マイクロプラスチック放置は魚への蛮行
- 2022.11.09
- 関心事
- マイクロプラスチック, 化学物質, 汚染, 魚類
人間の作り出したものが、ずいぶんと自然界にご迷惑をおかけしている。その一つにマイクロプラスチックがある。略してマイプラとしよう。それは微細なプラスチックの事。
先頃、長崎大学の研究で長い年月が経過したマイプラの表面にはバイオフィルムが形成され、魚に食べられる確率が高まる事が明らかになった。つまり長く放置された古いマイプラほど大量の微生物が付着して、それを餌にしている魚が口にしやすくなるのだ。
ビーチコーミングを趣味にしている私は時々札幌近郊の海を散歩するが、毎回、波に打ち上げられたプラごみの多さには驚かされる。結局プラスチックは分解されずに長く自然界残り、多くの魚がそれを餌と間違えて誤飲するのだ。
ちなみにマイプラが自然界に還るには450年かかる。その間、含まれる化学物質は世界の海を漂い続ける。石油化学が発達する前は、当然このような誤飲はなかったし、人類が食料として必要な分だけ捕獲する以外に魚の皆さまにご迷惑をかける事もなかった。
種類別では、片口いわしが他の種を大きく引き離し、かなり多量のマイプラを体内に溜め込んでいるらしい。片口いわしの皆さま、本当に申し訳ありません。人類を代表して私がお詫びいたします。
事実を知って以来、私の趣味だったビーチコーミングは、宝探しではなく、古いプラスチックを見つけ出すゴミ拾いのボランティアと化している。
⭐️ あなたは普段、料理に海塩を使っているだろうか? 実は数年前、海塩からマイクロプラスチックが初めて見つかった。しかし、プラスチック微粒子がどの位含まれているかについては分かっていなかった。新たな研究では世界の食塩のなんと9割にマイクロプラスチックが含まれているというショッキングな結果が報告されている。「マイプラが除去処理されている塩かどうか?」それもこれからの時代、塩選びの新たな基準となるであろう。
価格:1,760円 |
-
前の記事
学校給食に忍び寄るゲノムトマト 2022.11.08
-
次の記事
喜びは循環する 2022.11.10