ヘッドホン難聴に気をつけて!

耳について

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この頃気になることのひとつに、ヘッドホンやイヤホンをつけながら歩いている若者が多いことがあります。

携帯音楽プレーヤーの普及で、いつでもどこでも誰もが高音質な音楽を聴けるようになりました。でも、聴き方に気をつけなければ、難聴になる恐れがあることをご存知ですか?

その名も「ヘッドホン難聴」。これは、自分でも気づかないうちに進行していることが多く、一度重症化してしまうと回復は難しくなる怖い病気です。

 




■世界の若者11億人に難聴の危険■

今、若い世代を中心に、ヘッドホン難聴が増えているといわれています。WHO(世界保健機関)が、衝撃的な発表をしました。世界の中高所得国に住む12~35歳の若者のうち、半数近くがヘッドホン難聴の危険にさらされているというのです。その数はなんと約11億人。さらにクラブなどでの大音量で難聴になる危険がある若者の割合も約40%に及ぶそうで、「若者は聴力をいったん失えば二度と回復しないことを肝に銘じる必要がある」と厳しい言葉で警告しています。

原因はいろいろ考えられますが、大音量に長時間さらされていると起こる難聴に「騒音性難聴」といわれるものがあり、ヘッドホン難聴もそのひとつとして分類されます。よく、ロックコンサートの後、一時的に耳がジーンとして聴こえが悪くなることがありますよね、それが治らなくなった状態がヘッドホン難聴なのです。

耳は音の大きさだけでなく、音を発しているものまでの距離が近いほど聴覚にダメージを受けやすいため、特にヘッドホンやイヤホンを長時間使っていると難聴を起こしやすいのです。

音は空気が振動することで伝わるが、その振動を感じ取って脳に信号を伝えるのが、耳の奥にある蝸牛(かぎゅう)の細胞です。大きな音に長い時間さらされるとこの細胞が傷つき死んでしまい、難聴が起こります。現在、死んだ細胞を再生させる治療法はなく、正常な聴力を維持するには予防しかないのです。

 

■こんな症状ありませんか?■

個人差はありますが、毎日のようにヘッドホンやイヤホンで音楽を長時間聴いている方は、ヘッドホン難聴の危険があります。もし次にあげる症状で思い当たるものが3つ以上あったら、気をつけて下さい。

 

●音楽を聴いている時や後に耳鳴りがする

●耳の奥に痛みや頭痛を感じる時がある

●耳が詰まる感じがする

●右と左で、聴こえ方が違う

●会話が聴き取りづらい

●聴力が落ちてきた

 

ヘッドホン難聴の症状は、はじめは音楽を聴いている時や後に出ます。最初は聴きづらくなるのは高音だけで、会話にはほとんど影響ありません。というのも、初期症状は高い周波数の領域で発生するからです。しかし、そのまま症状が進行すると、会話など低い周波数でも症状が出始め、徐々に日常生活に影響をおよぼします。気づかないまま進行してしまうのが、ヘッドホン難聴の怖いところです。特に、会話が聴き取りづらくなったとか、聴力が落ちてきた気がするというのは、症状が進行したとても危険な状態なのです。

 

■ヘッドホンの性能はすでに基準越え■

WHOによると、危険なレベルの音量とは、自動車の騒音(85dB=デシベル)から地下鉄による騒音(100dB)に相当すると言いいます。そして、生活騒音の許容基準を次のように示しています。

 

●騒音レベルと1日当たりの許容基準

航空機のエンジン音(130dB)1秒未満
雷(125dB)3秒
音楽コンサート(115dB)28秒
ドライヤー(100dB)15分
オートバイ(95dB)47分
自動車(85dB)8時間

 

日常私たちが使う、掃除機(75dB)、洗濯機(70dB)、エアコン(65dB)、また普通の話し声(60dB)は許容範囲以内なので基準はありません。

ちなみにイヤホンやヘッドホンは、最大出力で100dB〜120dBもの性能があります。電車や地下鉄の中などで周囲がうるさいからと音楽のボリュームを上げすぎると、先にあげた許容基準をすぐにオーバーしてしまうわけなのです。

WHOは、スマホやオーディオ機器での音楽鑑賞は聴力を守るためは「1日1時間以内」に控えるべきとの指針を発表しています。さらにはコンサートや音楽フェスなどのイベントでは耳栓を使い、ヘッドホンやイヤホンはボリュームを上げなくてもよく聴こえるノイズキャンセリング機能付きのものを使うように勧めています。

 

■難聴から認知症の危険■

難聴は人とのコミュニケーションに支障を与えてしまいます。特に高齢者では、周囲への無関心や社会的孤立にも繋がりやすいもの。けれど、さらに怖いのは、難聴により認知症のリスクが高くなってしまうことなのです。

米国立加齢研究所(NIA)が2011年に発表した研究報告によれば、認知症と診断されていない36〜90歳の男女639人を対象に、1990年から4年間にわたり認知力と聴力検査を実施し、その後2008年まで追跡調査を行い、難聴と認知症やアルツハイマー病との関連性について調べました。

その結果、125人の被験者が「軽度」、53人が「中等度」、6人が「重度」の難聴と診断されました。最終的には58例が認知症を発症し、うち37例はアルツハイマー型認知症でした。

試験開始時に軽度の難聴があった人では、認知症のリスクは正常な人の1.89倍になりました。中等度の難聴がある場合、リスクは3.00倍、高度の難聴がある場合、リスクはなんと4.94倍に跳ね上がりました。アルツハイマー型認知症でも、難聴の程度が10dB増加するごとにリスクは1.20倍になったと言います。

この研究結果は、難聴と加齢に伴う認知力低下との間に深い関係があることを示しています。元気に老いるためには、耳の健康年齢も若く保つことが大切です。

 

■どうすれば防げるか?4つのポイント■

では、どのようにすればヘッドホン難聴を防ぐことができるのでしょう?実は、それほど難しいことではありません。普段の暮らしの中で次のことに気をつけるのです。

 

①適度な音量で聴く

100dbの音を15分以上聴くと許容基準値を超えてしまいます。ではどれくらいの音なら良いのかというと、65db程度の音。これは人と会話する時くらいの音です。

 

②耳を休ませる

ヘッドホンの連続使用が耳の疲労と老化を加速します。ヘッドホンで音楽を聴いたら、その3倍の時間の休息をとることが必要です。

 

③疲労時は聴かない

疲れている時は、難聴への影響が大きくなります。疲労やストレス、睡眠不足を感じた時には、音量も普段よりレベルを下げて、聴く時間もできるだけ控えるようにましょう。

 

④ヘッドホンを選ぶ

ヘッドホンの選び方も大切です。少々お値段ははりますが、お勧めは「ノイズキャンセリング」という機能がついたヘッドホン。これだと周りの騒音を抑えてくれます。難聴気味の方には、骨伝導といって、骨に振動を送り音を伝えてくれるヘッドホンもあります。

 

あと、これに加えて、食養生の観点から言えば、「食べ過ぎ」が難聴の原因になると考えます。腹八分目は耳の健康についても真理だと思います。以前も記事にしたことがありますので興味のある方はお読み下さい。↓

*「難聴を防ぐには」

 

■耳は自然からのギフトです■

老化は、一般的に20代から30代以降に起こると言われ、真の原因は、はっきりとは分かっていません。難聴もまた老化からくる場合があります。ヘッドホンを長期にわたって大音量で使用することは耳の老化を早めることに他なりません。

いずれにしても老化というものは、自然の摂理であらがうことができないものです。でも、もしその進行を遅らせることができるならどんなに素晴らしいでしょう。耳について知り、日々の暮らしを気をつけてみることでそれは可能になるのです。

特に、感覚器に関わるものは、人生の喜びや楽しみと直接関係してくるので予防が可能であれば、これほど嬉しいことはありません。耳は自然が私たちに与えてくれたかけがえのないギフトです。

あなたの耳がいつまでも健康で、この世の美しい音を聴き分けることができますように。どうぞお耳を大切に。

 

 

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