自然のレッスン
お天気が続き、外出するのが楽しい季節になってきました。
お出かけの時、あなたがいつも持っていかれるものって何ですか?
私にとって、それは「本」です。
いつも持ち歩くカバンのポケットに、必ず入れてある一冊の詩集があります。いつ出会ったのかは思い出せません。けれど、気がつけば、お気に入りの一冊になっていました。
乗り物で移動する時、公園のベンチに腰をおろした時、
楽しい気分の時、悲しい時、なんでもない時、
私はこの詩集を取り出して、ページを開きます。
すると、そこには自然と調和して生きるためのメッセージが
シンプルで美しい言葉によってつづられています。
例えば、こんなページ。
「わたしは誰なんだろう?」
わたしとは
わたしの入っているこのからだのこと
わたしとは
わたしが食べているもののこと
わたしとは
わたしが身につけているもののことだし
わたしの部屋であり、わたしの家のこと。
生活空間のすべてのことであり
この星、そして、宇宙いっさいのこと。
つまり、わたしとは
この宇宙の一部であるとともに
宇宙がわたしの一部なのです。
本のタイトルは「自然のレッスン」
作者は北山耕平さん。
70年代にアメリカ中西部を放浪した作者は、ネイティブアメリカンとの出会いによって「自然と共に生きる」ことについて考えました。
そして、自然からとかく離れがちな都市生活者が、暮らしの中で自然を取り戻すためのヒントとしてこの本を書きました。
自然というものを理解するためには、論理的な左脳に働きかける長文よりも、より直感的で無意識とも関わりの深い右脳に向けてのシンプルなメッセージが良いという理由で作者は「ポエム」という表現を選ばれたようです。
表紙には可愛いりんごの絵が描かれています。
ページを開いて作品を読むと、りんごをひとかじりした時のようなさわやかな気分になります。しかもビタミンいっぱいのりんごです。
「こころのレッスン」「からだのレッスン」「食べもののレッスン」
3部構成の作品で、どの章も読む者をハッとさせるような暮らしの知恵と気づきのエッセンスにあふれています。私はこの本からいつも元気をもらっています。
「食べもののレッスン」の章では、
自分の考えていることと一致することが沢山あってうれしくなりましたが、それもそのはず、あとがきを読むと、北山さんも私のマクロビオティックの師である久司道夫先生に食についての教えを受けていたのでした。
意識を変え、行動するための詩集。
役に立つ本はたくさんあるけれど、「詩集」は今までなかった。
これは、役に立つ詩集です。
いつも持ち歩くので、表紙もぼろぼろですが、私はこの詩集が大好き。子供たちがもう少し大きくなったら、彼らにもプレゼントしたいと思っています。
★この本の誕生がきっかけとなって、編集者・服部みれいさんが生まれました。みれいさんはナチュラルライフや自然のお手当をテーマにした小冊子「マーマーマガジン」の発行者です。北山さんの影響力は今でも大きい、そう実感します。
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