お茶の効用と三年番茶

薬草ハーブ

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時々、「お茶」について考えてみることがあります。

お茶は嗜好品であると同時に、昔は薬として珍重された歴史を持つものです。

お茶のルーツは中国。今日の漢方の基礎を築いたといわれる伝説の帝王神農が、野草や樹木を実際に口に入れて薬として役立つかをテストしていたとき、一日に72回もの毒に当たり、その度にお茶の葉を用いて解毒したといわれています。

3000年の歴史を持つこの国は、戦争の歴史も長く、平和な時代も長く、その長い間にずいぶんと食文化が発展しました。平和な時代は皇帝も一般の人々も、いかにして贅沢に長生きできるかが最大の関心事でしたが、戦争の時代は貧しい時代であり、だからこそ家庭での薬膳というものがとても大切にされました。

少ない食料を用いて、どうすれば病気をしないで健康に生きることができるのか。そこがテーマとなったわけで、特に「飲食」に気をつける必要があったのです。中国人は食べることのみならず「飲む」ことについても非常に貪欲で情熱的でした。「お茶の時間」をとても大切にしてきたのです。

一般市民がお茶を飲めるようになったのは明の時代になってから。宋の時代になるとお茶がひとつの文化にまで高まります。当時の文化人たちはこんなお茶の飲み方をしたそうです。お茶を入れる前に茶葉のカタチを見て漢詩をひとつ詠み、お湯が入ったら、茶葉がおどっているのを見て、またひとつ漢詩を詠み、また飲み終わったらひとつ詠む。ずいぶんと優雅な飲み方ですよね。

それがやがて日本に伝わり、日本の茶祖・栄西禅師が『喫茶養生記』(1214年)という書物の中で「茶は養生の仙薬なり、延齢の妙術なり」と茶の効能を説きましたが、一般庶民に広まったのは江戸時代以降のことです。

では、お茶という飲み物はどんな点において健康のために優れた飲み物といえるのでしょう?今回は、そのポイントについてお伝えしたいと思います。

 


 

■お茶の効用■

①病気予防

フラボノイドの一種であるカテキンが脂肪の酸化を抑え、老化を防ぎ、インフルエンザ・動脈硬化・高血圧・糖尿病・がんを予防することが科学的に認められている。カテキンが老化の原因となる脂質に対する抗酸化作用はビタミンEの20倍もある。

 

②食中毒の予防

サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌など、食中毒の原因となるほとんどの菌と菌が出す毒素をやっつける働きがある。感染力が強い病原性大腸菌Oー157も殺す。緑茶を飲むことは食中毒の予防になる。

 

③ダイエットに効果あり

お茶はノンカロリーで、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マンガン、銅、亜鉛、ニッケル、モリブデンなど、多くのミネラルを含むアルカリ性飲料で脂肪の燃焼を促し、ダイエットにも効果がある。

 

④リラックスをもたらす

アミノ酸は、お茶の旨みや甘みの成分。お茶に含まれるアミノ酸の約60%以上がお茶特有のテアニン。テアニンにはカフェインの興奮作用を抑えるリラックス効果や脳の働きを保つ効果がある。

 

⑤ビタミンCが豊富でカラダに良い

ビタミンCがレモンの5倍、ほうれん草の3倍近くも含まれている。お茶のビタミンCは野菜のそれとは異なり、熱にも壊れず保存にも強い。お茶のビタミンCには、水分の減少を防ぎ、肌の弾力を保ち、色を黒くするメラニン色素生成の抑制効果がある。更に血管や細胞の強化に良い。ちなみに煎茶には玉露の約2倍のビタミンCが含まれる。

 

⑥口臭&虫歯予防

カテキン由来のフラボノイドが口の中で細菌が繁殖するのを防ぐ。結果、口臭も虫歯も予防する効果がある。

 

⑦美肌効果

ハリのある素肌や身体を保つには、ビタミンC・E、そして食物繊維が大切。お茶にはこれらの栄養素が多く含まれる。肌の水分の減少を防ぎ肌の色を黒くするメラニン色素生成の抑制効果もある。ただし、ビタミンEや食物繊維はお茶に溶けず茶殻に残る。なので、お茶を丸ごと飲んだり食べたりできると、なおのこと良い。

 

また、中国の漢方の視点から見たお茶の効用というのがあって、それは同じ茶葉が原料でも、加工の仕方により性質が異なるというものです。基本的には以下の3種類に分類されます。

 

 

■漢方から見たお茶の効用■

①緑茶・白茶・黄茶

カラダの熱を鎮める「陰性」のものなので、汗かきの人に良い。

 

②青茶(ウーロン茶)・紅茶(キーマン)・番茶

カラダを温める「陽性」のものなので冷え性の人に良い。

 

③黒茶(プーアール茶)

脂肪を分解し、代謝を高める。

 

■私のおすすめ三年番茶■

ちなみに我が家では季節を問わず、「三年番茶」を飲んでいます。マクロビオティックで推奨するのがこの三年番茶です。

マクロビオティックとは、健康に長寿に生きるという意味のギリシャ語から来た言葉で日本から始まった食事を含む健康法です。この三番番茶はマクロビオティックでは「陽性の飲み物」と言われており、体を温める効能や効果があると言われています。

春に出た「芽」の部分ではなく、その下の方の軸の箇所なので、あまり太陽の光を浴びてません。根菜類は太陽の光にあたっていない陽性で、身体を温める作用があります。それと同じような作用が三年番茶にもあります。温かい三年番茶を飲むと、体が温まる効果を実感します。

茶葉をおいて熟成させて焙じたものゆえ、茶葉が熟成しているので、味がやわらかく、旨みがあります。一般のお茶に比べカフェインが少なく、お年寄りや子供でも飲めるが特徴です。胃にも優しいです。

茶葉が熟成しているのが味がまろやか。香ばしく、かぐわしい香りが口に広がります。焙煎ならではの香りです。後味はマイルドでとても飲みやすく、和食によく合います。

お茶は人により、飲み過ぎると気持ち悪くなったり、だるさが出る人がありますので、胃腸の弱い人、睡眠不足の人、空腹時には避けたほうが良い場合がありますが、この三年番茶だとその心配がありません。

自分に合ったお茶を見つけて、あなたもぜひ、暮らしの中で活用してみませんか。

 

 

★10分程度ぐつぐつと煮出して飲むのが美味しく飲むコツです。一日分を朝作り、保温ポットに入れておくと一日中楽しめます。

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