さて、寒さがますます厳しくなってきました。
寒い冬は、東洋医学にみると腎臓に関わる病が出やすい時期と言えます。腎臓に関わる感覚器と言ったらどこだと思われますか?
・・・それは「耳」です。
耳にまつわる病も数あれど、今日は耳鳴りについてお話します。
耳鳴りは、きっと誰でも一度は経験したことがあるかもしれません。ごく自然に起こったりもしますし、それが大きな病気につながっている場合もあります。日本では、慢性的な耳鳴りによって生活に支障をきたしている方は、全体の5%くらいと言われています。
耳鳴りの原因には、ストレス性のもの、加齢によるもの、原因がわからないものなど色々ありますが、耳鳴りが症状として起こるものをあげてみると・・・
■感音性耳鳴り
内耳炎、メニエール病、老人性難聴、突発性難聴、騒音性難聴、聴神経腫瘍
■全身性疾患
低血圧、高血圧、血液・リンパ系動脈硬化、糖尿病、脳神経系の疾患
■心因性耳鳴り
ストレス
先にあげたように耳鳴りにも様々なものがあります。一般的には耳鳴りが起こっても一時的なものである場合それほど心配ありませんが、耳鳴りに伴って、もし次の症状が2つ以上あれば、直ちに専門医に診てもらうべきです。
⭕️聴力が低下した
⭕️耳が痛い
⭕️頭痛がひどい
⭕️めまいがする
⭕️吐き気や嘔吐がある
・・・これらの症状には重篤な病気が絡んでいる可能性があるからです。
さて、耳鳴りの原因として最も多いのはストレス性によるもの。これを防ぐには耳鳴りそのもののメカニズムを理解し、その耳鳴りには不安がないものと考えることが大切です。耳鳴りを意識しないようにリラックスし、睡眠不足がないかをチェック、熟睡して睡眠の質を高めることも重要になります。
そして、今回のテーマとなるのですが、栄養が耳鳴りに関わるという話をしたいと思います。
実は、栄養バランスが崩れても耳鳴りは起こるのです。どんな栄養素が不足すると耳鳴りが起こると思いますか?
・・・実は、特に次にあげる栄養素が不足すると耳鳴りが起こることがいくつかの研究でわかっています。
①亜鉛
耳のカタツムリ部分「蝸牛」が体内でも亜鉛の蓄積量が多い器官ゆえ、亜鉛が不足すると聴覚に影響が出ます。
②ビタミンB12
耳鳴りと難聴を持つ人の約50%にビタミンB12不足が報告されています。栄養療法の中でも耳鳴りの患者さんがビタミンB12の注射で症状が改善するケースが多いのです。ビタミンB12が不足する原因の一つに胃酸の低下があげられます。ストレス社会で胃を病み、胃酸過多や低下の症状を訴える人も多いです。それがB12不足を引き起こします。
③マグネシウム
グルタミン酸とマグネシウムは神経機能を正常に働かせるために必要不可欠な栄養素です。これらは拮抗して働きます。もし、このバランスが崩れてグルタミン酸が過剰になってしまうと神経受容体にダメージを与え、聴覚神経の受容体に問題が起これば耳鳴りを引き起こします。
では、こうした栄養素を含んだ食物にはどんなものがあるでしょう?
⭕️亜鉛不足には・・・ 牡蠣、魚介類、煮干し、タラコ、食肉の赤身、チーズ、玄米、高野豆腐、ごま、抹茶など。
⭕️ビタミンB12不足には・・・ しじみ、煮干し、魚介類、海苔、レバーなど。
⭕️マグネシウム不足には・・・ なまこ、しらす干し、あおさ、あおのり、納豆、油揚げ、アマランサス、オートミールなど。
また、このほかにも以前このブログでお話ししましたように「食べ過ぎ」も難聴や耳鳴りの原因となります。食事はゆっくりと時間をかけて咀嚼を十分にすること、できるだけ精製された炭水化物を避けることも大事です。
現在、耳鳴りに悩まれている方はこれらのことに注意して、回復への道を歩んで頂きたいと思います。いつまでも親からもらった「耳」を大切にして、この世界の美しい音を感じ取られる自分でいたいですね。
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