と調整法をお話しします。
①立った状態から後屈してみて痛みの程度を観察
動きの範囲や反り具合、痛みの程度を覚えておきます。
②腰を左右に捻ってみて痛みの程度を観察
左右に腰を捻って、可動域や痛みの程度を確認します。左右どちらが捻りにくいでしょう?
可動域の小さい側、痛みの強い側を「問題側」とします。
左右片側ずつ、肋骨と骨盤の間にある腹斜筋を片手で掴み、問題側に捻ってみましょう。腹斜筋はお腹の正面ではなくてどちらかといえばお腹の横にある筋肉です。また、腹斜筋は外腹斜筋と内腹斜筋の2層の筋肉で構成されています。正面ではなく横にある筋肉なので脇腹をしめつけコルセットやさらしのような働きをしてくれます。
その腹斜筋の左右どちらを掴んだ時に楽に捻られるかを観察します。腹斜筋は強く掴みすぎると滑って逃げてしまいますから、軽く押さえる程度にキープして捻るのがポイントです。
この動作を2~3回繰り返し、その終、再び後屈をチェックしてみます。すると、あら不思議!うまく調整できていれば、驚くほど後屈が楽にでき、痛みがかなり減っているはずです。さらにこの後、反対側の腹斜筋に対しても同じように操作を繰り返します。
世の中のすべてのことは、皆、バランスで成り立っています。不快な症状や痛みというものも、決して悪いものではなくて、アンバランスを知らせてくれる大切なサインなのです。それを理解してうまくバランスすることができれば、自ずと不快感や痛みも軽減、もしくは消失していくのです。
なお、腰を左右に側屈したり、捻った時の調整法については、またの機会にお話ししますね。
「肉づき」に「要」と書いて「腰」。確かに腰はすべての動作の要になります。どうぞ、あなたの腰を大切に、ね。
⭐️ 著者のロビン・マッケンジーは、この画期的な腰痛改善法を開発し、世界27ヵ国に支部を持つ国際マッケンジー協会の設立者。世界で実証されたマッケンジーエクササイズで、あなたも長年苦しめられてきた腰痛から自由になりませんか?
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