豊かさの本質は鈴の音
尊敬する治療家の一人に、故人となられた野口晴哉先生がいる。先生は治療技術も神がかり的に素晴らしかったが、人間そのものを深く洞察し数々の名言を残されている。名言には、私の好きな次の一文がある。
「豊かな心とは、無い時は無いように生きることを楽しみ、ある時はあるように楽しんで、それにこだわらず、いつも生気溌剌とした気分で一日を暮らせることだ」
本当にその通りだ。大切なことはいつだってシンプル。人は絶えず外部条件に感情を左右され、自分自身の生きる土台を失う。幸福は外から与えられるものだと思わされているが決してそうではない。
先の一文には、「楽しい」という言葉が二つも使われている。楽しさこそは生きる希望であり、力だ。「楽」は巫女が病人の側で鈴を振り、神を降ろす象形文字。
自ら鈴の音を鳴らし、神を求める者の元に楽しさの神は訪れる。豊かさとは、心の中の鈴がどんな時も高らかに鳴り続けることなのだと思う。
⭐️ 野口先生の思想と技術について触れるなら、まず本書をおすすめします。記載されている「活元運動」は心身の氣を整え、根本からリセットしてくれる不思議な妙義。知るだけではなく、実際に行うことで役に立つ素晴らしい本です!
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