人間の老化の原因の中でも最も影響力が強いと言われている「活性酸素」。活性酸素は、例えるなら「カラダのサビ」です。では、その活性酸素がどんな時増えるのか考えてみたことはありますか?
・・・実は、激しい運動を急に始めた時とやめた時。その時こそ要注意なのであります!
活性酸素は、血液が流れていなかった状態から、急に流れて酸素がミトコンドリアに入りこんだ時にも多く発生します。酸素がなければミトコンドリアはエネルギーを作り出すことができません。休業状態なのです。そこへ少しずつであれば問題ないのですが、急に酸素が入ってくるとその余分な酸素が活性酸素となります。
また、激しい運動をすると、カラダは酸素不足になります。それゆえ、大量の酸素を取り込もうとして働きます。しかし、急に運動をやめると、それまで必要だったエネルギーはいらなくなり、その分、エネルギーをつくるのに必要とされた酸素があまった状態になるのです。これが活性酸素化するわけです。
運動をやめる時には、クールダウンすることによって次第に酸素が消費されるように工夫しなければなりません。誰もが運動前のウォーミングアップは気にかけるけれど、クールダウンを忘れず行う人が少ないのは残念なことであります。
最も良くないのは、激しい運動の後に高濃度の酸素を吸うこと。カラダ自体が酸素を要求しているので、高濃度の酸素を吸えば、もちろん一時的には楽に感じられるのですが、長い目で見ると、これほどカラダに悪いこともない。注意が必要です。
また、日常生活で活性酸素を最も実感しやすい姿勢があるのですが、それが何かわかりますか?
実は「正座」なんです。
もちろん、姿勢が良くなったり、カラダの重心が整えられたり、正座のメリットは多々あるのですが、正座をしている時というのは、足が圧迫され、血流が抑えられるので、神経に酸素と栄養分が行き渡りにくくなるのです。長く座っていると、神経が麻痺してしびれてくるのは誰もが体験することでしょう。
その後、立ち上がる際、急に立ち上がること。これが最も良くないのです。
この時、今まで抑えられていた血液が急に流れ出し、活性酸素が大量に作り出されます。すると、しびれのほかにも足が急にビリビリと痛くなるのを感じます。これこそが活性酸素が神経を刺激することにより起こる痛みなのです。
けれど、長時間正座していても足がしびれない職業の方がいます。
それは「落語家」です。
噺を終えた後、たち上がって足のしびれからよろける落語家なんて、私たちは目にすることがありません。彼らはなぜ長く座っていてもしびれないのでしょう?
それには秘密があります。
落語家の方たちは、私たちにはわからぬように、ちゃんと足を休ませているのです。落語家は静かに正座しているように見えても、話に合わせて前かがみになったり、横に座りなおしたり、腰を持ち上げたり、動くたびに足をケアしているのです。
これは会合などで長時間正座をする時などに応用できます。座っている最中にお尻を右足、左足に交互に乗せるなどしてみると、血流が完全にストップすることがなく、活性酸素もそれほど発生しません。いやな足のしびれや痛みも感じずにすむのです。
今でも日本の古典芸能に学ぶところは大きいです。今度、落語家の噺を聴く機会があったなら、彼らの足元を見てみて下さい。彼らは活性酸素予防の名人でもあります。落語の楽しみ方がさらに広がるはずですから。
(*トップ写真は私が好きだった落語家の一人、故・桂米朝師匠。笑いとインテリジェンスの絶妙なバランスが持ち味でした)
★老後の楽しみは、連日、DVDによる落語鑑賞に決めてます。思うのは噺家さんの正座と着物の着こなしの美しさ。正座でも活性酸素を発生させぬ知恵が彼らの体さばきにあらわれております。
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