春の寝違えの治し方

春は期待に胸ふくらませる季節。・・・なのに首が痛む、なんてことありませんか？

季節の変わり目というのは、何かと心身に変調をきたしやすいもの。肩こり、ギックリ腰、頭痛、だるさ、疲れが取れないなどなど・・・嫌な症状で、案外、鬱陶しい思いで過ごされている方もあるもの。

中でもこの時期、治療院を訪れるクライアントさんに多いのが「寝違え」で来られる方。

温かくなったと思ったら、また急に寒くなったり、気温差が激しいために急激な気温変化にカラダの機能を維持するのが困難になり、体調不良を引き起こしてしまうのですが、複数の症状が重なって現れることも多いです。最初は肩コリ・だるさが現れ、翌朝、首を寝違えてしまった、なんていうパターンです。

不意に動かすと痛い。ちっとした振動も首に響く。嫌なもんですよね。そんな鬱陶しい寝違いを自分で治す方法なんてあるのでしょうか？

・・・それがあるんです。今回はそんな寝違えを自分で治す方法についてお話しします。

寝違えた時の対処法として、やってしまいがちなのが、患部を直接マッサージすること。でも、ちょっと待って下さい。これってあまり良くないことなのです。炎症を起こしているかも知れない部位をさらにマッサージしてしまうことは、傷口に塩をすり込むのに等しい行為。よけいに悪くしてしまう場合が多いのです。

そもそも寝違えの多くは、寝ている間に、脇の内側を通る「腋窩（えきか）神経」が圧迫されて起こるのが原因だったりもします。腋窩神経は首を支える筋肉に繋がっているので、神経が圧迫を受け、血行不良で筋肉に栄養が回らなくなると首に痛みが現れます。

問題が現れている場所と原因となる場所が異なっているということなのです。原因を見ずして現象をどうにかしようというのは、「森を見ずして木を見る」ようなもの。根本解決にはなりません。

もちろん患部に冷湿布を貼ったり消炎剤を塗るのは、気持ちも紛れ、楽になった気になりますがあくまでも対症療法。神経圧迫からくる寝違えは根本を改善しなければなかなか良くなりません。なので、体操に入る前に、しばし森を見てみましょう。

そもそも、寝ていて神経を圧迫することは毎日あることなのに、なぜ寝違いに至ってしまうのかと考えた時、そこには理由があります。

東洋医学的には、春先は腎臓のエネルギーがが低下し、体内の水分やミネラルバランスを保ちにくくしてしまいます。血液中には各種のミネラル（電解質）が存在し、筋肉の弛緩や緊張をコントロールしてくれているのですが、汗や尿などの水分排出がうまくいかないと、過剰にこのミネラルがカラダの外に流出して、ミネラルバランスが偏り、筋肉の引きつりを起こし易くするのです。

乱れた生活のリズムや食生活がこれに拍車をかけます。次にあげることが当てはまるようなら、あなたも明日、寝違いを起こす可能性がありますから要チェック！

●この頃、カラダに疲れがたまっていると感じる。

●寝不足が続いている。

●食べ物の好き嫌いが多い。肉は好きでも野菜は嫌い。

●水分をあまりとらない。

●年中、冷えを感じている。

これらに加え、毎日アルコールを取っている人も要注意です。アルコールを解毒、分解するのは主に肝臓で行われますが、実はこの肝臓のエネルギーが筋肉・腱・靭帯の状態をコントロールしていると東洋医学的には考えるのです。ゆえに飲みすぎて肝臓が疲れている状態も寝違えを引き起こす原因となります。実際、寝違えで来院されたクライアントさんに「この頃、飲みすぎていませんか？」とお訊きすると、「実は、昨日、飲み会でたっぷり飲みました」という答えが返ってくることが思いのほか多いのです。

こうした寝違いに至るバックグラウンドを知ることが、「森を見る」ことにつながるのです。それを踏まえた上で、根本解決に至る道をお伝えしたいと思います。それが次にお伝えする体操です。

脇の下の圧迫を受けた神経を開放し、血行改善を目指す体操。そんなに難しいものではないので、あなたも覚えて未来の寝違えのために（笑）準備しておきましょう！

①リラックスして両腕を下ろしておく。

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