ムーミン
先日、芸術の森にムーミン展を観に行った。
ムーミンは、フィンランド出身の作者トーベ・ヤンソンが子どもの頃、弟との口喧嘩に負けて悔しさのあまりトイレの壁に描いたおばけの落書きから誕生した。
それが今や世界中の言葉に訳される物語となり、多くのファンを喜ばせた。私も少年時代、普通のアニメにない哲学的センスや、落ち着きとある種の暗さを含む独特の絵柄に惹きつけられた。
大人になり北欧を旅してその理由がわかった。少しグレーがかった空の色、長い冬、深い森と湖のある風景は、人々を内省的にする。
今回、展覧会で初めて目にしたトーベの原画。線の一本一本に繊細で澄んだ北欧の空気と自然が織り込まれていて、その美しさに息を呑んだ。誰もが幼子の目をして原画を観ていた。
環境は人を創る。人の想像力が物語を生み出し、物語に人は遊ぶ。美術館を出た私は深い森を散歩したような清々しさを得た。
⭐️ ふだんキャラクターものを好まぬ私がなぜかムーミンシリーズのマグカップだけは手に入れたいと思ってしまう。しかもハットを被りパイプを咥えたムーミンパパの絵柄が。妻に内緒でポチッとしてしまおうか迷っている…。
価格:1,100円 |