塩は大地や海の生命力が凝縮した「ミネラルの宝庫」です。
みそ、しょうゆ、梅干しなど日本に伝わる食品のほとんどに塩はふくまれています。塩は本来、モノを腐らせなくするためのもので、みそやしょうゆと同様に保存食といえます。
また、昔から「清め」に使われることからもわかるように、「霊的な浄化作用」も兼ね備えた性質をもっています。
家の浄化、石の浄化、葬式から帰ってふる塩など、日本人はさまざまに塩を浄化に用いてきました。昔の武士たちは、戦さの前後には海水に浸かって塩と水で心を清めていました。これが現在の海水浴の始まりといわれています。
人間のカラダも塩分がなくなると腐敗してきます。エジプト時代のミイラにも保存方法として塩が使われていました。梅干しでも、みそでも、魚や肉でも、塩に浸けるものはすべて「保存食」です。
塩には、海から採られた「海水塩」、大地から採られた「岩塩」、精製された「化学塩」の3種類があります。化学塩は、塩が本来持っている生命力やミネラル成分に乏しく、ほとんどが塩化ナトリウム。ただの化学合成物質ですから、もはや生きた食べ物とはいえません。
塩をひとつまみ舐めてみるとわかります。後味がほんのりと甘く感じられる天然の塩に比べ、化学塩は舌に変な味が残ります。
西洋のベジタリアンにとっては、野菜・果物・油が食生活の中心になりますが、日本では穀物・塩がその中心となってきました。人間のカラダは血液中の「ナトリウムイオン」と細胞中の「カリウムイオン」のバランスによって成り立っていて、この2つのバランスにより生体電気が発生し生命活動を助け、亡くなるとこの生体電気も消滅します。
つまり、生命はこれら2つの「陰陽」の調和により成り立っていて、日本食の原点も「穀物」と「塩」のバランスを保つところにあると私は考えます。
海水塩は、海水から採られたもので、ミネラル成分も豊富なのですが、「ニガリ成分」も多く、これがタンパク質を極端に固めてしまいます。適量を摂る分には問題ないのですが、ニガリを長期間摂り続けてしまうと、タンパク質である人間の内臓までも固まってしまい、とくに腎機能が低下してしまいます。腎臓内に石ができることも多くなるのです。
豆腐を作る時には、このニガリの作用を使って大豆タンパクを固めるわけですが、腎臓がそのようにして硬くなってしまうと、腎不全などのようにうまく血液がろ過されず、毒素が十分排泄されなくなってしまうのです。
「海水塩のニガリは、フライパンで飛ばすと良い」という話も聞きますが、それでニガリに含まれる「酸化マグネシウム」はある程度減るのですが、もうひとつのニガリ成分となる「硫化マグネシウム」は焼いてもそれほど減らず、ニガリの凝固作用は残ってしまいます。
少し前に「ニガリダイエット」なるものが流行しましたが、一時的に引き締まってやせることはあっても長期的に続けてしまうと、腎機能を低下させるので注意が必要です。よく、穀物菜食や玄米食を長期でやっている方で土色の茶色い顔をしてやせている人がいますが、そういった方も長期間の過剰な塩分摂取によるニガリが原因と思われます。
海水塩は海で穫れる魚、海草類、塩、しょうゆやみそに含まれているもので十分です。適量の海水塩であれば問題ありません。問題はむしろ精製された化学塩のほうにあります。
ただの化学塩を摂り続けた場合は、血圧が上がったり、腎機能が低下したりして、これにより「減塩信仰」が生まれました。本来、食べ物を腐らせないようにするための塩を必要以上に減塩してしまえば、食べ物が腸内で腐敗し、悪玉菌を増やすことにもなります。そういった理由から化学塩の使用はおすすめできません。
天然塩は、そのミネラルのバランス作用により、心臓の伸縮機能を助けカラダ中に血液を送るためにも大切なものです。適量を正しく摂ることが大事です。
あと、ひとつ岩塩について言えば、縄文時代に食べられていた塩が岩塩でした、それがやがて掘り尽くされて、弥生時代になってから海水塩が食べられるようになったようです。
岩塩は大昔に海底や湖だったところが大地になり、長年の風化作用で結晶化したものです。岩塩はニガリの成分である「マグネシウム」が長年の雨風にさらされ、かなり少なくなっています。なので、海水塩以上に後味が甘く、カラダにやさしい塩といえます。
現在、私も海水塩と岩塩を用途に合わせて使いわけています。
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