節分と東洋医学

二十四節気

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本日は節分であります。皆さんは、もう豆まきは済ませられましたか?

本来、節分は「四季を分ける節目の日」のこと。立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれ前日のことで、もともとは1年に4回ありました。中でも大寒の最終日である立春は、厳しい冬が明けて草木が芽吹く1年の始まりとして重視されたことから、立春前日がいわゆる「節分」として定着したのです。つまりは、節分は1年が始まる前の日で、言ってみれば「大晦日」に相当する日といえるのです。





 

■中国から伝わってきた節分の儀式■

季節の変わり目というのはどうしても体調を崩しやすいもの。昔から季節の変わり目には鬼=邪気が生じるといわれていて、平安時代の宮中では、節分に陰陽師(おんみょうじ)により旧年の鬼(厄)をはらう「追儺(ついな)式」がとり行われていました。

こうした儀式はまたの名を「鬼やらい」ともいわれ、もともと中国で大晦日に行われていた儀式が7世紀頃に日本に入ってきたようで、現在有名な京都の吉田神社では、仮面をかぶった鬼を陰陽師が祭文を読み上げて追いはらう追儺式が行われています。

 

■豆は魔目に通じる?■

そもそもの豆まきの由来は、平安時代に京都の鞍馬山の鬼が町を荒らしにやってきた際、毘沙門天のお告げによって、炒り大豆を鬼の目に投げつけたところ、鬼を退治できたという逸話がもとになっているようです。鬼の目=「魔目(まめ)」に豆を投げることは、魔を滅する=「魔滅(まめ)」に通じ、豆を炒ることは「魔を射る」につながると考えられたのです。なんたるこじつけ(笑)。

大豆は米や麦などと並ぶ五穀のひとつで、昔から精霊が宿るとされ、神事で重用されてきました。ところが最近では北海道や東北地方約6割の家庭で、大豆ではなく殻つき落花生を使っているようです。実はかく言う私も落花生。だって、煎り大豆よりも食べて美味しいんだもん。おまけに掃除がしやすいし。でも、正式には煎り大豆にすべきなんです。理由はこの後、お話しします。

 

■陰陽五行からみた豆まきの意味■

東洋医学のベースとなる考えでもある「陰陽五行説」は、万物を「陰」「陽」に分け、「木・火・土・金・水」の五大要素によって森羅万象が成立していると考えます。冬から春に向かう節分は、ちょうど陰から陽へとエネルギーの性質が変わる節目です。

陰陽五行説では、豆や鬼、疫病などは「金」のエネルギーにあたり、「火」「金」に勝つので、豆を火で炒ることで、鬼や病に打ち勝つという意味を持ちます。つまり、炒り豆は「悪鬼退散・疫病退散」に良いのです。ちなみに、炒らずに生の豆をまくと、拾い忘れた豆から芽が出る可能性があり、縁起が悪いとみます。これが落花生じゃなく煎り大豆を用いる理由です。

 

■鬼も陰陽五行に由来する■

では、赤鬼や青鬼など、鬼はなぜこうも色とりどりなのでしょう?

実はこれも陰陽五行説に由来すると言われています。毎年、京都の廬山寺では、節分祭には赤鬼、青鬼、黒鬼が登場して踊りますが、この三色の鬼たちは人間の煩悩の化身で、赤鬼は「貪欲」、青鬼は「怒り」、黒鬼は「愚痴」を表してます。

鬼といえば、派手な黄色と黒の虎しま模様のふんどしがお決まりですが、これも陰陽五行説の「鬼門」と深い関係があります。鬼の出入りする鬼門は北東にあたり、十二支にあてはめると「丑(うし)」「寅(とら)」の方角になります。そのため、鬼には牛の角があり、虎のふんどし姿なのだそうです。

 

■立春までの過ごし方が大切です■

節分の翌日、二月四日は立春。いよいよ春のスタートというわけですが、実際はまだまだ寒い日が続きます。この時期の過ごし方としましてはできるだけカラダを動かし、熱を産生しながら春へと備えます。

東洋医学では、冬は腎臓、春は肝臓、夏は心臓、秋は肺、そして季節の間をつなぐ土用は脾臓という五臓に対応する季節の配当があります。

季節の変わり目には、それぞれ、秋土用、冬土用、春土用、夏土用という具合に、臓器同士の間を取り持つような免疫システムが活性化する期間があるのです。1月17日から2月4日の立春を迎えるまでの約18日間は冬土用となります。

 

■これから肝臓の季節が始まります■

冬土用は、腎臓と肝臓の間を取り持つ免疫系の期間。冬の腎臓から春の肝臓へのバトンタッチを行なう大切な期間です。

肝臓は、胃腸で吸収した栄養物を血液中に通過させる際に必ず通るゲートのような臓器。言ってみれば血液の入り口が肝臓です。一方、腎臓は血液をろ過して不純物を取り除き、尿にして排泄します。言ってみれば血液の出口が腎臓なのです。

この血液の出口である腎臓から血液の入口である肝臓へのリレーがスムーズに行われなければ、血液濃度や、成分が安定せず、結果的に免疫系統の混乱を招いてしまいます。

実はこの冬土用の過ごし方こそ、春先のアレルギー性鼻炎の発症や強弱に影響するのです。一年で最も寒い季節が冬土用。しかし、節分で寒さの底を打ち、立春からは暖かさへとエネルギーが向かうベクトルになります。

それゆえ冬土用は、食べ過ぎないこと、脇腹をなるべくさすって摩擦すること、上半身をひねって刺激することが腎臓・肝臓のエネルギーを高めることに通じます。

 

こうした季節ごとの暮らし方を持っている私たち日本人というのは、実に繊細、かつ自然に沿うて生きる民族と言えますまいか。

「ああ、日本に生まれて良かった」

湯のみで緑茶すすりながら、ひとしきり落花生食べた後、私はしみじみとそう感じるのです。

 

 

 

⭐️ 二十四節気は、四季の豊かなこの国に暮らした先人たちの知恵とアイデアの宝庫であります。これを学んで暮らしに生かさずにおれようか。健康と暮らしが一つであることを教えてくれる良書であります。

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