あなたの顔は何色?

五味

顔色

 

ふだん私たちは知らず知らず、人の顔を見て、その人の健康状態を伺ってしまうことがあります。

例えば、「なんとなくこの人、赤ら顔だなあ。心臓が疲れてそうだ」とか、「肌が透き通るように白いな。呼吸器弱くないかな」とか・・・

 

これらには、実は根拠があります。

古来、中国より伝わる「陰陽五行」という思想には、自然界に存在するあらゆるものを五つのエネルギーに分類し、それぞれがお互いに関連していると考えます。

その五つとは〈木、火、土、金、水〉です。

 

五行を用いた診断法には、顔色を五臓の不調になぞらえて配分したものがあり、これらは覚えておくとたいへん役に立ちます。

 

五行でいう五色には、青、赤、黄、白、黒があり、それぞれ臓器のエネルギーでいうと、肝(ー肝臓)、心(ー心臓&脳)、脾(ー消化器)、肺(ー呼吸器)、腎(ー泌尿器・生殖器)と対応しています。これらをふまえた上で、顔色と体調との関係を見てみましょう。

今のあなたと当てはまるものがあるかどうか、注意して読み進めてみて下さい。

 


 

■顔に青みが強い人■

●こんな症状

皮膚の色が青みを帯びていたり、眉間やこめかみに青筋が立っているなど、顔が青っぽい場合は「肝臓」の不調のサインとされています。肝臓は血液をキレイにしたり、生きるためのエネルギーを生み出したりする重要な器官。その肝臓が弱ってくると、血液がよどんでしまい、顔色が青っぽく見えてしまうのです。よどんで黒ずんだ血液は皮膚を通して見ると、青色に見え、粘膜は薄いため青みが強まって紫色に見えます。

カラダをめぐる血液には酸素をたくさん含んだ「赤い血」=動脈血と、炭酸ガスを多く含んだ「赤黒い血」=静脈血の2つがあります。

肝臓はこの静脈血から老廃物を受け取って浄化し、新たに栄養を与え、血液を再生させる器官なのですが、肝臓に無理がかかると血液は汚れが取れず、黒ずみを増して、粘るようになるのです。こんな時に皮膚は青みを増し、青筋が立つようになるのです。

 

食べものによる対策

油物やアルコールの摂取、辛すぎるものを控え、造血作用のあるレバーやほうれん草など緑もの、そして梅やレモンなどの酸味のある食べものを食べるようにしましょう。

 

 

■顔に赤みが強い人■

●こんな症状

顔色に赤みが強いのは「心臓」の不調のサインかもしれません。狭心症や心筋梗塞を患っている人、またその予備軍の人に赤ら顔が多いのは心臓が弱っているからなんです。

人間はほかの動物たちと違い、多くの時間を二足歩行で過ごします。そのために血液のポンプの役目を持つ心臓が弱って血液循環が悪いと、上半身に熱がこもってのぼせ、下半身にはよけいな水分がたまってむくみ、冷えるようになります。

 

●食べものによる対策

塩辛すぎるものや、精製された白砂糖を使った甘いものの摂り過ぎは、心臓を弱らせます。トマトやスイカなどの赤い食べものや、苦みのあるレバー、魚の内臓を食べることで心臓の機能をアップ。軽い運動にも心臓の調子を整える効果があります。

 

 

■顔に黄色みが強い人■

●こんな症状

黄色っぽい顔色は「脾」のエネルギー、すなわち胃腸など消化器の働きが落ちているサインです。胃腸が弱り、栄養が吸収されなくなって、貧血状態になっているかも知れません。ダイエットの時、無理な食事制限をしても肌が黄色っぽく、張りを失ってしまいます。また、貧血気味の人は血管がもろく破れやすくなっているので、アザができやすかったり、月経の出血が止まりにくいなどの不調も起こりやすくなります。

また、顔色が黄色くなるのは、肝臓や胆のうの病気にも見られます。これは、胆汁が血液に流出することで起こります。これは「黄疸(おうだん)」といって、白目や鼻の周りの黄色みが目立ち、ビール色をした尿が出るなどの症状が特徴です。

 

●食べものによる対策

酸っぱすぎるもの、精製された白砂糖を多く含んだものを控え、南瓜や栗、クルミ、きびや玄米など黄色いもの、はちみつなど自然の甘みを感じられる食べものを食べるようにしましょう。

 

■顔が白っぽい人■

こんな症状

白っぽい顔は「肺」のエネルギー、つまりは呼吸器の不調のサインで、鼻、のど、気管、肺、皮膚のすべてを含みます。呼吸器が弱い人は、色白で肌が弱い人が多いです。これは、皮膚が弱いことにより、メラニン色素をつくる能力が低下しているからかも知れません。東洋医学においては、肺だけでなく皮膚も呼吸器官として考えられているのです。
 

●食べものによる対策

苦みの強いものを控え、ダイコンやねぎ、白菜やニンニクなどの白い食べ物、また唐辛子などの辛みのある食べものが肺をはじめとする呼吸器の機能アップに役立ちます。

 

 

■顔が黒っぽい人■

●こんな症状
顔色が黒っぽい人は「腎」のエネルギーの不調のサイン。腎臓は老廃物をろ過して全身の水分量を調節し、尿をつくる器官。腎臓が弱ると皮膚の薄い目の周りから色素沈着が始まり、顔色が黒っぽく土気色になってくるのが特徴です。また、カラダがむくんでいるのに肌が乾燥してしまうのも、腎臓が弱って水分がうまくめぐらないためだと考えられます。

 

●食べものによる対策

コーヒーや白砂糖、甘いものの過食を控えること。「腎」のエネルギーは冷えに弱い。なので、カラダを温める効果のあるノリ、黒豆や、わかめ、ひじきなどの黒い食べもの。また、塩辛い味の食べものが働きを高めてくれます。

 

 

また、顔色でも少しふれましたが、五味といって、五行と対応する5つの味覚はそれぞれと関係する臓器のエネルギーに影響を与えます。例えば、以下の通り。

 

■五味と臓器のエネルギーとの関係■

 

五味酸 酸味は「肝」のエネルギーを養う
五味苦 苦味は「心」のエネルギーを養う
五味甘 甘味は「脾」のエネルギーを養う
五味辛 辛味は「肺」のエネルギーを養う
五味鹹 鹹(かん)味=塩辛い味は「腎」のエネルギーを養う

 

五味はこうして五臓のそれぞれを癒し、エネルギーを高めることができます。また、五味は単なる味覚だけに終わらず、食物をこれら5つにわけて分類しています。例えば、酢や梅干し、レモンなど酸っぱい食べものなら「酸」に分類されるというように。

 

また、五味には相克(そうこく)関係」といって、ある種の味が特定の臓器のエネルギーの働きを制限する関係があります。いわば、ブレーキとなるような関係です。これは、少量摂れば、過剰なエネルギーを抑制するために働いてくれますが、摂りすぎると働きを弱めてしまうため注意が必要な組み合わせともいえます。
以下の通りです。

 

 

■五味と臓器のエネルギーとの相克関係■
五味酸 脾が弱っている人は、酸っぱいものをとり過ぎるな!
五味苦 肺が弱っている人は、苦いものをとり過ぎるな!
五味甘 腎が弱っている人は、甘いものをとり過ぎるな!
五味辛 肝が弱っている人は、辛いものをとり過ぎるな!
五味鹹 心が弱っている人は、塩からいものをとり過ぎるな!

 

 

・・・こうしたことを分かって上手く使えば、五行と五味の関係は、頼もしい養生法となります。

さて、あなたの顔は何色ですか?

 

 

 

 

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