私を至福へと導く服

服が好きである。着るのはもちろん造形としても大好きで、パターンやカッティングの優れた服などはハンガーに吊るし、それを観ながら一晩中酒を飲めるほどに好きなのだ。

そんな私だから先日三宅一生が亡くなったのは相当こたえた。2000年以降、ファストファッションが主流になってからの日本の業界は元気がない。面白い服が少ないのだ。そんな中、実力者だった三宅不在の業界を牽引するデザイナーははたしているのか？

いる。それは森下公則である。

ファストファッションに辟易している私が今、唯一着て嬉しいと思えるデザイナーが08sircusの森下公則だ。森下は1964年生まれの58歳。私も年代が近いゆえ彼がファッションに興味を持ったであろう時代が似ている。イッセイミヤケやコムデギャルソン、ヨージヤマモトなどが登場し、日本のクリエイションパワーが世界をアッと言わせた時代、服の楽しさが骨の髄まで染み込むような青春時代を彼も過ごしたに違いない。

だからこそ森下の創る服には情熱と愛が溢れている。彼の服に袖を通した者だけが享受できる悦楽と安らぎ、そして優越があるのだ。2012年からはレディースも手掛けているが男の私から見てもどの服もカッコよく、今後私にもし女装する機会が訪れたならば、絶対に彼の婦人服を着ようと決めている。

ちなみに森下公則の出身も三宅一生と同じ広島県。優れたデザイナーを2人も輩出した広島県恐るべし！森下が三宅の後継と確信する私の目に狂いなし！

今日も私は彼の創った服に袖を通し、至福の時を楽しんでいる、ってメルカリで手に入れたカーディガンなんだけどね。

⭐️ トラディショナルにしてカジュアル、カジュアルにしてモードチック、モードチックにしてストレッチが効いていてラフにも着こなせる絶妙なテイストのオーバーコート。やはり森下公則の創る服は一味も二味も違う！お値段が張るのが、ちと痛いけど、お値段以上の価値を感じてもらえる逸品です！