漫画家・花輪和一の壮絶
私が大好きな漫画家の一人に花輪和一先生がいる。伝説の漫画雑誌『ガロ』を代表する描き手で多くの問題作を生み出した奇才。その彼が幼少期に両親から酷い育てられ方をしていた事実を最近ネットで知った。
作品にはよく「毒親」と呼ばれる、子供に悪い影響をもたらす親が登場するが、モデルは両親だったのだ。
先生は埼玉に生まれ、最終学歴は中卒。幼少期に父親を亡くし、4歳の頃に母親が再婚。 しかし義父が大嫌いだった。義父は粗暴で鍋を投げることもあった。先生は当時の家庭について「もう地獄。アウシュビッツ収容所の記録映像を見て、俺の家と同じだと思った」と語っている。しかし父親だけでなく母親も冷淡で、息子である先生を抱きしめもしなかった。
15歳で両親から逃れる為に実家を出て、東京の工場に勤務しながら、雑誌の挿絵を描き始めたのがきっかけで漫画家に。
以前、拳銃を所持していた事から逮捕され、服役体験をもとに作品に『刑務所の中』を描き、ヒットさせた。先生の独特な表現の奥には幼少期にため込んでしまった負の感情があったのだな。
先生は現在、北海道在住で今年75歳。ここ数年、新作発表がない。お元気なうち、一度お会いしてみたい。
⭐️ 花輪先生の作品は、一度触れたら抜け出せない沼のような深みと凄みを持っている。その怪しい魅力の奥には幼少期の虐待の記憶があったのだな…。今、改めて先生の作品を読み直してみたいと思う。
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