亀とアニマルヒーリング
わが家には一匹のカメがいます。
全長20センチはあろうかと思われるオスのクサガメです。
もうすぐ19歳になる長男が中学生だった頃、
カメを飼っていた担任が、ある事情から飼えなくなり、
「誰か私の代わりに飼ってくれる人はいませんか?」と
飼い主を募集した際、しーんと静まり返ったクラスで
一人手を挙げたのが、うちの長男なのでした。
カメはそれほど自分の存在を強く主張しません。
それゆえ、時々驚かされることになります。
誰もいないはずの息子の部屋から
突然、「ガラガラ、ガッターン」と瀬戸ものをひっくり返したような音がして、
泥棒が入ったかと思っておそるおそる部屋に入れど、人の気配なし。
これは、もしやポルターガイスト現象かと思い、
「知り合いの霊能者に相談!」と電話器のプッシュボタンに指を触れた瞬間、
水槽の中のカメがひっくり返っているのに気がついたり、
深夜に誰もいるはずのない息子の勉強部屋で、
妻が何やら人と話をしているのに気がつき、
不審に思い、部屋を覗けど妻以外に人の気配なし。
妻はまさか、どこぞの幽霊と会話できる能力を
いつのまにやら有したか? と思いきや、
その相手は水槽の中のカメさんだった。
こんな風に、過去に驚かされた出来事は数知れず・・・
そんなわけでわが家はたった1匹のカメさんがペットなわけですが、
この頃、ようやく私も慣れてきて、
時々、彼を眺めていると、そのやさしげな表情に、
いつの間にかこちらの心も和んでいることに気がつきました。
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ペットというのは不思議な存在です。
私の周囲にもペットを飼っている人は多く、
ペットにまつわる興味深い話をしてくれることがあります。
例えば、ペットの病気は、その飼い主さんの病気が原因という話。
人間と暮らすペットたちは、私たち人間のように「家族」を
「自分」と「自分以外の人間」という風に分けてとらえないそうです。
ペットは、自分のことを「家族の一部」と思っています。
「一員」ではなく「一部」です。
「一員」は「自分という小さな個」であり、
「一部」は「ひとつの大きな全体の部分」です。
ペットたちにとって一番大切なものは家族全体。
だから家族全体のバランスが崩れると、自ら病気を引き受けるのです。
ガンにかかっている家族がいると、
いつの間にかペットがガンになります。
例えば、お母さんがガンにかかっているとして、
ペットがいるとお母さんのガンは、
何もしないのにやがて良くなります。
しばらくすると、ペットはお母さんのガンを引き受け、
ガンになって身代わりで亡くなります。
ペットが亡くなると、お母さんのガンが再発します。
「家族思いのペットの身代わり死は、高い確率で起こっている」
以前、ある人はそう言いました。
動物は、その本能で人間の病気がわかるそうです。
家族思いのペットたちは、言葉に出して言わないけれど、
大切な家族の病気を自ら引き受け、
自分の命を犠牲にして家族を助けようとしているのです。
「愛する大切なペットに、少しでも長生きしてもらいたい」
飼い主はきっと誰もがそう思っていることでしょう。
けれど、そのためにはまず第一に、
飼い主である自分自身が
健康で幸せな状態でいなければなりません。
そういえば、カメさんがうちにやって来てから7年になるのですが、
5人の家族みんな、誰一人病気にかかって病院のお世話になることなく
元気に過ごせています。
水槽の中で眠たそうにひなたぼっこしている
わが家のクサガメさんを眺めながら、
私は思わず合掌。
生きものは、目に見えずとも
互いにエネルギーレベルで交流しているもの。
クサガメの寿命は長く、40年近く生きるものもあります。
カメさんのためにも、私自身が元気で長生きしなければ。
きっと、そう思うこと自体が、私にとって、
健康に生きるための「アニマルヒーリング」、
そんな風に思っています。
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