大国は嘘をつく

先日、バイデン大統領は会見でウクライナにアメリカの軍隊を派遣しない意志を表した。

ソ連が崩壊した時、ウクライナ国内には多数の核兵器があった。当時その所有権はウクライナにあった。しかし核兵器の拡散を恐れたロシア及び米英首脳はウクライナ政府に核兵器を放棄するよう説得した。ロシア及び米英首脳は、核兵器を放棄するなら将来ウクライナに軍事的危機が訪れた時には必ず助けると約束した。1994年の会議でこれをウクライナは受け入れ、核兵器を廃棄した。これを「ブダペスト覚書」と言う。

今回のロシアのウクライナ侵攻自体「ブダペスト覚書」違反であり、米英が軍事的危機が訪れたウクライナに軍隊を派遣しないのも違反になる。国家間の大切な約束をロシアが破り、アメリカが破り、イギリスが破り、ＮＡＴＯも破った。

ウクライナは今、あの時持っていた核兵器を保有していたら、ロシアもすぐには攻め込んでこなかっただろうと思っているに違いない。核兵器を持つ国は持たない国よりはるかに攻め込まれにくいというのは世界の常識だ。

自分の身は自分で守るしかない。そんな時代に突入している。

 ⭐️ 在モスクワ特派員記者による緊急ルポルタージュ。両国政府と親露派の要人を取材し砲撃と空爆で破壊された街に潜入して、戦闘員と市民の声を聞く。激動のロシア情勢がここに明かされる！