あなたも、そして私も、
誰もが「人を幸せにする魔法」を持っている。
そう言ったなら、あなたは信じられますか?
でも、本当なんです。
その魔法は手によって叶えられます。
手による「ふれあい」という名の魔法によって。
「オキシトシン」という名前を聞いたことがありますか?
これはホルモンの名前で、
脳の下垂体後葉という場所から分泌されます。
セックスや妊娠・出産・授乳などとも関係の深いホルモンで、
分娩時にはオキシトシンの分泌によって子宮収縮が起こり、
お腹の赤ちゃんが自然と産道へと導かれます。
といっても、これは女性だけに特有なものではなく、
男性の脳からも分泌され、
他者への愛情や信頼感を育む作用があることがわかっています。
オキシトシンは哺乳類だけが持っているホルモンで、
心が癒されたり、幸せな気分になることから、
「幸せのホルモン」とも呼ばれているのです。
アメリカのある大学でこんな実験をしました。
スピーチコンテストの開催にあたり、
7〜12歳までの出場者61名を3つのグループに分け、
ストレスホルモンの分泌量を測定しました。
Aグループは、スピーチ直前に母親からハグしてもらった人たち。
Bグループは、スピーチ直前に母親から励ましの電話をもらった人たち。
Cグループは、母親とまったく接触しなかった人たち。
さて、スピーチ終了後、
出場者すべての人たちのストレスホルモンの分泌量を測った結果、
どうなったと思いますか?
Aグループの人たちは30分後、Bグループの人たちは1時間後には、
すっかりストレスホルモンの分泌がおさまり、正常値に戻ったにも関わらず、
Cグループの人たちだけは1時間を過ぎても、
なお正常値よりも30%も高い値を示し続けたということです。
またさらに、幸せのホルモン・オキシトシンの分泌量を調べた結果、
最も多かったのはAグループの人たちで、次がBグループ。
Cグループの人たちからは全く分泌が確認されなかったというのです。
愛するものとのスキンシップが大切なのは、
なにも人間だけに限ったことではありません。
別な大学で行われた実験で、
二つのグループに分けて、ウサギを飼育した結果、
同じ内容のエサを与えたウサギでも、毎日、人間になでてもらい、
愛情を注いでもらったウサギは、
もう一方のなでてもらえなかったウサギに比べ、
60%も動脈硬化の発症率が低かったという報告があるのです。
健康にも良い影響を与えてくれる幸せのホルモン「オキシトシン」は、
生きものどうしのふれあい、人と人とのスキンシップによって
もたらされるものなのです。
オキシトシンが人にもたらすその効果ですが、
科学的に確かめられているのは以下の5つです。
①人への親近感、信頼感が増す。
②ストレスが消えて幸福感を得られる。
③血圧の上昇を抑える。
④心臓の機能をよくする。
⑤長寿になる。
さて、ではどのようにすれば、
このオキシトシンの分泌を豊かにすることができるでしょう?
幸せのホルモンを分泌するのに、何も特別な方法があるわけではありません。
ようは、毎日を「愛」を持って生きれば良いのです。
「愛(あい)」は「合い(あい)」に通じます。
自分と他者との垣根を取払い、ふれあいを通してひとつになれば良いのです。
でも、具体的にはどいうすれば?
という人に、私は次の3つのアクションをおすすめします。
①他者とふれあい、スキンシップをはかる。
欧米には、ハグや握手の習慣があります。私も、よくします。
ただここは日本なので、相手が女性の時には、立場や関係性を考えて行います。
すると相手との距離が近くなるのを感じます。
家族や友人同士なら指圧やマッサージもリラックス度が増しておすすめです。
②他者を思いやる
人は他者から大切にされていると感じられるだけでも、自信を取り戻し、
幸せを感じられる生きものですよね。
自分がしてもらってうれしいことを他者にもして差し上げる。
これは、お互いが幸せになる魔法だと思います。
③生きものとふれあう
犬や猫などのペットを抱いたり、一緒に遊んだりすると飼い主もペットも
同時にオキシトシンが分泌されます。
でも、これはきっとほ乳動物に限ったことではありません。
植物だって、心を込めてお世話すれば、葉や花が生い茂ります。
私たちの脳には、「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞が存在します。
これは文字通り、他者の行動が鏡に映るように自分の身を通じて感じられる細胞です。
つまりは他者に対する思いやりのある行いが、相手の喜びを映し出す鏡のように
自分にも還ってくるのです。
自分自身が幸せになる魔法は、ふれあいを通じてまわりの人たちを幸せにすること。
私たちの脳内に、幸せのホルモンとそれを感じる神経細胞を与て下さった神様は
きっと、私たちにそのことを伝えたくて
こんな素敵なしくみを用意したに違いありません。
カラダのしくみを知れば知るほどに、創造主の愛を感じる今日この頃です。
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