魂の重さ
魂に重量がある事を、以前ある画家の展覧会で知った。展覧会のタイトルが『21g』だったので画家に理由を訊ねたところ返ってきたのが「魂の重さ」という答えだった。
今をさかのぼること百年前、アメリカの医師マクドゥーガル博士が一連の実験を行なった。瀕死の結核患者が横たわるベッドを秤で計量し、死の直後の体重の変化を調べたのだ。死後、時間が経つにつれ遺体は軽くなった。そこで博士は死後に失われる体液やガスも考慮に入れて計算し、人間の魂の重さは21グラムであると結論づけた。
もちろん懐疑派もいて、死の直後は呼吸が止まり血液の冷却が止まるので、一時的に体温が上がり発汗が促進される。この一時的な発汗の水分が21グラムだと主張する科学者もいる。
その正誤は未だ確かめられてはいない。が、この広大な宇宙の96%は観測できない物質であるダークマターとダークエネルギーで満たされているという学説があり、私もそれを支持する。
いずれにしても、以来私は21gという重さが気になって仕方がない。その軽さゆえの儚さと同時に魂が重量を持つゆえの尊さに生きる事の刹那とリアルを感じるのだ。中西揚一画伯の展覧会はその意味でも私に強いインパクトを与えた。
⭐️ マクドゥーガル博士の実験については、本書に詳しく書かれている。人間の素朴な疑問が実験によって新たな科学の地平を切り開く。素人である私たちもそんな先人の好奇心を見習って、自身の人生の地平を切り拓きたいものである!
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