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一番気になる作家

一番気になる作家

新作が出る度に手に取ってしまう作家がいる。窪美澄だ。数年前、書店でふとタイトルに惹かれて購入したのがデビュー作『ふがいない僕は空を見た』だった。

美しい装丁とは裏腹にかなり衝撃的なセックスシーンから始まる。常々、奥に隠れた性欲は男性よりも女性の方が勝っていると思うのだが、それを証明するかのような大胆な描写に驚かされた。

しかし、単なるポルノ小説で終わらないのは、妊娠・出産という女性の生理を性行為と同等に扱い、生命の尊さを真摯に描いているからだ。そこに生身の人間存在が浮き彫りになり見事に純文学へと昇華される。

窪は私より2歳年上だが、彼女の作品には同時代を生きる者の共感が随所に散りばめられ、オーガニックや玄米、美大志望の学生など私自身の体験と重なるキーワードが頻繁に登場し、まるで人生を見透かされている様な不思議な気になる。出会えて本当に良かったと思う大好きな作家の一人だ。

 

 

⭐️ デビュー作を読んだ時の衝撃は今でも忘れられない。生と性がここまでリアルに語られ描かれた新人小説など果たして今までにあっただろうか?誰がこの作品の衝撃的なラストを想像できただろう?私はこの作品で彼女の洗礼を受け、窪教の信者となった。

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