甦る80年代〜キース・ヘリング展

先日、芸森のキース・ヘリング展に行った。地下鉄の黒板の落書きからスタートしアメリカンドリームを体現して90年2月に31歳の若さで亡くなったキース。死因はエイズだった。

亡くなる2年前、彼はインタビューでこう答えている。

「始めはとにかくうちひしがれた。誰だって最初にするのは泣くことさ。致命的な病を抱えると生きることに対して全然違った見方ができる。でも生きることの本当の価値を知る為に死の恐怖にさらされる必要があったというわけじゃないよ。僕はいつだってその大切さがわかっていたからね。いつでもできるだけのことをして精一杯生きていかなくちゃいけないと思っていた」

シンプルな表現の中に溢れんばかりの描く喜びが伝わってくるのは、そんな彼の決意があったからなのだろう。キースはじめ80年代のポップアーティス達には沢山の夢と希望を貰った。作品を眺めながら久々に胸躍った。

美術館を出る頃に私は、かつて美術家を目指したアート少年に戻っていた。

 ⭐️ 山梨県小淵沢に実に300点以上のキースの作品を所蔵する美術館がある。その名も「中村キース・ヘリング美術館」。キースファンのためにキースの作品のみ展示されている美術館。私も大好きな場所である。そこの最重要作品160点を掲載。キースの全てが理解できるような迫力！一人の収集家の愛がここに結実している。