新型コロナと頭痛

最近、「ブレインフォグ」なるタイプの頭痛を聞く。頭の上からバサっと毛布を被せられたように始まり、徐々に頭が痛くなるのではなく、突然痛みに襲われ、それが耐え難いほどに続くのだという。

普通の片頭痛を最高レベル10点とし、酷い時は8点か9点のレベルであるのが、新型コロナに感染して生じた頭痛は、10点満点中20点という人もあるようだ。そう、新型コロナによって起こる症状の一つにも挙げられているわけだ。

市販の頭痛薬が効かず、頭痛は2週間継続し、睡眠も妨げられ、一度に15分から45分程度しか眠る事ができず、ひたすら頭痛に耐えるしかない状態が続くらしい。

2022年5月に医学誌「Headache」に発表された総説論文によれば、急性期の新型コロナ患者の約半数が頭痛を発症しており、約4人に1人は最初に現れた症状が頭痛だったという。また中等症から重症の患者の約5人に1人は、最もつらかった症状として、頭の中に霧がかかったようにぼんやりする「ブレインフォグ」、次に味覚・嗅覚障害などの神経症状を挙げている。

「Headache」の論文によれば、頭痛の既往歴がある人の47〜80％は、新型コロナの頭痛は過去の頭痛とは異なり、突然、強烈な痛みに襲われると述べている。

頭痛の継続期間は中央値で14日間だったが、急性期に頭痛があった患者の19％は3カ月後、16％は9カ月後にもまだ頭痛が続く。特に急性期に頭痛がひどかった人ほど、継続期間が長くなる傾向にある。

これでは「新型コロナは風邪みたいなもんだよ」と安易には言えない。実際に長く苦しんでいる人々がいるのだ。騒ぎが終わらない限り、世界中がブレインフォグに煩わされているみたいだ。一日も早い収束を祈るばかりである。

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