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金子みすゞの心には

金子みすゞの心には

詩人金子みすゞの評価が高くブームが続いている。『私と小鳥と鈴と』という作品は誰もが目にした事だろう。

 

私が両手をひろげても お空はちっとも飛べないが 飛べる小鳥は私のように 地面を速く走れない。

私がからだをゆすっても きれいな音は出ないけど あの鳴る鈴は私のように たくさんな唄は知らないよ。

鈴と 小鳥と それから私 みんなちがって みんないい。

 

最後のフレーズは、そこだけ取り上げられる事も多い。けど、その一行前には「鈴と、小鳥と、それから私」とある。

 この一文は詩の題で最初にあった「私」を最後に置いている。周囲の存在があってはじめて自分が成り立つ。周囲のものも自分も等しく大事に思えた時、「みんなちがって、みんないい」という言葉が輝きを増す。

個性重視の現代は、この詩を間違って捉える人も多い。最後のフレーズだけ持ってきて、だから好き放題やっていいと解釈する。みすゞの心はそこにはない。

 

 

⭐️ 今改めて天才詩人・金子みすゞの作品に触れてみる。時代は変わっても変わらぬものがそこにはある。瑞々しい感性で森羅万象の中に息づく生命の光を読み取り、やさしい言葉で詩に表現したみすゞ。彼女の言葉に触れると自分の中の忘れた何かを思い出す。

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