小麦は100%悪いわけじゃない。今こそ見直そう小麦胚芽〜全粒粉パンのすすめ


ここ数年の糖質制限ブームやグルテンフリーブームというのは凄まじいと思わざるを得ません。それらの効用を主張される方たちの意見は理解できますし、上手に活用すれば健康状態をより良く変えていくきっかけを含んでいることにも異論はありません。

けれども、二元論的思考で米や麦を一刀両断し、まるで「穀物は悪者」みたいに言ってしまう方もあって、「それはどうかな?」と、私などは思うのです。

本来、この世に存在するすべてのモノゴトは必要があって役割を与えられ、そこに在るのであり、単に人間側がその時々の見解の相違により、対象となるものに善悪のレッテルを貼っているにすぎないのではないか?

「穀物などは長きにわたり人類の生命を支えてきた大恩人なのに」、私はそう思うのであります。

■真の問題は穀物にあらず

米や小麦を悪者扱いにし、それらを口にせぬことを誇るような人にも時々出会うことがあります。そんな時、心にはなにやら寒い風が吹くのであります。

人類は、科学とテクノロジーにより、食料の大量生産・大量消費という長年来の夢をほぼ叶えてしまいました。それにより、穀物の質そのものを大きく変化させ、それらを常食することにより一部の人々に健康不安が生じているのも事実。しかし、問題はエゴをエスカレートさせ、自然法則から外れたものをつくり出してしまう人間の側にあるのであって、穀物なのではない。

今回は、そんな観点からぼやきつつ(笑)、小麦胚芽を取り上げて褒めちぎり、世の行きすぎたグルテンフリーブームに対して少々疑問を投げかけてみたいと思うのであります。

■小麦を食べるのを止めると体調が良くなる?

小麦に含まれるグルテン。これはタンパク質の一種でパンをはじめとするすべての小麦製品には多かれ少なかれ入っています。グルテンは調理の時には便利で、これにより独特の粘りとコシが生まれます。あのうどんやパスタになくてはならない強いコシが生じるのです。

しかし、問題がないわけではない。日本におけるアレルギー3大発生物質というのがありまして、①に卵、②に牛乳、そして③つ目が小麦です。日本人なら、20代成人の20%、40代以降の成人ならすでに30%以上がアレルギーを持っているとも言われています。しかも小麦アレルギーにおいては、先のグルテンが原因というケースは多いです。

●小麦とその穂先の様子

セルビアを代表する世界的テニスプレイヤーのノヴァク・ジョコビッチが、自分の体質が小麦グルテンと乳製品の不耐症であることがわかり、14日間グルテンを断ったところ、体重が減るとともにカラダの調子が良くなり、コート上でこれまでにないスピード、柔軟性、集中力を発揮し世界チャンピオンになってグルテンフリーに関する本を書いたのは有名な話ですよね。

確かに、グルテンフリーダイエットを行うことにより、肥満や炎症などの痛みや痒みの改善、肌荒れや、精神的トラブル、慢性疲労などが一気に解決してしまうケースも中にはあります。

私も以前、姉妹ブログ『noahnoahの21世紀カラダ島』で自閉症の子供が小麦と牛乳の摂取を止めたことで症状が驚異的に改善した例について書いたことがありました。

*『noahnoahの21世紀カラダ島』「自閉症と牛乳』

https://ameblo.jp/noahnoahgood/entry-11958252082.html

■人間のエゴがおかしな品種を生んでいる現実

戦後、生活スタイルも食生活も欧米化してしまった日本。最近では、なんとお米の消費量よりも小麦の消費量のほうが多くなりました。それに伴い、今後わが国でもグルテンの過食による問題がさらに増えて行くことは予想されます。

しかし、歴史を振り返ってみれば、もう何千年にもわたって小麦は人類の命をつないできた立役者でした。ところが近年、品種改良を通じて小麦そのものの種が大きく変質してしまいました。独特の食感と旨味を際立たせるために種に放射線を照射することも普通に行われているのです。

動物ならば、放射線を照射すると奇形が生じる確率が高まります。ニワトリならば4本足が生まれたりするわけです。販売する側にとっては、一羽のニワトリから4本のもも肉が取れたらそれだけ儲かりますよね。でも、そんなニワトリのもも肉を食べたいと思う人はいないでしょう。

けれども、もしそれを植物に対して行ったとしたならどうでしょう?

旨味や食感が変わったとしても加工してしまえば、なんら通常の小麦粉と変わらない。それどころか消費者も美味しいと喜んで買い求める。でも実際、数十年前の小麦と現在の小麦とではまったくその質が異なってしまっているのです。数十年前の小麦に比べ、現代小麦は、なんとグルテン成分を従来の約40倍も含んでいると言います。これでは人間のカラダにも異常が起こらないわけがありません。

■小麦を麻薬にしたのは人類?

通常、脳には異物が入らないように血管に関所を設け、ブドウ糖しか栄養素が入らないような構造になっています。ところが、そこを通り抜けられるもう一つの成分があるのです。それは、麻薬をはじめとする神経に作用する中毒性のある物質です。そして、困ったことにグルテン成分も脳血管の関所を通り抜けます。

これは脳にアヘン等の麻薬が入り込む時の状態に似ていると言います。多幸感と常習性があるのがその特徴。なので小麦製品を食べると気分が高揚して幸せな気分になり快感をもたらします。しかし、しばらく食べずにいるとまた食べたくなってどうしようもなくなる。これはまるで禁断症状でもあり、まさに麻薬のようなものと言えますまいか。

しかも、一般に小麦製品の多くは粉にする過程で大切な栄養成分を取り除かれて精白され、ほとんどが糖質とタンパク質で占められた本来とは異なる食品へと加工されて、私たちの口へと運ばれるのです。

■小麦の持つ「善」的要素、それは「胚芽」

質的に変わってしまった小麦と、精白後、栄養的にバランスを欠いた小麦粉の加工品。それを量的に、習慣的に摂りすぎてしまう現代人。問題の根本的な原因は、どうも小麦そのものよりも私たち人間の側にあるように思えてなりません。

「単に小麦製品を食べない」という選択は、それが原因で体調不良を起こしている人には個人的な健康改善の助けとなりますが、この状況を取り巻く根本の解決にはならないように感じます。それでは小麦を一面的な見方で「悪」としか捉えていないことになるからです。

小麦そのものにも「善」なる要素は存在するし、消費者である私たちもその「善」なる部分を知って、食料としてバランスよく用い、もし市場に望むものがないのであれば、生産者に希望するものをリクエストして私たち自身の消費動向そのものを質的に変えていく必要があるのではないか。それこそが食料問題及び経済・流通、世の中の流れを変える上で最も大切なことだと思います。

さて、ではその小麦の持つ「善」なる要素とは一体何なのか?

それは、栄養的に言えば「小麦胚芽」です。

■ほとんどの白パンは「胚乳」のみでできています

「小麦胚芽」とは、小麦の粒を構成する胚芽部分を指します。胚芽とは、植物の種子に含まれ、成長とともに芽になる部分のことです。

小麦粒は本来、外皮、胚乳、胚芽の3つの部分で構成されています。成分のうち最も多い約83%を占める「胚乳」、これが加工されて小麦粉になります。主な成分は糖質やたんぱく質など。次に約15%を占めるのが「外皮」です。これは「ふすま」と呼ばれ、家畜の飼料などに利用されます。また、アジアのいくつかの地域では、この部分を含んだ小麦粉を水で練って無発酵の薄焼パンにして主食としたりします。

そして、小麦粒の約2%を占める部分が小麦胚芽。ここには、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどさまざまな栄養素が最も豊富に含まれています。もともと小麦は栄養バランスの良い穀物にも関わらず、粉に加工するプロセスで外皮や胚芽が取り除かれてしまうがゆえ栄養の偏りを生むのです。

■ビタミンEを豊富に含む小麦胚芽

小麦粉に含まれている脂質は約1~2%とわずかな量ですが、小麦胚芽には約10%も含まれています。小麦胚芽には、細胞膜を構成する重要な成分であるリノール酸やリノレン酸といった必須脂肪酸も同時に含みます。

また、ビタミン類では、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEが多く含まれています。小麦胚芽に含まれるビタミンB1とビタミンB2の量は、白米の約20~30倍。さらには、カルシウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル類も豊富に含まれます。

そして、小麦胚芽の優れた特徴、それは偉大なる「ビタミンE」を含んでいるところにあります。

このビタミンEの70%を占める「α-トコフェロール」には過酸化脂質を生成するのを防ぐ効果があり、血管を若く、血をサラサラにする働きが強いのです。そのため、脳の酸素補給に役立ち、新陳代謝を促し、細胞を活性化する働きも持っています。

さらには抗酸化作用が肌のシミを予防し、生殖機能を回復する効用も認められています。いわば、カラダの内側のみならず、外側にも作用し、見た目にも若々しいカラダを維持するのに役立っているというわけなのです。

■現代食はビタミンB1不足食

疲労感や便秘、脚気の予防・改善をするにはビタミンB1が必要ですが、最近はカップラーメンやレトルト食品などインスタント食品が全盛。しかし、これらのものを多く摂るほどにビタミンB1は欠乏してしまうのです。それにより無気力感が生じます。

現代の若者に多い無気力、元気のなさというのは案外こうした栄養の偏りが原因となるものも多いのではないでしょうか?そうした若者たちにこそ、小麦胚芽、小麦胚芽油を食生活に取り入れることをおすすめしたいのです。ほかにも、小麦胚芽には糖質の代謝を促し、カルシウムの吸収を高めてくれる効果もあることが報告されています。

小麦胚芽油には、小麦胚芽の効能に加えて油特有の作用もあります。それは、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸が豊富だからです。これらは脳の栄養となる油でもあります。

血行を促進して症状の緩和を目指したい人、若々しさを保つビタミンEの効果を重視するならば、小麦胚芽よりも、むしろ小麦胚芽油で摂取するほうがより良いかもしれません。なぜなら、ビタミンEは脂溶性であるため、小麦胚芽油のほうにより多く含まれているからです。

また、便秘解消や痔の症状を緩和する目的で摂取されるならば、食物せんいをより多く含む小麦胚芽で摂られるのをおすすめします。そうした製品には粉末やシリアル、フレークなどで摂る方法もあります。しかし、脂肪分の有無についてはそれぞれに異なるため、しっかり表示成分を見て買われることが大切です。

■美味しく小麦胚芽を摂りたいなら全粒粉パン

あなたが小麦胚芽をより自然なカタチで摂りたいと思われるなら、全粒粉のパンをおすすめします。

小麦粉、水、塩、イーストなど自然素材で作られたパンは本当に美味しいものです。しかし、作るのに時間がかかる上、すぐに新鮮でなくなってしまうので、多くのベーカリーや大手のパンメーカーは作る時間を短縮し、安定剤や防腐剤を加え、化学的な味を消して失われた味を補うために、さらに甘味料を加えています。

そうしたパンの原材料を正直に書き出せば、きっと30種は下らないはず。しかも、そのほとんどがミネラルを含まない糖質とタンパク質が主体のパンなのです。

しかし、全粒粉100%のパンは、栄養豊富な外皮(ふすま)、内胚乳、胚芽3つの要素を全て含んでいます。この場合は、もみ殻に含まれているナイアシン、リボフラビン、チアミン、葉酸、鉄の5つの栄養素や食物せんいも摂りこむことができます。食物せんいはしっかり摂れば腸の働きが良くなるし、心臓病や大腸がんのリスクを下げるのにも役立ちます。

■菓子パン食べながら痩せようと思うのは難しい

時々、「痩せたい」と言いながらパンや小麦製品を多く食べている方に出会います。よく訊いてみれば大抵、真っ白な食パンや菓子パンが好きで食べていると言います。しかも、その多くは便秘症。それをしばらく止めて全粒粉のパンに切り替えてもらうだけでも、通じがついたり、体重が落ちたりすることがあります。

しかし、最近は健康志向を装って「白いパンを食べている人たちでも食べやすい」という、宣伝文句が書かれた全粒粉パンもありますので注意が必要です。それらは、全粒粉を細かく砕いて、生地改良剤を加え、パンを柔らかく保って後からふすまを加えた「なんちゃって全粒粉パン」の場合もあるのです。こういったパンには食物せんいがあまり含まれていません。

ラベルをよく見て購入するか、可能であれば、より自然な原材料を用意して自分で焼くに限ります。

●ライ麦の入ったハード系全粒粉パン

そんなわけで、全粒粉パン好きな私は、昨今の行き過ぎたグルテンフリーブームに疑問を投げかけてみたくなり、今回の記事を書きました。実際、全粒粉で焼かれた自然派ハード系のパンは食べた後、白パンを食べた後のような「なんとなく疲労して眠くなるような感じ」があまり起こりませんし(あくまでも私の場合)、味わい深くて美味しいものです。

とういうことで、まとめますと・・・

悪者扱いされている小麦。しかしそこに含まれる小麦胚芽や小麦胚芽油の栄養成分には、体力増強、血行改善、老化予防、シミを防ぐ、便秘や痔、脚気の改善の効果があります。

もっとこだわるなら、小麦の品種までさかのぼり、人間が種に手を加える以前の古代小麦についても論じなければなりませんが、それは長くなるのでまたの機会に。まずは皆さん、パンを食べるなら全粒粉パンを選びましょう!!

⭐️  もっとこういう製品を扱ってくれるお店が普通にあると良いなあ。そう思う人は多いはず。それにはまず私たち消費者が良い製品を売り手側に求めることが大切!もっと意識を向けていきましょう!

【有機JAS】風と光 オーガニックパンミックス粉 全粒粉 250g ホームベーカリー

価格:432円
(2017/6/2 11:34時点)
感想(2件)

にほんブログ村 健康ブログへ

★ついでにポチッとして頂けたらうれしいです。ありがとうございます。

にほんブログ村

投稿者プロフィール

noahnoah
noahnoah
治療家。マクロビオティック指導家。導引研究家。子供の頃から「生きる」ことの不思議に興味を持つ。20代で放浪の旅に出たインドで九死に一生を得る体験をする。以来、宇宙と生命の繋がりについて考えるようになる。現在、モノを書くことを通じて宇宙生命の神秘に近づこうと奮闘中!
TAG
スポンサーリンク
AD
AD
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
AD

コメント

  1. 内野隆司 より:

    小麦の現状が非常によくわかりました。私は,毎週趣味で全粒粉パンを焼いていますが,その効用についてはあまり知りませんでした。このブログを読んで,全粒粉パンの良さがよくわかりました。まだまだ美味しい全粒粉パンはできあがっていませんが,今後は,このブログをよりどころとして,頑張ってゆきたいと思います。

    どうも有り難うございました。

    • noahnoah より:

      内野さま
      コメントありがとうございます!
      趣味で全粒粉パンを焼かれているなんて素敵じゃないですか。噛めば噛むほど味があるのが全粒粉パンの良さです。
      ぜひ美味しいパンのオリジナルレシピを完成させて周囲の人たちを幸せにしてあげてください。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です