ケーキが切れない子供達
見る、聞く、想像するなど、人間の行動の基盤となる機能を「認知機能」と呼ぶ。世の中にはこれが極端に弱い人々がいる。それは知的障害や発達障害を持つ非行少年達だ。
少年院で法務技官として勤務経験のある著者が書いた『ケーキの切れない非行少年たち』を読み、衝撃が走った。
それによると、非行少年達に○が書かれた紙を渡し「次のケーキを3等分して下さい」という質問をしたところ、少年達の多くがトプ画にあるように上手く切り分ける事が出来なかった。
明らかに「想像力」の欠如である。これではいくら彼らに非行に対する反省や被害者の気持ちを考えろと矯正教育をしても伝わらない。と同時に、この社会が彼らにとってかなり生きにくい社会である事が分かる。
出所後も更生できずまた犯罪を犯して院に戻る者も多いという。これは彼らが頑張ってないのではなくて、脳が関与しているわけだから、努力や根性でおいそれと改善できるものではないのだ。
脳を育むのは環境だ。家庭、学校、職場…。少年達が生きる環境の中にも問題がある。環境を作るのは私達大人。私は自分の事として本書を読んだ。
⭐️ 著者は「コグトレ」の開発者である。「1日5分で日本を変える」方法とは、「コグトレ」をやって学習の土台である認知機能のトレーニングをする事。本書ではその必要性が説かれている。社会を変え、子供達を変えていく方法は、ここにある!
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